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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
4/110

004 霧の山の中

遅すぎるステータスの意味文章化です。誤解があったらまずいので一応。


攻…そのまま攻撃力、筋力は体の部位によって異なったりするからあまり関係ない。

防…防御力、体の硬さが固いと防も高いけど、柔らかいから低いとは限らない。

↑これら二つは物理限定

魔…正式名称は決まってないけど大体魔法値とかで呼称している。魔術攻撃の攻撃力。

精…精神力。魔術攻撃に対する防御力。

俊…俊敏性。足の速さなど、跳躍力とかもここに入る。

器…器用。職人とかは大体すごく高いイメージ。

HP…体力、生命力。0になると死ぬ。体の欠損具合と連動しないこともある。

MP…魔力。0になっても特に死んだりはしないけど魔術系の攻撃はたいていこれを消費して撃つ。


スキルは単に列挙してるだけです。

朝起きて、干し肉をさらにちぎって小さくしたのを朝食とし、

そこら辺の雑草を鑑定して、少しでも味のよさそうなものを野菜として食べる、凄い原始的な感じだけどとても珍しい事をするのでそれに対する知的好奇心が俺を突き動かしている。

毒耐性のおかげで都市外周の野草程度の毒なら聞かないのもある。

2年間で目覚ましなど無しで起きることには慣れているので、たやすく起きれた、おかげで、余裕をもって町の西の門の開門に合わせて出ることができた。


山に入っていく、他にも数人前や後ろにいる、パーティは一つだけであとは、ソロだ。

山に入ったら目的別に何方向かに分かれて進む、俺は、山頂を目指すので東だ、西の方の頂が、三面鳥の縄張りだ。

それと、新しい技を考案したので試してみたい、

と思っていたらちょうどいいところに甲羅が退化したリクガメのような魔獣がいる、本でサーター山に出現する魔獣の情報は頭に入れている、

あいつは、タートラという名前だ、亀みたいな名前のくせして防御力は低く、魔術を使う魔獣だ。

早速新しく考案した毒小蛇(ミミズ)を使ってみよう、この毒小蛇は、指から細長くのばした溶毒を出して攻撃する術で、俺の意思で曲げたりすることも可能だ、しかしそのままだと地面を溶かしてしまうため、腹にあたる方を溶毒ではない毒で包んでいる、これは地を這わせることで隠密性の高い攻撃にできているためそれが魅力だ、空を通すことはできない。今のところは。

「『毒小蛇』」地面に手を当てる、タートラの方に毒小蛇がのびていき、腹に刺さる。タートラは腹から溶けていった、完全に溶け切らないうちに急いで駆け寄り甲羅をナイフで切り取る。この甲羅は柔らかくゴムのような素材として利用できるそうだ。ギルドで売ろうかな。

そんな調子でサーター山の頂上に向けて魔物や魔獣を倒しながら進んでいく、道中幾つかの技を手に入れた。これは毒魔術を使っていくうちに獲得したものだ。

《毒魔術・漆血、毒魔術・毒針》

漆血は自身の血が毒になるというものだ、現在はその名の通り漆の様にかぶれる毒になっている(木の器を塗ることには使えません)、毒針は魔力で作られた毒の針を飛ばす技だ。

《毒魔術・焼毒、毒魔術・薬毒》

焼毒は、かかった部分に焼けるような痛みが広がり徐々に体が削れてい毒だ、溶毒の殺しに特化した部分を痛みを与えることに変化させた毒だと言える。

薬毒は生物にのみ効く毒で体内に入るとその生物の体にしびれや痛みなどの効果が出る、暗殺などにもよく使われるシンプルな毒だ。

Lvも上がり、ステータスも上昇した。


名前・種・Lv

フェリックス・人・13

攻33 防54 魔46 精42 俊39 器42

HP72 MP75

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性


そして何匹目か分からないが魔物を倒す。

おなじみになってきたこの山一番の雑魚赤鼠だ。

特に使える部分もないだろうから、埋めておく。

この流れも最初はいろいろと苦戦したが段々と慣れてきた、今では毒針もあるためより楽に魔物や魔獣を狩れるようになってきた、

作業が終わり出発しようとしたときにそれは起きた。

木々の合間を縫ってかなりの速度で白い影が俺を襲う

その影は俺を包み後方へと一気に抜けていく、スサ雉を確認すると猛烈な勢いで回転し、方向が定まらない。

しかし時がたつにつれ、少しずつ回転も収まってきた、その回転が収まった後針は今までとは全く違う方向を向いていた、霧が発生した様だ。

霧の源は早い者勝ちで、依頼を受けていようがいまいが関係ない、これは多くの素材についても同様のことがいえる。

そこまで取ってメリットがあるわけではないが狙っている人がいるかもしれないので念のため急ぐ、息が切れて止まっては元も子もないので小走りでペースを維持することに努める。

何よりもつらいのは走っているときの感覚と体力の齟齬だ。平坦な道を歩いているように感じるのにどんどん息が上がってきてのぼりであることを認識したことや、逆に上り坂だと思って歩いていたら下り坂で転んだりしたこともあった。


針の方向へと進むにつれてだんだんと霧が濃くなってきた、

霧の中には死霊系の魔物が多く沸く、彼らは浄魔術を使って倒すのが効率的だ。なぜなら浄魔術は死霊を消滅させることが出来る。それに気づいてからは浄魔術で倒すことを心掛けていたのだが、使えそうな術は『浄化』しかないので、『浄化』を使用し、元わせた手で魔物を殴る。俺は生前武術を習っていたわけでもないので素人だ。だから適当に手を振り回したり叩いたりするしかない。

『浄化』の魔術を使うと効率よく死霊を倒せるが、その一方で素材が残らず完全に消えてしまうというデメリットもある。

そうして順調に倒していたのだが、なんか今までのと明らかに違うやつが出てきた。

大柄な死霊だ、鑑定をしてみると、


鱗覆霊(スケイルゴースト)

攻12 防30 魔70 精66 俊30 器20

HP72 MP75

スキル 不浄の鎧 霊体


「不浄の鎧、これだな恐らく」

この死霊は鱗のような物が全身についており、それがつながって鎧のような形状になっている、不浄の鎧とは、そのことだろう。

効果は恐らく浄化を弾くというものだろうが、一応試してみる。

幸いなことに相手の攻撃は低いため、近接攻撃はそこまで食らわないだろう、「浄化」浄化を手に纏い、俺の低い俊敏で死霊に一気に接近して、

しかし、当然相手も対応できる、こちらが『浄化』を当てる直前に相手の手による薙ぎ払いが俺の体を通っていった、その瞬間に体に寒気が走る、それでも何とか気力を振り絞って、当てる。

そして、ヒットアンドアウェイの要領でいったん後退する。

痛みはないが結構つらい、おそらくあの死霊の攻撃はすべて魔力的な攻撃になるのだろう、そうでなければこちらの方が防御が上回っているのにここまでダメージを食らうことはない。

てかそれ以前に魔力攻撃でない限り攻撃値が異常に低くて魔法値が高いなんてことはないだろう。

さらに悪い事に…

「ギzzzzzzアー」

「くっ」

『浄化』が効いていない!かといって毒も効くわけではないだろうし…いや効くのか?『腐食』の力で鎧を溶かせるか?

「『腐食』」

何とか『腐食』を当てる事が出来た。だがこちらも一撃食らったので効果があっても痛み分けだ。

結構濃密に手の先に溜まっていたから、耐性があったとしても恐らく効果はあるだろうが…


……結果から言うと、効果なかった、

もう打つ手がないからごり押せないかと思い『浄化』を当てているが、やはり効果はない、諦めて逃げる方法を探すかと考えていた瞬間、

鎧の上で光が輝いた。

その光は膨らみ、小さな爆発を起こした。

まあ、火気がないから単なる破裂だけど。

それにより鎧の一部が砕けたので、浄化を当てて…

勝利!

だが、こちらもこの戦いでかなり消耗した。HP30/72 MP50/75

死霊は跡形もなく消えたが、弾けた鱗はあちこちに落ちていたため、あまり傷ついていない物を選んで持ち帰ることにした。


にしてもなんであそこで破裂が起きたんだろう?

「………」

まあ、分からないことを考えても仕方がないしいいか。


死霊の手が通った所を左手で強く握り、漏れ出てる『再生』の力でHPの回復を行う。


先に進むにつれて霧が濃くなっていく、そのため息苦しくなっていく。

視界も覆われ、前が見えなくなってそれでも霧の源を取られるのは最悪なので、手探りで前に進む、

もう上に上っているのか下に下がっているのかもわからなくなった、

運動量はあまり多くないのに息がだいぶ上がってきている。

その次の瞬間に一気に視界が開けた。

それは霧に包まれたドーム、とても幻想的な光景だった。

ドームの中央には縦長で真ん中が少し膨らんでおり、常に揺れているため、不定形の白い塊が浮いていて、そこから常時霧が生み出されては滝のように下に流れて広がっていた、その霧はある程度離れたところで上に広がり、空間を覆っていた。

あの白い塊が霧の源で間違いないだろう。

あれ?

霧の源の近くに鹿の群れがいる、霧の源にかなり近い場所のとても濃密な霧を食んでいる。おそらくあれはミストーディアだろう。

「ォォォ―」向こうもこちらに気付いたようでどんどん逃げて行ってしまう。

「ってまずいじゃん」

急いで薬死毒の『毒針』で2体に絞って殺しに行く、あまり殺しすぎるのは良くないので今回は最低限の2匹を狙う。

確か角の納品個数は4つだった筈だからだ。

急所の首に当てようとしたけど体に刺さってしまい結構苦しませることになってしまった。

因みに薬死毒は薬毒の殺すことに特化させたタイプだ。


忘れないうちに霧の源を採取する、すると足元の霧が薄れ、外の霧が中にどんどん入り込んできた。

「まずい、死体を見失う!」

ミストーディアの死体に駆け寄り急いで解体する。

毛皮も何かに使えるだろうから一応剥ぐ。

肉は毒が結構回っていそうだが俺なら問題なく食べられるだろうから血抜きをしてある程度の下作業はしてバッグに入れる。

手元が見えないうえに、急いで作業を行ったため所々ミスが出たが角は慎重にやったため綺麗な状態だからいいだろう。


解体作業が終わるころには霧は晴れていた。

ここまでは順調すぎるほどに順調だ、何もなければいいが。

スサ雉の刺す方向を確認し、その方向からこのまま上った時に安全な山頂に着くことを確認する。

「いざ、山頂へ!」気分が乗ってきた。

ガサ、ガサガサ

茂みが揺れている。

と思ったら人が出てきた。

「やっぱりさすがに間に合わなかったか」

「ミストーディアもいないっすね」

「あ、でも霧草は生えてるよ!」

「ならまあ来た甲斐はあったな」

「そうだな」

4人組の冒険者?だ。

声をかけるか迷っていたら向こうから声をかけてきた。

「そこの君、霧草は霧が消えてしばらくたつと消えてしまうから消える前に葉を摘み取っておいた方が良いよ、そうすれば摘み取った部分は消えないから」

「そうそう、あっでも根は取らないでね、そうすると根と一緒に消えちゃうから」

「その希少性から多少の金にはなるっすから」

「で、なんでこんなところにいるんだ」

「き、霧の源を取りに来たんです」

だいぶ緊張してしまった。

「交渉だ、霧の源を譲らないか」

えっ

「でも、こちらも依頼ですから」

「あっ、これやばいやつだよ」

「クラース、やめろ!」

「はやく譲れ!」

この人交渉って言葉知らないだろ!交渉って互いに利益出ないと成立しないと思うんだが!

後ろから来たリーダーっぽい人がクラースと呼ばれた人を抑えた。

「何すんだ」

「みろ、あんなに若い少年だぞ、しかも装備的にも駆け出しのはずだ、だとしたら俺らよりも一つ一つの依頼が大事になる」

うんうん、この人観察力高いですか?

「だが、霧草だけのためにここまで来たんじゃ時間の無駄だろ!」

「冒険者は早い者勝ちをまなーにしてるんすよ」

そうそう、俺でも知ってるルールというか暗黙の了解というか。

「だから交渉つってんだろ!」

いやいや、どっちかって言うと脅迫

「はいおやすみ☆、ごめんね元野蛮な方の傭兵上がりで、まだその気質が抜けてないみたいで脳筋の節があるから許してあげて」

「君も霧草を取ったら、次の場所へ向かうと良い」

「ありがとうございます、あなたたちの名前はなんですか?」

「僕たちは、Dランクパーティ、ビルト、ここら辺の地域では中堅と呼ばれるくらいの実力、才能があるわけではないから中堅どまりだけどね」

「もしよかったら、一緒に下山する?色々聞きたいし、」

「でもまだ次の依頼があるので…」

「そっか残念私たちはこれで降りるから、じゃあねー」

「この脳筋重いっすねー」

「頑張れ、戦闘は俺が受け持つ」

「しょうがない、私がこっち持つよ」

いってしまった、そして個人の名前は結局聞けなかったな。

元傭兵って言っていた人が一人だけ浮いていて、他はかなりしっかりしたパーティという印象だった。

行ってしまったものはしょうがない、俺は自分の依頼を達成するために、

頂上へと向かおう。

しばらく歩くと頂上に到達した、のだが、一面岩石地帯だ。

おかしい、この山は森で覆われていてこんな場所はないはずだ。


いや、でも一か所あったかもしれない、来るわけないと思っていたからよく見ていなかったけれど、これはもしかしたら…

その思考を裏付けるように巨大な声が響く、それは低い鳥の鳴き声だ。

その鳴き声とそれが意味することに呆然とした俺の顔の横を一つの石が掠り、鋭い痛みが走る。

頬に手を当てると今しがた通り過ぎた医師によって切り傷が出来ていた。

風だけで、飛んできたのか?

その痛みで我に返った俺はとにかく下へと走る。

「どこで、どこで変わった、確かに安全な方を上っていたはずだ」

もしかして霧の中か?確かに方向感覚がくるっていたが、距離感覚までくるっていたのか?

「ギェーーーーーーー」

思わず振り返った先に怪鳥が飛んでいた。


名前・種・Lv

フェリックス・人・14

攻35 防57 魔49 精44 俊43 器43

HP83 MP87

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性



死霊系は形作られるときの怨念の量とか質でその強さが決まるから怨念があるわけでもない自然現象として発生したこの、霧の中の死霊はあまり強くない。

でもフェリックスは『浄化』が無いと多分死んでた。

…あと毒もか。

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