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毒と浄は輝玉に宿る  作者: 狐池
旅の始まり
26/110

026 結局あの後どうなった

短めです

目覚めたのは宿屋のベッドだった。

「ああ、筋肉に力が入らない…」

それでも何とか起き上がって部屋の外に出ると、みんな部屋の外で話をしていた。俺が起き出してきたことに気付くと、こちらを向き、口々に話し出す。

「すまない、海底域が魔境だと教えていなかった」

「やったね大手柄じゃん」

「凄いっすね」

「魔境って何ですか?それと俺の手柄じゃなくてマリアナさんの手柄です」

「魔境とは敵が強力な地域の事だな、冒険者ランクと同じ基準でランク分けがなされ、一番低いランクがBだ」

「ちなみに今回は何ランク魔境ですか」

「Bだな」

「あのサメウツボとマッコウクジラが出るのにですか!?」

「まあ、対処法が確立されてるからな」

「妙に戦術的なウツボの群れが出るのにですか!?」

「広範囲魔法でどうにかなる」

「猛毒巨大クラゲが出るのにですか!?」

「あれは突発的に発生するタイプの魔物であってあそこの魔境の戦力に換算されていないぞ」

「そうなんですか」

てかサメウツボとかマッコウクジラでよく通じたな。

それかあまりに有名だから二匹セットの時点で何かわかっているとか?

「他に魔境ってどことかにあるんですか?」

「お前の知っている所だとサーター山だな」

「え?」

「三面鳥の出る方の頂はAクラス魔境だった筈だ」

「亜竜蝙蝠が大量に出たり巨大な蛇がいたりする渓谷は魔境じゃないんですか!」

「聞いたことないな、だが魔境になりそうだな」

「やっぱりか、ことごとく魔境から生還してるの自分で称賛していい気がしてきた」

「それはすごいな、ランク的には生還すら絶望的なはずなのにな」

「これからは危険なところに突っ込まないようにしよう」

リーダーの話を聞いて改めて決意した。


「そういえばマリアナちゃんが結構多弁になったんだけど何があったの」

「ああ、一緒にクラゲに刺されました」

「うん、絶対それじゃないね」

「針山になりかけてたところを助けてもらいました」

「なんか違う気がする」

「え、そうだと思いますよ」

「まさかそんなわけないっすよ」

「そうだよ」

「「えー―――!!!」」

綺麗に落ちまで作られてるのこれ絶対仕組んだんじゃないの

そう疑ってしまうぐらい、ちゃんとおちが出来た。

それはそうと俺も疑問なのだ、何故助けてもらったことで多弁になったのか、

普通逆じゃない、助けられて心を開くとかならさ、現実でどうかは知らないけど、よくあるじゃん。

まあ、でも聞かなくて良いかな。


「それで、あの後どうなったんですか?」

「マリアナちゃんがね、討伐した証拠を持っていたからそれで依頼は達成できたよ」

「良かった」

「気絶した状態で引き上げられてきたときはどうしたのかと心配だったがな」

「クラゲに刺されすぎてかなり重症だったもので」

「やはり毒は関係ないのか」

「はい、俺は毒使いなので」

「あ、そうだったんだ」

「そういえばマリアナさんにも、毒使うところ最初に見せなかったっけ」

「そうだったっけ」

「うん、『毒小蛇』使ったはず」

「あの指5本同時に使えないとか言ってた奴ね」

「あー、そういえばそんなこともありましたね」

「ふむふむ、そうだ、なんかフェリックス君は我流でやってるっぽいから、自称王国一の魔術師である私が君に魔術の基本とかを教えて差し上げよう、受けた後には君は10本操れるようになるかも?」

「付け加えると、ほんとに自称だな、5本の指にすら入らないだろうし」

「でも腕は確かっすよ、多少王国一の魔術師に習ってましたし」

「へぇ~、凄いですね」

「弟子は何十人もいたからそれだけでは判断基準にならないがな」

「じゃあその時はよろしくお願いします」

「だいぶ話題がずれたな、話を戻そう」

「はい」

「動けなかった原因は回復したか?」

「いえ、完全にはしてないです、だからまだ本格的な戦闘は無理です」

「どこが原因だ?」

「筋肉とかに空いた穴ですね、そのせいで体に力が入りにくいです」

「今動けているのはどうしてだ?」

「重要な部分から順々に『再生』されてるからっぽいです」

なんかだんだん医者に病気の症状尋ねられてる時の気分になってきた。

「再生能力があるのか」

「はい、僕の持つ能力は毒と浄です、確かそれは言いましたよね」

「言われたな」

「それのおかげです。」

「ちょ――っと待った、フェリックス君君は浄属性をどういうものと捉えているんだい?」

「え、アンデットを浄化することのできる再生能力じゃないんですか?」

でもそういえば毒を解除できたりするなと思いなおし、

「それに加えておまけとして状態異常も解除できる優れた属性」

と付け加えた。

「逆だね」

「え?」

「普通は回復能力がおまけだ、なぜなら浄属性は回復魔術に比べて回復という能力は劣る、だから回復に使うメリットが少ないんだ」

「そしたら回復魔術とかはもっと再生能力が高いという事ですか」

「そうだね、でも見たところ継続的に回復する機能が自然的に発生してる時点であまり君の体に限っては長期的にはあまり劣っていないかもね」

「つまり?」

「君の持っている浄属性は『再生』に特化していて、浄化能力はそれほど高くないんじゃない」

そうか、確かに今考えてみればその通りだ、俺の魔腺から漏れ出る術は浄化ではなく再生だったし、浄風破裂も、浄化魔術の中の術としてではなくスキルとして獲得した。

「「そうだったのか(んだ)」」

マリアナさんの声がはもった?

何に対しての「そうだったんだ」なのだろう。

「クラゲの触刺を通して毒を流し込まれたときに自力で治したのはフェリックスが浄化の能力を持っていたからだったんだ」

「浄化の能力も解体の時に結構使ってたんだけどな~」

「気付かなかった」

確かにマリアナさん自分の内側しか見てなかった感じあったもんな。

「次の話題だ、俺達は四つの背びれにも討伐報告を伝えに行かなければならない」

「捜す必要はありますか」

「ない、あいつらはすでにうわさでは聞いている様だからな、直接言いに行けば、確定事項として受け入れられるだろう」

「さあ行こう!」

ローシェさんの掛け声とともに出発し、四つの背びれが使っているという宿屋へ向かう。



「……というわけでして」

「そう、か」

「もう終わったのか」

「…」

気まずい、多分向こうは海での戦闘は得意だって言っていたから複雑な気持ちなんだろうなぁ。

「まあ、その情報自体はギルドで見て知っていたが、改めて認識させられるとやはり複雑だな」

「仕方ないと思うよ、だって例の海魔は海底域にいたっていう話だし、危険だって知らない人じゃないと訪れないでしょ」

「当然だがこちらがとやかく言う事はない、海底域にも臆せず踏み込めるよう戦力の増強に努めるさ」

「じゃそういう事で、機会があったらまた会おうじゃないか」

そういって俺たちは四つの背びれと別れた。



「そういえば、次の行き先が決まったぞ」

「どこでしょうか」

「なんだっけ、確か海魔討伐じゃなくて三海魔討伐の依頼だった気がする、だから次のか今のところに行くんじゃないですか?」

「その通りだ、もともとフェリックスが言っていた理由で二つに絞ってはいたのだが、やっとそれを一つに確定したんだ」

「で、次に行くのは何処なんですか?」

「次に行くのは、ここから少し西の方だ」

「都市名は?」

「カーチだ」



名前・種・Lv

フェリックス・人・57

攻93/50 防183+45 魔137 精152+25 俊101+2 器101-10

HP226 MP226

スキル 鑑定 解析 毒魔術 浄魔術 毒耐性 発光石 浄風破裂 調理 解体 騎乗

装備 戦闘用水着 水中呼吸器 水かき 聖銀長籠手 黒亜竜鞘+鱗鉄短剣

耐70 40 60 80 40(35) 重+35

装備スキル 開放 閉鎖 武装 呼気排出 吸気吸入


ブックマーク登録の一件目がついに来ました。

とても嬉しいです。

ありがとうございます!

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