表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
27/110

027 狙いを定めて2

「怪我人酷使するの良くないと思いまーす」

「動かせてるから関係ないでしょ?」

「右手まだ結構穴だらけなんですけどー」

「し~らない」

「頑張るっす~」

「お前以外に任せられる人がいないから仕方ない」

「はーい」

おかげで『騎乗』獲得できたから良いけど

『騎乗』も、『調理』や『解体』と同じく、使えば使うだけスキルによる補正が大きくなるようだ、だから今も馬車を操縦するのは無駄ではないのだが、

(左手の再生は完了したからまだいいけど、右手はまだうまく動かせないのに)

そういえば、籠手は全く損害を受けておらず、修復の必要はなさそうなのだ、

そこだけが救いだ。

さて、次の狙いについての話をしよう、次に向かうのはカーチビットの西側に位置するビットと同じ海岸都市であり、

タコの海魔が発見されている都市だ。

今回の海魔は前回と異なり、生息地も判明している。ただし、逆に言えば生息地を知られたうえで未だに討伐例がないという事でもあり、クラゲよりも強敵と言えるだろう。

その体の大きさは向こうの世界の長さ基準で20m以上と伝わっていて、クラゲに大きさでも勝っている。

今回はそのような背景事情もあって事前に入念な作戦会議をしてから出向くことになっている。ある程度攻撃手段も判明しているためその情報を集めながら、という事になる。



馬車でカーチへ向かう道中の会話はとても微笑ましい物だ。

私はそれを見守りながら、馬車の中でもできることを行う。

以前であれば、意味もなくただあの時を思い出すだけだったが、その束縛も「誰かを助けられた」という事実のおかげで少し解けてきている。

であれば今度も守るだけだ、脳内で今までに出会った何体かの魔獣を再現し、頭の中で戦闘をする、出来る限り今までとは異なる戦術で戦う。

特に繰り返し再現するのは今まであった中で苦戦した敵だ。

強さではなく、苦戦したかどうか、そういう風に基準を変えることで苦手な戦い方をする敵も超えようと試みる。

今まで通り思考に没入し、しかし今までよりもはるかに生産的な思考を行う。



カーチの町は、ビットとあまり構造は変わらなかった。

同じ浜辺の町だから構造も似るのだろう。

そして、宿を取ったら次は情報収集だ、ギルドや、酒場、市場をはじめとしてあちこちで徹底的に情報を集める。前回と異なり、今回は情報を集めれば集めるだけ勝率は上がる。

前回と比べても危険な戦闘になるだろうから、勝率はとても重要な訳で、だから情報を集めるのも必然的にとても重要になるのだ。

そして集まった情報はかなりの量になり、纏めるとこうなった。


・いつのまにかカーチの近海に巣穴を作って住んでいた

・巣穴から完全に出てくることはないが、その巨体を利用して、巣穴に居ながらいくつもの船を引きずり込んでいる

・主な活動時間は夜で、昼の太陽がとても高い時に奇襲に向かった冒険者が奇襲に成功したものの、死にかけで戻ってきた


戦闘に関しては


・その触手を利用した広範囲の薙ぎ払いが厄介

・触手による薙ぎ払いは砂煙が経ち、その次の攻撃が予測できなくなる

・墨を吐くことがあり、墨を吐かれると、周りが完全に見えなくなる上にステータスに下方補正が入る

・地上までは届かないが、直線に動く魔法攻撃をしてくる

・魔法攻撃は物に当たると跳ね返る

・近づきすぎると口の周りの小さい触手でつかまれ、食われる。


というものが集まった。

「恐ろしすぎでは?」

「控えめに言って化け物っすね」

「勝てるの?」

「何とかなるんじゃない?」

「戦術次第では全然勝てるな」

ローシェさんとシャークさんは強さがおかしいのかな?

「で、その戦術とは具体的にどのようなものですか」

「おそらく主軸はカイになるだろうな」

ん~~どうしてだ……あ、そういうことか

「海魔の攻撃のすべては地上に届かない?」

「そういうことだ、海はローシェの魔道具によって地上からでも海中の海魔の狙撃が可能だ、それを利用する。」

「でも、触手を地上に延ばされたら攻撃されますよ」

「そうさせないための俺達だ」

「そして海中における戦力に関してはマリアナが主体になるだろう」

「なんでですか」

確かになんでだろう

「その武器だな」

「あの大剣に何かあるんですか」

「俺も最近分かったことだがな」

「状況に応じて消したり出したりできる剣が普通の武器な訳ないよね」

ローシェさんの指摘はもっともだ、だが

「肝心の部分が知らされてません、結局私の剣は何なんでしょうか」

「そのうち自分で気付けるさ」

「きっと自分で気付いた方が、」

「嬉しいだろうさ」

「そういう問題なんですか!?」

「てっきりその後の強さに関するものだとばかり」

「うんうん」

「俺は基本的に触手の牽制を行う、こちらに意識を向けさせればカイに触手による攻撃が及ぶこともあるまい」

「フェリックス君も同じ役割だね、割と耐久性が高そうだから」

「ローシェさんは何をするんですか?」

「リーダーとマリアナちゃんの回復、そしていくつかの攻撃時の援護とかかな」

「ちなみに、回復に俺が入ってないんですけど」

「自己回復で何とかしてね」

「酷!」

「大丈夫、ほんとに危なかったら回復するから」

「それならいいですけど」

今回の布陣は決定した。



海魔戦の開始時刻は情報から最適だと考えられる正午に決定した。

正午までにはまだ全然時間があるので戦場付近の下見をすることになった。

「ここの海岸は岩でごつごつしてますね」

ビットの海岸は砂浜だったのに対してカーチの海岸は磯になっている。

「この高台とかいいんじゃない?」

「確かにいいっすね」

今見つけたのは浜辺から海に突き出している高台だ、とても見晴らしがよく(俺は見えないが)海中までも見渡せるらしい、巣穴と思われる穴も発見したそうだ。

因みにカイさんはもともと装備として海中を見通す事が出来るようになる魔道具を持っているそうだ。

「当てられるよね」

「当然っすね」

という事でカイさんが陣取る位置は決定した。

次は巣穴の位置を具体的に距離で特定する必要がある。

という事で海底の地図を買い、カイさんの視覚情報と合わせて距離とかを特定し、海底の地形を活かした作戦を考える。



「ここまでやればいけるか」

「そうだね」

最終的な作戦が決定した、もう時刻は正午が近いと思われる。

太陽は高い。

作戦決行だ。

「じゃ、俺はこっちに」

「ああ、狙撃は任せたぞ」

「任せろっす」

「さあ、俺たちも行くぞ」

緊張感を持っていざ潜水

少し泳いでいくと巣穴が見えてきた。

「でっか」

20メートルクラスの巨体の巣穴というだけあって穴はとても大きい。

バッ

リーダーが手を挙げた。

ここからは音を出すなという合図だ。

先ほどにもまして静かに、そして慎重に進む。



巣穴のふちに到着した。

中をのぞくと巨大な影が周期的に膨らんだり縮んだりしている。

恐らく寝ているのだろう。

所撃破威力重視でローシェさんの魔術に任せられている。

ローシェさんが静かに詠唱を始める。

詠唱すると起きるのではないかと思ってしまったが、音が外部に漏れないようにする結界があるそうで、それを展開しているとのことだ。


「我、ここに組み立てる。

海流ここに渦を巻き、命を閉ざす蓋となる。

雷撃ここに列を為し、海魔を起こす槌となる。

結界ここに壁を立て、魔力を留める筒となる。

結界は砲身へ、不可視の壁は魔に突き立つ。雷撃は砲弾へ、黄金の雷は魔を穿つ。海流は歯車へ、回る渦は力を生む。

組立し、大砲の一撃に我は我が動きを捧ぐ、

この雷弾轟くべし、この雷弾輝くべし。

汝轟音とともに起きよ。

『複合魔術武装:界身雷弾』」


幾条もの絡まりあった雷が迸り、穴の中の影に直撃する。海魔の目覚ましは豪快に響き渡り、戦いの始まりを地上の弓使いに知らせる。

それと同時に俺も毒針を放つ。

ローシェさんが言うには毒針は命中したことを引き金に毒を放出するため、海を汚す心配はないそうだ。

数本の毒針がいくつかの場所に刺さり、地上からの遠距離射撃が的確に影を襲う。

さあ、どうだ?



名前・種・Lv

フェリックス・人・57

攻93/50 防183+45 魔137 精152+25 俊101+2 器101-10

HP226 MP226

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗

装備 戦闘用水着 水中呼吸器 水かき 聖銀長籠手 黒亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐70 40 60 80 40(35) 重+35

装備スキル 開放 閉鎖 武装 呼気排出 吸気吸入


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ