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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
89/110

089 成長

ライベの門が見えてきた。こう見ると結構大きいんだな。

まあそりゃそうか、だってライベって住宅が密集する街だもんな。

そりゃ厳重に守るに決まってる。

しかし問題がある。だんだんと日が落ちてきたのだ。夜になると門は閉まる。魔獣が強力に活性化することは夜の方が多いらしいからそれも当然だ。

で、距離と歩く速度を考えてみると恐らくこれ間に合わないと思われる。

ならもういっそ開き直ってのんびり歩いていくのが良いか。

「暗くなってきた」

「今日は外で野営になると思う。門の目の前でね」

「それで朝一番に入るの?」

「そういう事」

「外壁を背に寝ればいいかもね」

「そうだね、まあ焚火はないけど」

「それでも十分だよ」

「そう言ってくれると助かる」

放しながら歩いていくと、遂に城壁までたどり着いた。

城壁を背にし、発光石を焚火代わりに夜を越す。

ここまで魔獣がいないとなると今日の夜は魔獣はこなさそうだな。

「見張りは任せた。おやすみなさい」

「ん?」

嫌な予感がしてナナの方を見るともう寝ていた。

確かにいろいろと決める前に寝てしまえば俺が見張りをせざるを得ないけどさ。



結局夜遅くに眠気で意識がもうろうとしながらまともに志向もできない状態でいたところを、ナナが起きてきて見張りを交代してくれて、俺は何とか眠ることが出来た。なんだかんだ言ってナナは優しかったと言っておく。



「フェリックス、朝」

「おはよう」

眠いながらも起きる。一度起きないと目は覚めない。門から少し避けたところで寝ていたが、朝起きてみると門の前に団体がいるのが分かる。

それも子供…つまりは俺とほぼ同年代…

さらには大人が一人先頭に立っている。

これは多分あれだろうな、学校。

取り敢えず知らないふりをしていよう。確かめんどくさいのがいた気がするからね。

気付かれませんように気付かれませんように気付か

くすくすくすくす

聞き覚えのある耳障りな声だ。あー嫌だ嫌だ。

というか教師の様な立場の人がいるはずなのになんで?

「うわ凄い魔力。こんな人を不快にさせるだけのスキルあるんだ」

「あ、あの声ってスキルだったんだ」

昔はあのスキルのせいで恐慌状態になってたけど、今ではもう効かなくなったのか俺も成長してるんだなあ。

それと、観察してみると教師と思われる立場の人が門を通るための申請に張り込んでいることが分かった。少し離れたところで生徒たちは待っているらしい。

だから好き放題って事か?秩序どうなってんだよ。

「おい、どっかで見たことある顔だなあ」

「奇遇ですね、こちらも見覚えがある音と顔だと思ってました」

「上学校に来ずに何してるのかと思ったら何をしてるんだぁ?」

「諸事情で行けないようなので、旅してました」

「適当な事言ってんじゃねえ」

どすっ

だん、どん、ごろ

いきなり殴られた!理不尽な!

そしてもう一人の見知ったイケメンが

「アランさん!どうなってるんですか?」

「彼は日ごろの鬱憤が溜まってるんだよ、常に成績一番に居座ってるのがすごい嫌な人物でね」

「アランさんは?」

「僕は彼と同じくらいだね、でも彼の方がよくからまれてる気がするよ」

「まあ、あんな我が物顔してたらね」

「そういう事さ」

「よーし!事情は分かったけど、ストレス発散のためのサンドバッグにはなってやらない!こっちだって自分の成長を実感したいんだ」

「うるせー!!」

また殴り掛かってきてる!

回避。

よし、そこまで動きは速くない。

ガルドの方が速いね!

「手助けはいる?」

「要らない、一人でやりたい」

「分かった」

「さあ来い!こっちは割と経験積んでるんだ!同年代に負けるものか!」

「よく言うぜ!」

流石に毒は使わない、そうなると右手で触れないようにしなければならない。右手は最優先で避けよう。

いや、その前に一度攻撃を止めて、

「『発光石』」

前面に発光石の壁を張る。

ドン(1)ドン(2)ドン(3)

3度の衝撃で揺れた壁が轟音とともに崩れ落ちる。打撃で砕いたらしい。確かに物理的な障壁に対しては脆いけどそれでも石だぞ?

「今更だけど武器は無し?」

「当ったり前だ!!!」

振りかぶられる拳は赤色のオーラを纏っている。

なんかやばそう

受け止めるために近づけた手に熱が伝わる。その温度が高すぎて思わず手を引っ込める。

今までに戦ったことのない戦いにくさだ。

ひっこめた左手を後ろに回す。身をかがめて這うように移動し、背後に回る。動きを止め、相手の攻撃を待つ。

その隙間に何を感じたのかは分からないが、すぐさま振り向いたそいつは

足による蹴りを繰り出した。姿勢を低くしていたため、俺に当たることはなかった。けれど当たってたら悲惨なことになっていたのは確実だ。

でも蹴りであったのは助かった。

地面に突き立っている方の足を全力で殴り、崩し倒そうと試みる。

しかしその目論見は失敗に終わる。体勢は崩れたが、その直後に足が地に着いた。もう少し早ければ!しかし後悔してももう意味はない。

一度後退する。

そして殴りを避けたときに掴んだ石に『結剣』をつけて投げる。

どうやら武器のみに使える、というわけではない様だ。

「ちっ、武器は禁止だっ…」

「武器じゃなくて石だよ?」

「いいぜ殴り落としてやる」

相変わらずの大振りだ。さっきこちらの攻撃が失敗したから警戒していないのだろう。だったら今度こそは利用させてもらう。

結剣を曲げて石の軌道を変える。

そして腕に巻き付け、傾いている方向へ引っ張る。そもそも大振りの攻撃で不安定になっている所にさらに力をかける。だから今度こそ倒れるはず!

でも念には念を入れて、さらに攻撃を加える。

まずはさらに力をかける。それに立て直そうとする足に力をかけ、体勢をさらに崩す。


「こちらの勝ちでいいですか?」

首を手でつかみ、質問する。あの後何とか倒れてくれて、その結果首を押さえつける所まで出来た。

「ああいいぜ。だけど」

だけど?

バゴン

俺の体が頬へ伝わった衝撃によって飛ぶ。

これが錐もみ回転という奴なのか?正確には異なるかもしれないがイメージ通りの回転はした。

体のあちこちが痛い。何度か吹き飛ばされたのが原因だと思う。

というかそもそも旅の途中で戦闘経験結構積んだと思ってたし、レベルも俺の方が上だったと思うんだけど、それでもまあまあ苦戦してたし

やっぱり毒を使わないだけでだいぶ幅が狭まるな。

何度も思うけど毒以外の攻撃手段が欲しい。でもそうは思ってもなかなか獲得できないんだよなあ。

「終わった?」

「終わった」

「じゃあ、入ろう。門はもうとっくに開いてるよ」

「本当だ、入ろう」

「次は何処に行くか決めてるの?」

「ビルトに合流するよ」

「…それって何人ぐらいいるの?」

「4人いるよ」

「一時だけ?」

「どうだろう?」

多分違うと思うけどまだ分からないんだよな。

…なんでこんなこと考えてるんだろう?

ビルトの皆と旅するのを当然と思ってただろうに。

まあいいや。合流してから考えよう。



さて、ビルトの家に着いた訳だけど…

いや迷っててもだめだね。入ろう。

ぎいい

ドアを開ける。

戸口に立った瞬間中にいる5人の視線が一心に集まるのが分かった。

…5人!?

「アルトさん!?」

「やっぱ知り合いみたいだよ」

「いつ知り合ったんすか」

「流された先?」

「流されたといえば!どこにいたの?あちこち探したけど何処にもいなかったよ!」

「なんか地下水路を通って流れていったみたいで…」

「?どういう事?さらに!詳しく!」

「あー」

そうだ!話題をそらそう。

という事でナナをいけにえに…

「あれ?いない」

「?」

失敗?てことは…

「それよりも!さっきの事!」

「あーこれは推測だけど多分川底に穴が開いててみたいな感じだと思う」

「じゃあここまで遅くなった理由は?」

「まあまあ、落ち着きなって。もうそろそろ昼食だろ?その時に聞けばいいんじゃないか?」

アルトさんありがとうございます。

「だからそれまでは休ませてあげよう、な?」

「確かに…ちょっと熱くなりすぎた」

「豹変してたね」

頷きながらマリアナさんの言葉に相槌を打つ。

どん

「ぐへえ」

マリアナさんが大剣の柄だけを出して突いてきた。

技術が向上している様だ。

そして相変わらず痛い。

見送り代わりの突きを貰った後部屋に引き上げる。

するとナナがいた。

「なんで?」

「フェリックスに注目が集まっている間に【竜斬り】さんに案内してもらった」

「…?」

もしかして!

「人見知り?」

「うっ、まあそうだけど」

「でも…」

「言いたいことは分かる。けど、敵対する人と敵対しない人とで合う時の感情は全然違うから」

「まあ会いたくないなら無理に会わなくてもいいけど」

でも、それだと…



名前・種・Lv

フェリックス・人・72

攻113/30 防228+45 魔167 精192+20 俊121 器121

HP281 MP276

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗 調合 装備装着 十頭蛇 病原十蛇 魔力剣 結剣

装備 黒覆布 聖銀長籠手 国亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐40 80 40(35) 重+17

装備スキル 開放 閉鎖 武装 定鋲 投擲補助


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