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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
34/110

034 クラーケン2 弾の墨

思考してみた結果、おそらくこれだろうという一つに絞れたのだが、

「あり得るのか?」

少なくとも向こうの世界では無理だ。この魔法のある世界でもできるのかは分からない。

「リーダー、触手を辿ってみてきていいですか?」

「構わないぞ、こちらは一人欠けていても保つ」

「ありがとうございます」

触手を辿って本体を探す。

しばらく辿っていくと

ベシャ

ん?なんだ?

何かぶつかったぞ?

一応何かがぶつかったことだけ記憶してもう一度触手を辿る。

そしてその先には…

「普通にいた」

本体発見

その体に着いた目がこちらをぎろりと睨む。

直後左右から交差するように触手の突きが放たれる。

一度深く潜って回避する。

リーダーたちに一度このことを伝えに行くか。

そのために一度浮上しよう。


「リーダー!本体発見しました!」

「!?」

「どこにいた?」

「触手を辿った先です」

「俺たちがたどった時はいなかったぞ」

「そのことですけど、触手を追っているときに何かが、掛かったような感じしませんでした?ベシャって感じの音がして」

「無かった…と、思うが…いや、本当になかったか?…何か、有ったような気も…」

「…あった」

よし、また一つ仮説の根拠が出来た。でもマリアナさんはどういうことだろう?

「私は少し掠った程度だったから、今思い出した」

きっと思い出せると思った、だって記憶を消されてるわけではないことは確実だったから。

思い出せるという時点で記憶を改竄しているわけではない。

「ローシェさん!探知魔法って使えますか?」

そもそもそんな魔法があるかすら知らないけどきっとあるだろう。

「あるよ!」

「じゃあ、それで触手の先を探知して本体を探す事ってできますか?」

「できるけどこの距離では難しいかな」

「じゃあ、下まで潜って探知してみてください」

「分かった~」

ローシェさんは下へと潜っていく。

その穴を俺が補う。

ローシェさんほどの力は発揮できないが拮抗を保つくらいの働きは出来る。ほどなくしてローシェさんが戻ってくる。

「だめだった、私もリーダーと同じ結果だよ」

成る程、やっぱり

「ところで、ベシャっていう何かがかかる感覚はありましたか?」

「え~~、んーー、有ったかな?あったかもしれないけど、んーー」

ローシェさんもそんな感じか。

まあ、これらの情報からこれを引き起こしているのが毒であるのは確定だろう、では何の毒かと考えると、

俺は恐らく「思い込ませる毒」ではないかと思う。

そこに触手があるという強固な思い込み、または先入観を植え付ける毒、だからそこに触手があるように見えるし、そこを触った時に触手があるように感じる、さらには探知の結果からも、触手がそこにあることを示していると思ってしまう。ついでに触手がそっちにあるから本体が無いと思い込む、というのも入るかもしれない。暴論かな?でも一番可能性が高そうなんだよ

毒がかかった時のも、何もなかったと思い込ませている?もしくはそこはだいぶ弱くなっていて、簡単に思い出せるのかもしれない?

だいぶ無理があるかな?

でも、実際毒がどういう物かは何でもいいんだ。とにかく大事なのは

それが毒によって引き起こされたものであることだ。

「あの、みなさん、これは毒だと思います。毒によって引き起こされた誤解だから毒に耐性のある俺は対抗できる」

「解毒することは出来るか?」

「『浄化』で解毒できるかもしれないです」

「君の予想だとこれは特殊な幻覚の様な物なのだろう?だったらきっと『浄化』は使えないと思うよ」

「どういうことですか?」

「『浄化』は死をもたらす物、または死に由来するものを払う術だからね。だからただ単に影響を与えるだけの毒に効果はないよ」

「そうですか…」

これは俺一人で戦わないといけないのか?

いい加減浄化の先の術を目指すべきなのかもしれない。

「フェリックス、お前が攻撃したところを俺達も攻撃する、イカの胴がある場所へ案内してくれ」

「了解です」

触手を辿る。

何度も何度も俺に向けて毒を放ってくるが、俺には効いていない。


効かないことを理解していないのか?

今までの敵と比べて馬鹿?

連続で触手の攻撃が飛んでくる、今まで通り対処する。

俺はまっすぐと進む。その後をビルトの他の人たちがついてくる。

そうしてイカの姿が見えてきた頃には、触手による攻撃の頻度が圧倒的に増えていた。

「進めば進むほど触手の攻撃が多くなる…!」

進む速度が遅くなる。このままではまずい、どうにかしてこの攻撃をよけなければ。

「防御術式展開!」

ローシェさんの声が聞こえる。

見ると、ローシェさんの周りに縦の様な半透明の板が浮いている。

さらにローシェさんは詠唱を始める。

それに反応したのか触手が一気にローシェさんへと殺到する。

触手による連撃が魔力の盾にひびを入れていく。

ローシェさんこれ間に合う?

俺もローシェさんを補助するために一本の触手を何回か殴って軌道をそらす。

カイさんも同じように補助している。

マリアナさんも同様だが、リーダーだけは次を見据えて準備してる様だ。



ひびが広がる。

一撃、また一撃と確実に盾にダメージが蓄積されていく。

詠唱を速める。噛む危険性は増えていくが、間に合わないよりはましだ。

よし、

「『硬直雷撃(デンパ)』!」

向かって来る触手に対して詠唱していた魔術を放つ。

この魔術は、相手の動きを止める魔術だ。その上相手の体を伝って止めたい部分まで伝わってくれる。

相手の姿が見えない現状では、触手を伝って相手の動きを止めてくれる『硬直雷撃』はとても有用な魔術だ。

魔術がイカの触手に直撃する。

しかしその直後、こちらの盾が破られる。

とっさに側面の盾を動かして対応しようとするがそちらは別の触手の突きで砕かれる。

「『特性付与攻撃準備開始』」

「『杖打(エンチャント):()衝派(インパクト)』」

何とか杖の一撃でイカの触手を舌へと逸らす。

無詠唱での『衝派』は制御しきれない危険があった、案の定今は眩暈がする。

でも、この一瞬の触手の攻撃は防ぎ切ったはず、後はリーダーたちがどうとでも…

「なにあれ?」

自分でも笑ってしまう迂闊さだ。

相手に別の攻撃があるのは想定していてしかるべきだったのに。

相手の狙いも良い。足を狙ってきている。

「一時…離脱する、ごめん…」

短い詠唱をする。

風を起こす簡単な魔術なので短い詠唱で事足りる。

でもさすがに攻撃はよけきれず…

海面上に打ち上げられた。



「ローシェさん!」

全ての触手による総攻撃でローシェさんの盾を破壊しきって、残った一つをローシェさんが防いでも触手で隠れていた墨の弾丸が命中する、よく考えられている攻撃だ、これまでもこの戦術で何体もの獲物を狩ってきたのだろう。

「フェリックス!どこだ!」

「今撃ちます」

ローシェさんの事は仕方がない、ローシェさんも自分で離脱と言っていたし、生きているだろう。

地上に人が残っていて緊急の治療をしてくれることを祈るしかない。

「『毒針』」

海の中を一本の針が直進する。

ローシェさんが離脱する代わりに残した魔術によってイカの本体は今停止している、リーダーは外さないはずだ。

リーダーが剣を構える。

剣がうっすらと光る、魔力が集まっている。

お兄ちゃんのを見ていたから知っている、あれは突きの構え。

触手が迫る、今度はリーダーに狙いをつけている。

俺はリーダーに向かう触手を止めるべく進む。

リーダーが剣を突き出すと突きの形の小さな斬撃派が飛んでいく。

それがイカの本体に直撃するが…

「すまん、失敗した、穴は開けたから後は頼んだ」

かろうじて剣の刃と『装備装着』によって出現した鎧で傷を大きく軽減したが、勢いは殺しきれず何本もの触手の殺到によってリーダーも戦場から退場した。

「カイさん、あの穴をねらってください」

「もちろんっす」

俺は気を引くために触手に攻撃を仕掛ける。

短剣も使ったが、短剣の方が刃こぼれしてしまったので使わない方が良いだろうと考える。

気付いたらマリアナさんが『毒針』の後を辿って本体に接近している。

何故かマリアナさんは全くと言っていいほど襲われない。

「『貫通矢』」

カイさんの弓に魔力が集まる。

それが矢の先端に付与されて、発射される。

触手はカイさんの方へと向かっている。

さっきから頭が良い。

誰が最も脅威なのかを理解している。

だが、放たれた矢を防ごうとしていない、これはカイさんの一撃が!



防がれた。

いや正確に言うと、相殺された。

あの墨を放つ攻撃によって矢が埋まった。

多くの物にダメージを与えられない代わりに貫通できる矢の一撃だったが半液体の墨の塊は貫通できなかった。

この後の結末は見えた。

ならばどうあがこうか。

触手が迫る。

「…こういう事っすか?」

三本の矢を放つ、二本は眼、一本は穴に向けて放つ。

放たれた三本の矢は狙い通り、何にも防がれず、命中した。

「伝える時間はなさそうっす」

迫る触手、相手に接近された時用のほぼ使い捨ての盾を何枚か出す。

次の瞬間取り出した盾たちによって何とか急所への直撃を防いだものの、衝撃によって気絶したカイは吹き飛ばされる。



カイさんまでやられた。

何が判断基準になっているんだ?

脅威となり得るか、等というあいまいなものではない何かがまだありそうに感じる。

実際マリアナさんは何の攻撃も受けずにイカの方へと行っている。

俺も本体へと向かう。

もう一度イカへと視線を向ける。

両目を潰されており、音も立てていないにもかかわらず、触手はまだだれかを狙って動いている。

試しに『毒針』をイカの頭に空いた穴に打ち込んでみると…

「狙いが俺に定まった」

何を感知しているんだ?



名前・種・Lv

フェリックス・人・60

攻97/50 防192+45 魔143 精160+25 俊105+2 器105-10

HP237 MP236

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗 装備装着 十頭蛇

装備 戦闘用水着 水中呼吸器 水かき 聖銀長籠手 黒亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐70 40 60 80 40(35) 重+35

装備スキル 開放 閉鎖 武装 呼気排出 吸気吸入


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