第三話『攻防』
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「――A級魔法・虹の矢・百連!」
虹色の開幕射撃。
その総数は、100。
空中に展開された虹の矢が、黄金の騎士へと向かう。
しかも、すべての矢に誘導機能を備えてあり、正確にゴールドに矢が殺到する。
「ハイパーアビリティ・勇者は矢に当たらず」
だが、誘導攻撃無効アビリティをゴールドは即座に発動。
「A級魔法・時間凍結」
さらに、時間系魔法を用いて時を凍らせた。
「チぃ。A級魔法・時間解凍」
虹の竜姫は舌打ちしつつも、時間耐性を持っているので即座に対抗呪文を用いることが出来た。
もし時間耐性が無ければ、凍らせた世界に囚われ、勝負は決していただろう。
誘導性を失った矢を置き去りにし、目の前に迫ったゴールドを虹の竜姫は迎撃する。
「シぃ!」
右手に装備した神の夜の天使剣を振った。
夜空の刀身を持つ神剣による斬撃。
虹の魔力も付与されており、かなりの威力を持った斬撃となった。
「うらぁ!」
対するゴールドも、左拳に黄金の魔力を纏わせての拳撃を放つ。
「「っうが!!」」
拳と剣がぶつかり合った。
凄まじい衝撃波が周囲に発生した。もし人間が近くにいたら間違いなく命を刈り取られる死の衝撃であった。
『バチバチ』と音が鳴り響く。拮抗した拳と剣。魔力と魔力。それによる不協和音。
「――オ前。やはり上位のプレイヤーだな」
拳と剣による鍔迫り合いを行いながら、虹の竜姫は口を開いた。
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