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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
85/110

085 洞窟に潜る-1

ナナが不思議な存在であることを再確認したところで、洞窟の下へとさらに潜っていこうと思う。今のところ障害はないので立ち止まることはない。

「どうして「勿論」で笑ったの?」

「期待されなかったから」

「…なるほど」

よく分かんないけど大体分かった。

なんか随所随所で本人はそうは思ってないんだろうけどかなり暗い過去の影がのぞくんだよな。まだ深くは知らないし、わざわざ知ろうとも思わないけど。

「平らになった」

「そうだね、もう下らずに一直線かな?それでも結構深いとは思うけど」

「分からない。そこまで先が分かるわけではないけど、今わかる範囲で道に変化はないよ」

「良かった」

それなら安心して…

ぼすっ

落ちた。

落とし穴か?それとも単なる穴か?

「これは?」

「魔術的な隠蔽がされていたみたい」

「へへっ、お手柄だぜ。俺達、これでまた報酬が…ぐへへ」

「そこ、不真面目だぞ。我々は王のためにこいつらを捕らえるのだ、報酬のことなど考えるな」

「へ、それは無理だぜ相ぼーう、俺達は金が目当てで来てるんだ」

「ならお前は相棒などではない。そもそも「相棒」になった覚えもない」

「そういうなよ、へへ、俺とお前の仲じゃないか」

「何の仲だ!」

ずいぶんと仲がよろしいようですね、では俺たちはここで退出させてもらおう。

ナナの肩を叩き、地面を溶かして穴を開けていく。

そういえば他の物質を腐食して消す時よりもやりやすい。何というか、微調整が利くという点で。

「逃がすと思うか?」

「……思いませーん」

「逃げれる?」

「だから無理だってば」

「じゃあむしろ追い詰められたって事?」

「そうかもしれない」

「拘束する」

「ありがとう」

「こっちのセリフだ」

「へへへ、後ろにいるんだぜ、気付けよ~」

「あ、そっか。フェリックス。気づけない」

え?

どすっ

「かっ…」

「あ」

「なぶり殺しにで……もするつもりだっ……たのかァ…!」

わざと急所を外して、両足と両腕に的確に刺された。

確かにこれで動けないかもしれない。でも、

「届く」

「へ、何が、へへへ」

こいつの笑い方ほんとに腹立つな!

そいつの足に抱き着く。

因みに今は籠手を着けてないので『腐食』が直で彼に当たる。

よって

「へ、へへ、悪あがきはよせよ」

へへへ野郎が俺を踏みにじろうとでもしているのか、足を振り上げる。

でも、その時には既に支える足は…

両手の中に残る感覚。足は消えていない。

なら…

ゴン

顔の横を蹴られ、痛みが走る。体がのけぞり、後ろに倒れる。

俺の『腐食』はへへへ野郎に効かなかった。

「そっち行ったぜ、相棒」

「了解した」

もう一度攻撃を食らうのは嫌だ。

手を振り上げ、溶毒を飛ばし、顔に掛ける。

もう一人の真面目そうな兵士は、顔の半分から溶毒を垂らしながらも

それが全く効果が無いかのように平然と語りかける。いや、事実ないのだろう。

「毒は暗殺の常套手段だ。それへの対策など当然している」

対策してるなよ…

しかも両方に効かなかったって事は当然両方対策しているのか。

どうすれば…

「どっちが逃げる?」

「当然どっちも」

「それはさすがに非現実的だよ」

背中合わせで話す。

「大丈夫大丈夫」

「それは、どうして?」

「…特に根拠はないんだけどさ」

「じゃあ」

「でも、それでも。俺は毒が効かなくとも勝って見せる。自信をつける。それが今の俺の目標なんだから」

出口の方に向き直り肩を並べて話す。

「ふーん」

「だからサポ…補助よろしく」

「しょうがない、私も一人じゃこっから出れないし、手伝うよ」

「出すつもりはない。私がここに立っている限りは外には出れぬ」

「で、どう出るの?」

「穴を掘って上まで開通しようか」

「でも追い打ちが怖いよ」

「そこはやりながら対応しようかな」

「そんな臨機応変にできるの?」

「無理かもしれない、だからナナにも頼る」

「おい、話を聞いているのか!」

「敵の話を聞き続ける馬鹿はいない。多分」

気になる情報出されたらつられるかもしれないけどね

「それに…」

「それに?」

「そっちに気を取られてたら後ろからの攻撃に気付けないだろ?」

今回は平気で気付ける。

ナナは気づかれないようにいつの間にか俺の手に髪の毛を巻きつけていた。その髪の毛が少しだけ力がかかり、絞められた。それが合図だというのに気づくのには時間はいらない。こいつの気配を消す力は抜群だが、逆に警告されておらず、視界に映っていないなら後ろの方にいるのは確実なのだ。

だから見ずに対処した。正直当たるかどうかは賭けだけど。

当たっても当たらなくてもどうでもいい。気づいたという事実が相手に与える印象の方が大切だ。

ま、こけおどしが与え続けられる効果なんてたかが知れてるってのも事実だけど。

でも、今この場は

「牽制だけでいい。そっちの出口塞いでる奴の足止めを頼む」

「任された」

背後からの奇襲に反応する際にもう一度背中合わせになっていたが、今離れた。へへへ野郎別名影薄君との戦いをする。

奇襲は厄介だ。相手次第では即死だから。

そうでなくともここまでうざいのは早急に処理する。

「へへ、「本気出した」で勝てるとでも?」

「思うわけがない」

こいつのへらへらした笑顔は本当にいらだつ。でも焦ってはいけない。もしかしたら相手の戦略かもしれないからその場合相手の術中にはまることになる。そうわかってはいても感情の制御とはとても難しい。


相手が一筋縄でいくようなやつであれば苦労しない。

相手はまず毒への高い耐性武具、そして高度な気配の遮断スキル、そして視界から消える事が出来る高速移動の三つを主軸としており、武器に関してもその三つほどの脅威ではないが、それが凶器であるからには間違いなくこちらを害する力は持っているのだ。

「『結剣』」

「へへ、そっちがそれでやるならこっちもそれで応じようじゃねぇか、へへ」

相手が何本かの投げナイフを取り出す。その一本一本の柄からは魔力の紐が伸びている。

「いくっぜーへへへへへ」

適当且つ無作為のように見えて確実に所々命中を狙っているかのようなナイフの雨。取り出したナイフは数本なのに、それぞれがヨーヨーの様に戻っていくから限りがない。

でも、見たところ向こうはナイフを操れない。せいぜいが手元に引き戻すだけだ。

だから、

「複雑な軌道はこちらの専売特許!」

ナイフの雨をかいくぐる。たまに衝突して撃ち落とし、短剣だけでもあいつに近づける。

慎重なのか一度退いた相手。

それでもナイフを投げる手は休めず、雨は降り続ける。

受け止めてもいいかもしれない。全部消してしまえば…

そうだ、そうしよう。

被弾覚悟追いつけない事承知のうえで、被害の半分も消滅で防げれば上々だろう。

走る。

遅いながらも、ナイフを投げながらかつ狭い空間内で戦う相手に少しずつ肉薄していく。そしてやっと、

「届いた!」

ナイフが刺さる。『結剣』を巻き戻して更に接近、蹴るために足を振り上げる。

「へっへっへっへっへ、たぁまらないなぁ」

狂ったような濁った眼をしている。相手がナイフを投げ捨てた。

無手になったその手はグローブのような何かで覆われていた。

「近接戦闘!飢えていたんだ。楽しませてぇ!くれよぉ!!」

ラッシュ、多分そういうのだろう。聞いたことがあるような気がする。

相手の攻撃が止まらない。ナイフの雨よりも攻撃の密度が断然高い。一瞬で気絶できる。それほどまでに攻撃は激しかった。何と距離を取って猛攻の中から抜け出せたが、突破は困難かもしれない。

それでも、勝利は諦められない。

からん

ナイフを()()()

そして俺は連打への対策を進める。

とはいっても対策の使用が無いか?ならもう使い時だ。

さっき落としたナイフが跳び上がる。結剣はまだそのままだ。

ざん

ナイフが刺さる。癪に障るあの笑いが顔から消えた。

毒を流し込まれてる。もし耐性があったとしても関係ない。

これはまだ本命じゃ

「え、速い…そ」

ナナが何かを…何か…を

俺の上に影がかかる。

出口で待機していた方だ。仲間のピンチに出て来たのか?

マズイ。当たる。

そして打ちどころが悪かったら最悪…

ゴン



名前・種・Lv

フェリックス・人・72

攻113/30 防228+45 魔167 精192+20 俊121 器121

HP281 MP276

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗 調合 装備装着 十頭蛇 病原十蛇 魔力剣 結剣

装備 黒覆布 聖銀長籠手 国亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐40 80 40(35) 重+17

装備スキル 開放 閉鎖 武装 定鋲 投擲補助


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