第十五話『天使軍団の猛攻が、幼気なボク子メイド姫騎士に襲い掛かる! つまりお約束のヒロインピンチだ! でもメンヘラの兆候が見える地雷女かも知れない』
「隊長! 準備完了! 何時でも行けます!」
「よし! ここで一気に畳みかけて戦局を我が物にするぞ!」
神官陣営が俄かに活気づく。
その様子にメイド姫騎士であるレティシアも警戒を高めた。
「不味いのが来るかなぁ……」
すると、40人の神官の集団の周りに巨大な魔方陣が現れた。
「儀式型・上位天使召喚! C+級魔法・上位戦天使団!」
その呪文詠唱が終わると同時に12体の上位戦天使の集団が姿を現した。
「これは」
それを視認したレティシアの顔がこわばった。
しかし、そんなレティシアを無視するように、敵対者はタクトを振るった。
「いけ! 上位戦天使団! 正義の鉄槌を振り落とせ!」
その言葉と共に、先程戦っていた戦天使よりも一回り大きい12体の天使たちは、レティシア目がけて飛翔し、手に持った天使の剣を振り落とした。
その力は、レベルに表せば200。
先程戦っていた戦天使の倍である。
「……逃げたら皆が危ない。ボクが受け止めるしかない! ギフト『剣力者』発動! 防御剣! 十二連!」
12体の天使の攻勢に対して、後方で気を失っている自身の部下の安否を優先し、回避ではなく防御を選択したレティシア。
発動するは、防人の剣技。
剣を12回突く。
そのたびに淡い水色の防御力場が発生する。
そして12体の天使たちが、その力場を断ち切るため天使の剣を振り落とした――
お読みいただきありがとうございます。
レティシアの見事なヒロインピンチ回でした。
次回遂に満を持して主人公登場です。
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