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Eighth Doll  作者: セリカ
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初めての感想




 かつてこの大陸には古代文明と呼ばれる文明が存在していたと言われています。

 高度な文明を繁栄させて豊かな暮らしをしていたそうです。

 更にこの大陸の上空に無数の浮遊島と呼ばれる浮島が別に存在しています。

 古代人の中でも選ばれし者達は空に浮かぶ浮遊島にいくつかの国を持ち地上の土地を管理していたと言われています。

 理由は不明なのですが、突然その文明は終焉を迎えてしまいました。

 その末裔の者達が地上に新たに国を作り出して現在も治めているのです。

 この世界には魔法と呼ばれる力があるのですが、それとは別に地上の者達と違い彼等の血を色濃く受け継ぐ者達には過去の文明に関渉する力があるので、天空人の末裔とも呼ばれています。

 もっともその力を発揮するのは魔道船の制御です。

 魔道船とは、かつての文明の遺産なのです。

 現在も魔道船を造船することは可能です。

 稀に上空の浮遊島に眠る船体は現在の文明では作ることができない特殊な船なのらしいのです。

 私も聞いた知識しかありませんが、基本的に原動力は魔法の力で動かしているそうなのです。

 特に天空人の末裔の方達は、その力を効率良く運用して操船をすることができるそうです。

 方法は分からないのですが、船体のコアと呼ばれる物に魔導士の方達よりも効率的に関渉ができるみたいなのです。

 現在も作られている船体にもこのコアと呼ばれる物が必要らしいのですが、これだけは浮遊島のどこかに眠っている物を手に入れなければいけないそうです。

 浮遊島には古代文明の廃墟や手付かずのダンジョンなどが存在するので、探索して古代の秘宝や船体のコアを手に入れることができれば多くの富を手に入れることができます。

 ですが、地上とは違う未知の魔物や古代遺跡を守るガーディアンと呼ばれる存在が現在もまだ活動しているので二度と戻らない者達も多いのです。

 中には何も存在しない自然だけが残された浮遊島も存在するのですが、大抵は各地の王族の領土になっています。

 仮に新しい浮遊島を見つけてもその国の王家に自分の領地と認めさせないと徴収されてしまいます。

 なので、そのような浮遊島には独立した武力を持つ者達が秘密裏に占拠している場合があります。

 各国には魔道船を定期的に運営している者がいるので、運賃は少し高いのですが、乗ることが可能です。

 この魔道船のお蔭で遠くに離れた所でも空から行けば早く行くことができるのですが……小型の船でもとても高いので身分の高い者か財産を多く持つ者にしか使うことができません。

 それに天空人の末裔の血を引く者がいなければ複数の魔導士で制御をする必要があるので、個人で持つのは難しいのです。

 私の家は魔道船を保有しているほどには裕福ではありませんので、地上を移動するしかないのです。

 地上には魔物が生息していますので、今回の私のように襲われてしまうことがあるのです。

 私も一度だけ王都に行く時に魔道船に乗ったことがあるのですが、空からの眺めは素晴らしいものでした!

 普通なら何日も掛けて馬車で行く所をかなりの日数も短縮できるし、馬車と違って道に左右されませんから乗り心地は快適です。

 馬車は道が悪いとお尻が痛いのですから……。

 話が逸れましたが、そのことを踏まえるともしかしたらシアは天空人なのでしょうか?

 そうだとしても食事などを必要としないのはおかしいです。

 私の家系にもかなり薄いのですが、その血を引いていると聞かされています。

 お城で適性検査を受けたことがあるのですが、私には適性がほぼ無いと判断されています。

 私には姉がいるのですが……私と違って適性があると判断されてコアに関渉ができる可能性があるので、王都の学園に入学しました。

 そして可能性の無い私は自分の領地の一般の学園に通うことになったのです。

 姉からは出来損ないの妹となどと言われていましたので、代わりに剣術などを努力したのですが……貴族の女性なら女性らしい教養を身に付けるように言われていました。

 ですが、大人しく習っているフリだけして、私の趣味と実益を兼ねて後輩の子と仲良くしている日々でした。

 剣術に関しては殿方とそこそこは打ち合えるぐらいには努力したお蔭で、年下の子にはそれなりに人気があったのですが……慕ってくれた後輩の子と限度を超えている親しい関係の所を見つかってしまって謹慎させられてしまったのです。

 なので、しばらくは病気の療養という名目で御爺様の所に向かう途中で魔物に襲われてしまい、私の人生もお終いと思いました。

 シアと出会わなければ私の人生はあそこで終わっていましたが、これはもしかしたらチャンスなのかも知れません。

 仮に無事に帰れたとしても私には嫌な将来も予定されていましたし、私は病気扱いなのですから、このまま死んだことにしてシアと2人で暮らすのも悪くありません。

 何が起こったのかは弟が説明をするはずですから、仮に捜索隊が出たとしても壊れた馬車と周りの死体を発見して私は死亡扱いになるはずです。

 それに堅苦しい勉強や礼儀作法などをしなくても済むのですから、このまま庶民として生きて行きましょう!

 当面のことはシアが居てくれれば何とかなると思いますので、シアが目覚めたらその時に考えましょう。

 色々と考えたら、お腹が空きましたので残っている保存食を食べたいと思いますが、シアが眠っているので水がありません!

 いつもは私がお願いするか私が何か飲みたい素振りをすると出してくれていたのですがどうしましょう?

 シアが出してくれた物や置いてある荷物を調べるとワインがありました!

 私は軽い食前酒ぐらいしか飲んだことがありません。

 しかし、飲み水となる物がこれしかありませんので、本格的なワインを飲むのは初めてですが、飲むことにします。

 それでは、あまり美味しくない干し肉を食べながらワインを開封しましたが……何となく甘くて良い匂いがします。

 コップかグラスを探したのですが……それらしき物が見当たりません。

 仕方ありませんので、そのまま飲むことにします。

 こんな所をお父様やお母様に見られたら、私は間違いなくきつい説教をされてしまいます。

 お母様はいつも通りですが、お父様は我が子に対しては平等に優しいのですが……礼儀作法などに関しては厳しく注意するので、お母様と同様に説教をしてくるのです。

 恐らくですが、私が一番聞かされていると思いますが、この時ばかりは優しいお父様が悪魔に見えます。

 干し肉を食しながらワインの瓶に直接口を付けて少しだけ飲むと……意外と美味しいです!

 初めて飲みましたが、このような美味しい飲み物があることに驚きました!

 気が付けば私は食事を終えて既に1本を全て飲んでしまいました。

 ワインが置いてあった所を見れば、まだ沢山ありますが……これだけあるのでしたらもう1本だけ飲んでもいいですよね?

 本来でしたら貴重な水分かと思いますが、シアがいれば水には困らないのですから、これは飲んでしまいましょう!

 開封をして、はしたないと分かっていますが、また直接飲んでいます。

 なんだかとても気分が良いし、体がポカポカします。

 またしても瓶が空になるとまだ物足りないのか次の瓶を手に取っていますが、この辺りで止めないといけないと思いつつも手が自然に開封をしてしまいました?

 開けるつもりはなかったのですが……開封してしまったので、これは飲むしかないですよね?

 いつの間にかワインの瓶を片手に眠っているシアを見ながらワインを飲んでいます。

 シアの可愛い寝顔を見ながら飲んでいると、私の心がとても満たされてきます。

 ワインを飲みながら理想の少女が裸体で不思議に液体に浸かって眠っている姿を見ていると、なんだが私も眠くなってきました。

 このまま眠ってしまってはいけないと思いつつも私の体は動いてはくれません。

 周りに落ちていたシアが脱ぎ捨てた服を掴んだところで私の意識は途切れてしまいました。

 今夜はとても良い気分で眠れそうですね……。


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