表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
塔のこぼれ話  作者: 炯斗
44/92

将来の話

就職支援課から借りてきた様々な職業が載った本を眺め唸り続けるソーマに、ハトは遂に声を掛ける事にした。

「何を唸っているの」

「あ、ごめん」

咎めたつもりはなかったが謝られてしまった。

「就職を考えているの?」

「ええと…うーん、ぼんやりね」

直にケイナは講師として戻ってくる。ピノは環境局で局員として就職したらしい。ルカはレンジャーの訓練施設に通っていて、恐らくそのまま入隊するだろう。ネレーナは元々稼ぎが良い。今でも芸事で稼ぎながら学生を続けている。ユークは続々と特許を取って今は世界中を歩き回っている冒険家だ。エトラはまだ塔に籍を置いているが、自分の薬局を持っている。ユグシルは音波や磁波を使った診察を行う技術医師として活動しているらしい。

「目指すところはあるの」

「…彫金師とか宝石鑑定士とか、石と関わる仕事はどうかなぁと思うんだけど…」

「なるほど『ぼんやり』ね」

「うん…」と力なく肯くしかない。

「そういう組合や組織に伝手はあるの?」

珍しく質問の多いハトにソーマは内心少し驚いた。

「まあ、バイトとかを通して多少は…。でも付き合いとか苦手だし、組織に所属するよりは個人で、とか」「やめた方がいいわ」

「えっ」

被せられた否定の言葉に一瞬思考が止まる。

「ソーマは、少なくとも信頼出来るマネージャーを雇ったほうがいいと思う」

「…そう…かな」

ハトは深く肯いた。

「なんにせよ、ソーマの就職活動は塔を通した方がオススメ」

そう言ってハトはうーんと唸るソーマに背を向けた。

「…ハトは?」

声を掛けられ、ハトは立ち止まって振り返る。少女の域を脱した顔で優美に微笑んだ。

「私は金銭に困ってないから」

大国ティアラに領土を持つ貴族の子女は、労働をする気は更々ないらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ