第十話『八方塞がり』
そして、ゴールドは、ジェネシス運営の性格の悪さに愚痴る。
(ホント意地が悪いな運営。最初に異世界ステージがザコしかいないと誤解させて調子に乗らせて、プレイヤーに俺ツええさせる。最後に今までの雑魚が何だったのかと思える程のボスを用意する。これ殆どのプレイヤーが複数人でもクリアできないよ)
改めてゴールドは運営のやり口に呆れてしまった。
(絶対これクレーム来る難易度だろうね。ゲームバランス可笑しいし。まあ、俺は遣り応えあって楽しいからクレームなんてしないけど)
そんなクレームの心配をしているゴールドは、知らない。この異世界に囚われてしまった他のプレイヤー達は、運営にクレームを出したくても出せないことを。
そして、彼らプレイヤーは、通信が繋がったとしてもクレームではなく救助を要請することを。彼は、知らない。気づかない。
「――クそ! AAA級魔法! 竜王結界!」
背中を切られ、その攻撃で吹き飛びながらも体勢を整えながら自身の有する最強の防御呪文を詠唱する虹の竜姫。
(アの脅威の機動性に対して回避は、不可能だ。防御を整えなければ!)
それ程までにゴールドの速力は、異常であり脅威であった。
(ダとすれば、この神の夜の天使剣は、意味を為さない! よりにもよって権能が、回避系とは!)
どうやら、右手に持つ神の夜の天使剣は、ゴールドの超機動性の前に無用の長物と化してしまったようだ。
(ドうする? 新たに眷属竜を召喚する? いや、あの機動性の前には、壁にもならない。現にバルキリーも遠くで右往左往しているだけだ!)
新しく戦術を構築しようにもその手札が無かった。
(八方塞がりか!)
現状の困難さに苦渋を呑んでいた竜姫に又、光の軌跡と詠唱が届いた。
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