第六話『竜人の戦乙女』
「チぃ! 四体中たった一体か!」
召喚結果にそう吐き捨て、可憐な顔を歪ませる虹の竜姫。
(やはり完全な召喚阻止は、出来なかったか)
召喚されたレベル800の眷属竜を見ながら、ゴールドは心中で呟いた。
(神の友人の天使剣の強化バフで召喚術自体が強化されていたからな、妥当だな)
「マあいい。攻撃開始だ!」
そうこうしているうちに、虹の竜姫は、眷属竜と共にゴールドに襲い掛かった。
「二体一か」
呟きながら、相対する敵を見据える。
(眷属竜。レベル800の竜人の戦乙女か)
聖なる戦乙女の鎧と剣を装備した、竜人の女性。
虹の竜姫と同じ人間の女性に見える見た目である。
金髪に、白い肌、小柄ながら整たスタイルの女性らしい肉体。
しかし、頭から生えた二つの白い角。鋭い爪。そして人外の瞳孔が割けた金色の瞳。
それらが召喚されたモンスターであると感じさせるには、十分な危険性を放っていた。
本来なら四体召喚される四騎士になるのだが、阻害の結果一体のみであった。
「セい!」「シい!」
虹の竜姫が、両手の天使剣での二連斬撃を放つ。
「ふ」
それをサイドステップでゴールドは、躱す。
「やあああ!」
しかし、その回避先に回り込んでいたドラゴンバルキリーによる背後からの斬撃。
「し!」
だが、ドラゴンバルキリーに後ろ回し蹴りを放つことで文字通り一蹴する。
「きゃあ!?」
可愛らしい悲鳴を出して吹き飛ばされるドラゴンバルキリー。
「A級魔法! 竜の息吹!」
その隙を突く形で、虹の竜姫は口から得意のドラゴンブレスをお見舞いする。
広範囲の虹色の魔力ブレスに対しても、ゴールドは即座に対処する。
「ん、A級魔法・瞬間移動」
攻撃が当たる直前。瞬時に空間を移動し回避。
「危ない、危ない。……しつこい!」
距離が離れ、一息入れようとした瞬間。
静寂は、破られる。
「きゃあ!?」
再び背後から奇襲してきたドラゴンバルキリー。その悲鳴。
その原因は、裏拳を顔面目掛けてゴールドが放ったからだ。
どうやら、このドラゴンバルキリーもテレポートしてきたのだろう。
又しても軽くゴールドに蹴散らされたが。
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