第二話『無様』
「――フん。まさか、俺様がこんな【無様を晒す】とわな」
ゴールドと相対していた『人間にしか見えない姫』は口を開いた。
その声は、口調に比して、非常に美しく嫋やかな乙女の声であった。
「いや、可憐で美しいぞ、竜の姫」
ゴールドの一応の称賛もこの姫にとっては、皮肉にしか聞こえない。
「ハ! まさか【十三俗物帝】の為に用意した、蘇生変身能力を使う羽目になる。600年死と隣り合って得た力を使う。この意味をお前は理解できないだろう」
その想いは、確かに彼女だけの物だろう。
ゴールド問わず誰にも理解できない。
だからこそ彼女も、美しい虹色の長髪を風に靡かせながら、自己完結した。
「ダが、お前は、俺様に使わせた」
その美しい虹色の瞳を怪しく輝かせながら、淡々と語っていく。
「ナらば、お前は、俺様の600年をぶつける相手だという事だ」
相対する存在は、美しいだけの姫ではない。
人外の虹の竜姫。
頭に生えた虹の角から虹色の魔力を迸らせながら口上を述べる。
「ウけてもらうぞ、黄金のプレイヤー。俺様の全てを」
その美しい白い肌を、戦意で赤らませながらの宣戦布告。
それを受けたゴールドは。
「――是非」
文字通り是非もない。
こうして、黄金の殺戮天使と虹の竜姫の最終決戦は、開幕した。
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