幕間『ジェネシス運営』
「――クフフフフ。やった! やったぞ! やっと現れたのだ! 遂に! 遂に来たか! 異世界からログアウトできる『超常個体』が!?」
そこには一人の老人が、歓喜の笑いを隠そうともせずに、大声で自分の幸福を噛みしめていた。
「落ち着いてくださいな公爵閣下。まだ安定して出来るか分かりませんので」
そんな老人を窘めるのは、若い秘書風の女性であった。
「クフフフ。今まででは異世界に『ログイン出来るもの』は、それなりにいたが、所詮片道切符! だがゴールド少年は戻ってきた! 平然とログアウトして元の世界に帰還したのだ!」
「……ふう。公爵閣下、それでそのゴールド様に接触は如何しましょうか?」
どうやっても落ち着きそうにない公爵に、少し呆れながら話を進める秘書風の若い女性。
「なにも! なにも干渉するな! 何者もだ! 彼に! ゴールド君の好きにさせろ! 彼にはそれが許されている! 私が許す!」
「はい。公爵閣下」
彼らは、ジェネシス運営。
そんな存在が一体何を目指しているのか。
それは、まだまだ分かりそうも無かった。
しかし。大きな運命が、ゴールドを絡めとっている事だけは確かなようだ――――。
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物語の根幹に関わる組織についてのお話でした。
次回は、主人公の○○が登場します。
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