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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
37/110

037 東回り

第1章第3篇開始です

さて、朝が来た。

ビルトのメンバーは全員完全復活。

調子は万全、結束はより強固!…強固?

だと思う。

因みに俺の左手は肘の少し先から吹き飛んでいる。でも魔腺は実際に存在する器官ではなく腕がなくなっても残るようで、無事だ。

籠手は無属性魔力を作るために外していたので無事だ。

俺の左手の傷は一か月ぐらいで治るらしい。

治る時点でおかしいけどそこは自分の能力に感謝しよう。



マリアナさんの足首は俺の『再生』も駆使して治した。

マリアナさんの足首に左手を近づけて『再生』を使い続けたのだ。

それがほぼ夜通し続いた。時々眠ってしまったがそうするとマリアナさんの足首の傷が痛む様でうなされるような声がするのでそれで起きて気付く。俺が勝手にやった事だけどマリアナさんがそれに気づいたときはすごい申し訳なさそうな顔をしていたな。

そういえばマリアナさんって何歳なんだろう?

肉体年齢で言うと俺より2~5歳くらい上なのかな?

リーダーたちは外傷は無かったので『再生』の出番はなかったけど、

ローシェさんの足を治そうと努力していく中で浄魔術の技の一つである『解毒』を獲得した。

能力も順調に上がっていっている。ただ、気がかりなのはレベルがあまり上がっていないことだ。

割と強敵との連戦だったので上がってもおかしくないと思ったのだがどうしてだろう?

それについては後で聞いておくか。



次の行き先も決定した。

海魔を倒し切って、その報酬も受け取って、次は東の方を大きく回りながらライベへと帰還する予定だ。

俺も東方向は行ったことないのでありがたい。

後は西だけだな。


後俺は今回御者としての仕事はしない。

片腕だけで馬車を操縦するのは難しかったから仕方ない。

「というわけなのでカイさんよろしくお願いします」

「久しぶりのカイの操縦だ~!きっと快適だろうなー」

「ローシェさん相変わらず酷くないですか?」

後俺の操縦ってもうカイさんよりも速いってお墨付きがあるんですけど。

「カイ、よろしく頼んだ」

「任せるっす」

「お願いします」



「いやー、快適だねえ」

「…」

「フェリックス、分かりにくいがこれは嫌味じゃない」

「…はい」

「そういえばどうやってあのイカ倒したの?魔力しか検知できないとはいえ強敵だったんじゃない?」

「俺の捨て身の『腐食』で穴を開けて」

「私が心臓を潰しました」

「でもフェリックス君なんで気付かれなかったの?」

「ローシェさんに教わった無属性魔術を操作する技術が役立ちました」

「!暴発しなかったの?」

「はい、偶然」

「それで?あの時のマリアナちゃんの足首の傷は心臓に攻撃する時に付いたのかな?」

「付いたというか…」

「スキルの代償の一つです」

「一つ?」

「もう一つは使用時間に応じた使用不可能時間です」

「今はどれくらい使えないんですか?」

「2週間ぐらいかな」

「長!」

「はいはい、話がそれまくってるよ~本題に戻りなさーい」

「なんでしたっけ?」

「イカをどうやって倒したか、でしょう?」

「そうそう」

「とはいってももう説明終わったんですけど」

「詳しい事はまだ聞いてないね」

「無属性魔力がどう活きたのかの説明もな」

「それは俺もよく分かってないです」

「無属性魔力は脅威だからね」

「というと?」

「無属性魔力が集まることっていうのは自然界においてあり得ない」

「それはどうしてですか?」

「無属性魔力というのは心臓で生産されてすぐに体中に送られる、だから基本的に集まることが無い」

「そんな集まることが無い物が集まっていると?」

「異常を察知しますね」

「その通り!」

「何か大技の予兆とも感じ取れるだろうな」

「ああ」

納得いった。

「マリアナちゃんの方の話も聞きたいな」

「分かりました。私は攻撃を与えたらその衝撃が跳ね返ってくる心臓に苦戦してました」

「跳ね返ってくるのか…」

「そういえば、それ以前に体の周りが溶けてるのに何で平然と生きていたんですかね」

「魔物は生命力が強いから普通だ」

「あ、そうなんですね」

「で、続き続き!」

「その時にマリアナさんが足に負荷をかけるスキルを使ってました」

「足を速くするスキルっていってよ」

「確かにすごい速かったけど…」

「ふうん」

「マリアナさんが何度も跳ね返されては打ちかかっていったのは凄いかっこよかったです」

「最後要る?」

「要らないかもしれないですね」

「その攻撃が実を結んで何とか倒せました」

「おお~~」

ローシェさんがぱちぱちと拍手をする。

楽しんでるな…

「前方に馬車群を発見っす」

「!」

はっ!

思わず身構えてしまった。

やはり相当に強くトラウマのように残っているのだろうか?

「落ち着いて」

「いったいどうしたんだい?」

「大丈夫か?」

「大丈夫っすよ、ガルドは君が倒したんすからそれに、あの旗は」

「千車旅団の旗だな」

「何ですかそれ」

「行商人が何百人も集まっている世界最大規模の商人集団だよ」

「どんな人たちなんですか」

「やっぱそこは聞くよね」

「確か彼等の信条が…『必要とする者に必要なものを』と『持つ者は持たざる者へ』だったかな」

「構成員の多くが一度彼等に助けられたりした人達だ」

「凄い良い人達なんですね」

「人助けの精神?」

「助け合いが近いかもね」

「自分も助ける相手にも助けられるってことですか?」

「そういう事」

「一つ目の信条に基づいて組織内での物品共有も行われてるね」

「あそこで宿営してるみたいなので寄ってみるっすね」


「おー、冒険者だー!」

「ホントだ~いらっしゃ~い」

「素材!素材!素材買い取りますよー!」

「ちょうどたくさんあるのでお願いします」

「じゃあ一度解散しよう」

「了解ですリーダー」

収納袋を持ってさっきの人の後を着いていく。

頭で何か跳ねてるなと思ったら猫?の耳だった。

獣人ってやつか?

「あの、獣人なんですか」

「そうだよ」

素材を買い取れるのがよほどうれしいのかほくほく顔で歩いている。

テントの様なものが幾つも立っていて、テント同士をつなぐようにめぐらされている細い道が曲がりくねっている。

その中の一つのテントの中に入っていったので俺も入る。

「さあ、どうぞ!」

布のようなものがテントの床に引いてある。

そこに素材をぶちまける。

「おお~~!」

目がすごいキラキラしている。

素早い手つきで素材を勘定している。そしてお金を手渡された。

数えてみたら大体あってそうだ。

多少換金の値段に違いはあるだろうから細かい額の計算はあまり意味が無い。

「ありがとうございました」

「こちらこそありがとね~」

テントを出る。

後ろからこれで色々作り放題だ~

という声が聞こえた。

馬車によってみると誰もいなかったのでもうちょっと千車旅団の宿営地を探検してみようかな。


面白いテントがたくさんある。

上に旗がついてるテントとか、幾つもの布の継ぎはぎで作ったかのようなカラフルなテント、その中にひときわ大きいテントを見つけた。

中をのぞいてみると大人の人が前で話していて中では子供が座っている。…もしかして学校か?

邪魔してはいけないのですぐにテントを閉じて再び歩く。

そうかぁ、学校もあるのかぁ。

その後も色々と覗きながら歩いていると走ってくる人影が見えた。

どうしたんだろう?俺が悪い事をしたのか相手がお願いがあるのか。

「冒険者の方ですよね」

「はい半人前ですが」

「お願いがあります」

「依頼ってことですか?」

「じゃあそうします」

「一人で決めることは出来ないので馬車の方まで来ていただけますか?」

「わかりました。」

よほど急いでいるのか話がどんどん進んでいくなぁ。ま、いっか。

馬車に戻ると全員もう戻ってきていた。

「この人が依頼あるって言っています」

「どんな依頼~?」

「まだ聞いてないです」

「じゃあ、本人から直接聞こうか」

そういってローシェさんは依頼主のもとへと歩む。

「君がしたい依頼の内容を教えてくれないかな?」

「とある花を取りに行きたいんです」

「ほうほう、それは何処でとれるのかな?」

「プラクト山です」

「そこに一番近い都市は?」

「レイヴンっていう街です。とても小さいですが」

「そこまで分かればとりあえず出発だ!残りの話は途中に聞けばいいから行くよ~」

「は~い」

「はい」

「了解っす」

「ああ」



名前・種・Lv

フェリックス・人・60

攻97/50 防192+45 魔143 精160+25 俊105+2 器105-10

HP237 MP236

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗 装備装着 十頭蛇

装備 黒覆布 聖銀長籠手 黒亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐40 80 40(35) 重+17

装備スキル 開放 閉鎖 武装

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