第8話『ゴールド様の魔法ツえええ!』
その間に、レティシアの攻撃で一時的に怯んだグリーンワイバーン達も、態勢を立て直し再びアタックしてきた。
そんな25匹のワイバーンに対して、特に力まずに、ゴールドは攻撃呪文を唱えた。
「B級魔法・闇の雷・十字砲火戦術」
魔法詠唱を唱えた。
それによって、グリーンワイバーン達の四方八方。
あらゆる場所に魔方陣が現れると同時に。
――魔方陣から強力な闇の雷が発射された!
「「〝つgggggggggっがあああああ”!!!」」
闇の雷によるキルゾーンと化した空に、25匹の飛竜の断末魔が木霊した。
――そして数秒後には、空には何も残らなかった。
「「 」」
『——ああ。竜の死骸を消滅させてしまったな。次は手加減して資料用に死体を残さなければいけないな』
『うふふ。仕方ないわぁお父様ぁ。力の差があり過ぎるのだからぁ』
自身の父親を慰めるように甘ったるい声で輝夜は言った。
そんな風に余裕をもって念話していたゴールド。
その間に周りの騎士団は、意識を再起動させ声を上げた。
「うおおおおおおおおお! すごいいい!」
「なんだ! なんだ! あれ!」
「B級魔法!? 人類が使用できる最高峰じゃないか!?」
「そうよ! まるで魔導都市国家連合の魔導長イリス・テリエス・サリドマイドみたい!」
そんな騎士団の歓声にゴールドは、やとこさ気付いた。
(B級魔法が人類最高峰か……。会談の時には、そこらあたりあまり聞いてなかったな。まあいいか)
「やはり凄まじい力量の持ち主だねゴールド様」
隣にいたレティシアは、騎士団程驚いてはいない。それもそうだろう。
ゴールドは、自分が勝ってなかった神官陣営を追い払ったのだから、自分よりも強いという認識はあったのだ。
「ああ。とはいえ、まだまだ終わりじゃなさそうだ」
「え? あ!? ドラゴンの第二波が来ている! みんな体制を整えて!」
ゴールドを称えていた騎士団も、レティシアの叫び声に気付き、慌てながらも直ぐに迎撃態勢を整える。
お読み頂きありがとうございます。
ゴールド様の魔法がつええ回でした。
次回は真打クラスのドラゴンが登場します。
深夜から朝にかけてブックマーク登録してくれた読者様方ありがとうございます。
更新に弾みがつきます。




