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Eighth Doll  作者: セリカ
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待ち伏せされていました


 あれから問題なく町の中には入れました。

 ゲイルさんと話をしていたあちらのパーティーリーダーのセレックさんが話を付けてくれたのです。

 問題はなかったと思うのですが、奥の椅子に座っている衛兵の方が私をじっと見ていました?

 軽く会釈をすると興味を失ったのか顔を背けてしまいました。

 私の記憶にはあの方を見た記憶はありません。

 お店のウェイトレスをしていた時もお客さんの中に居た記憶はありません。

 少し気になりましたが、問題なく通れましたので良しとしました。

 それから、冒険者組合の方に向かいセレックさんに事の経緯を話してもらいこちらも問題なく話が進みました。

 その後はセレックさん達と別れてエリックさんのお店に向かいました。

 シャーリーさんだけは、アリサさんが話があると言われて連れていかれてしまいました。

 後で向かうので先に行ってと言われましたので、後ほど落ち合うことにしています。

 お店に付いた時は丁度お昼過ぎでしたので、人も少なく丁度良いタイミングでした。

 エリックさん達が私達を迎え入れてくれると、お互いの最近の様子を話し合い始めました。

 なんでも魔道船が町の外れとはいえ上空で争っていたので、一時はかなりの話題になっていたそうです。

 それから、翌日には国から派遣されてきた人達が人探しを始めたそうです。

 予想通りコレットちゃんが重要参考人として手配されていました。

 町の人達からは、特に関心が無かったのか自分の自宅に籠っていると思われるとしか情報が得られないみたいです。

 唯一の接点として、ゲイルさん達とパーティーを組んでいることで、ゲイルさん達も捜索の対象となっていたみたいですが、組合の方で報告をしたおかげで対象からは外されています。

 ここに来るまでもいろんな人にどこにいたのかとか何をしたのかと話しかけられましたが、セレックさんと擦り合わせた説明をして事なきを得ています。

 この町でのゲイルさんの信用度はかなり高いので、皆さん誰も疑いませんでした。

 それよりもシャーリーさんのお世話をしている苦労人の方が強い印象です。

 エリックさんの話によると、最初の数日はかなりの人数の人達が来ていたらしいのですが、いまはこの町の領主の屋敷に数人が残っている程度とのことです。

 その話を聞いて、いまならコレットちゃんのお家の方にも行けるのではと思ったのです。

 誰もいなければ私とシアの荷物を持ち出すことが可能です。

 そう考えた私は、少し買い物だけしてくると話して、ついでに可能でしたら、コレットちゃんのお家に荷物を取りに行くことを告げました。

 ゲイルさんは反対したのですが、私にはシアがいます。

 もしも怪しい反応があれば即座に引き返すことを約束してコレットちゃんのお家に向かうことにしたのです。

 一応は、残り少ない予算で買い物をしつつコレットちゃんの自宅の方に向かいました。

 途中で、シアからは「町の中に数体の反応があります」と教えられました。

 シアが言う反応とは、フィスさん達と同じ反応の事です。

 領主様の屋敷に数人が残っているだけと聞きましたが、シアと同じ数字を持った方は何人かいるようです。

 遭遇をしないように道を選びつつ少々危険かと思いましたが、コレットちゃんのお家に近づくにつれ反応が無くなっていると教えられたので、おそらくは町中を重点的に探索をしているのだと思います。

 そうだとしたら、最初の頃に調べつくされたコレットちゃんのお家はもう探索していないのだと思います。

 それに普通でしたらまず戻ってこないと思うはずです。

 用心しつつも慎重にお家のドアを開けると中は荒らされた状態です。

 私とシアが頑張って綺麗にしたのに……かなりショックです。

 肩を落としながら、二階の私とシアの部屋に向かうと、当然ですがそこも荒らされた状態です。

 衣服などは無事でしたが、全てベッドの上に出された状態です。

 仕方なくたたみながらシアにしまってもらっていたのですが……私達の下着がいくつかありません……誰の仕業かは知りませんが、良い物だけ無くなっているのです!

 きっとフィスさんのような変態さんが紛れていて掠めたのか、価値の分かる女性の方が持って行ったのかもしれません。

 更にその奥に隠してあった私の全財産が消えています!

 国から捜索に派遣されてきた人達はもしかすると泥棒さんなのですか?

 私がコツコツと貯めてきたお小遣いを持って行くなんて酷過ぎます!

 誰かは知りませんが、訴えることがあれば追及したいと思います。

 私が落胆しつつ荷物をまとめているとシアが突然立ち上がりました?

 一緒に片づけをしていたのにどうしたのでしょうか?


「エルナ。私達は囲まれています」


「えっ!? ですが、シアにはそれらしい反応は無かったのですよね?」


「先ほどまではありませんでした。いまいきなり反応が現れたのです。生体反応が7、魔道人形の反応が20、私と同じ個体が3です。その内の一つはシックスティー フィフスの反応になります」


「そんなにもいるのですか!?」


 私が驚くと同時に何者かが窓を突き破ってきたのですが、シアが即座に反応して殴りつけると相手の頭部が吹き飛んでその場で崩れ落ちました。

 シアが人を殺してしまったのかと驚いたのですが、血など流れていないので魔道人形のようです。

 その一体に続いて次々と現れるのですが、シアが全て一撃で仕留めています。

 8体ほどが破壊されると室内の扉が開かれると2人の方がいます。

 その内の1人はサリサさんです。


「戦闘型の魔道人形を一撃で倒す戦闘能力。その者が未確認の個体で間違いはないようです。そして、貴女がその個体の登録者だったのですね」 


 私が無言でいるとシアが私の正面に立ちます。


「確かエルナさんでしたよね? フィス様はどうしましたか?」


 いきなり襲ってきたのに謝罪も無く質問ですか?

 そんな方に素直に答える必要はありません。


「あの後、私達とは別れて行動をしていますので、わかりません」


「そうですか。それでしたら、貴女はフィス様とは無関係で宜しいのですか?」


「フィスさんとは友達です」


「そうですか。こんなことを聞くのは失礼かと思いますが、深い関係の友達で良いのでしょうか?」


「……いえ、お話をする程度のお友達です」


 この人は、フィスさんの性癖をよくご存じのようです。

 それにしても深い関係とはどこまでを指しているのでしょうか?

 この方もその手の事に詳しいのでしょうか?


「そうですか。それでしたら、以前とは別のお話で私とお城に行きませんか?」


「別のお話とは何なのでしょうか?」


 シアの方を見ながら、私にお話を持ち掛けているのですから大体の察しはつきます。


「その前にその個体の番号を教えてはもらえませんか?」


 この人は、シアの番号が知りたいようです。

 知ってはいますが、シアを個体とか番号で呼ぶなんて私は認めません!


「シアはシアです。番号など知りません」


「そうですか。それでしたら、貴女の体を調べれば良いだけです」


 以前はフィスさんに質問された時に思わず胸を押さえてしまいましたが、今度は冷静に対処ができています。

 場所が分かればフィスさんと同じことをすることで数字が分かるのだと思います。


「なあ、俺こいつと戦ってみたいんだけどいいよな?」


 サリサさんの隣にいる方がシアと戦いたいと言い出しました。

 見た目は少年のような感じで、シアに近い身長です。

 目付きの方は失礼なのですが、悪いと思います。


「トラン様。まだ、私の話が終わっていません」


「いつも思うけど、お前はつまらない奴だよな」


「私は、与えられた任務を遂行しているだけです」


「だから、つまらないんだよ。面白みに欠けるから、フィスだってつまらない奴だっていつも言っているが、俺もそう思うよ」


「私達は与えられた行動をすれば良いのです。私に言わせれば勝手な行動をする方が問題です」


「経験値が半端な奴ほど本当に面白くないよ。今回は指揮系統が上だから従ってやるが早く話を終わらせろよな」


 よくわからないのですが、二人で言い合いをしています?

 サリサさんの呼び方からすると、あの少年?の方が上の方なのでしょうか?

 口論中に逃げ出そうと思ったのですが、最初にシアが言った人数の半分以上がまだお家の周りを包囲していると思います。

 その中の1人はシアと同じ強さを持つ者と思われます。

 もしかするとツヴァイさんと言う赤毛の方だとしたら、フィスさんと変わらない強さを持っているはずです。

 そんな相手が同時に増えてしまっては不利になるだけですので、もう少しお話を聞くしかありません。

 

「お話を中断して申し訳ありません。結論から言いますと、このまま私達と同行してください。魔道船の件に関わっているのは間違いないと判断しますが、フィス様の指示に従っただけとすれば貴女は知らなかっただけにもできますので、罪に問われることもありません。その場合は私達の指示にも従ってもらうことにもなります」


「状況からして、貴女の提案に従った方が正しいとは思います」


「ご理解してもらえて助かります」


 本当は、このまま素直に従うのが得策だと思います。

 ですが、自分の保身の為に友達を悪者にすることは私にはできません。

 賢くない方法だと分かっていても私は自身の信念を曲げる気はありません。


「ですが、申し訳ありませんがお断りいたします」


 私が明確な意思を見せるとシアが魔物と戦うように戦闘態勢を取りました。

 その様子を見たトランさんと言う少年は嬉しそうな表情をしています。


「王国の艦隊に被害を与えて、フィス様に助力した罪を無かった事にすると言う提案は悪くなかったと思います。理由を聞かせてもらっても宜しいでしょうか?」


「答えは簡単です。私はどんなことがあっても友達を売るような真似は致しません。 例えフィスさんがどうしょうもない変態さんでも今は大事な仲間なのです!」


 私が宣言すると同時にシアがサリサさんの腹部に強烈な一撃を撃ち込むと背後の壁を突き破って落ちていきました。

 もう一人の方はサリサさんが吹き飛ばされるのを確認するとシアに襲い掛かっています。

 お互いに激しい拳打の応酬を始めたのですが、この方はシアと同じ戦い方をするようです。

 更にシアの拳や蹴りを吹き飛ばされずに受け止めているのです。


「俺と同じ体術重視の戦い方をするなんていいぞ!」


 どうも自分と同じ戦い方をするシアに共感を覚えているようです。

 当のシアは相手がその後も話しかけていますが、無視をして攻撃を続けています。

 そのまま様子を見守っていると先ほど壊された窓から、新たな魔道人形が現れました!

 その視線はシアではなく私の方を向いています。

 何も持っていない私は後ずさりしかできませんが、私に近づく前にことごとく頭に穴が空いて倒れてしまいました。

 トランさんと言う方の相手をしながらも、後方の魔道人形に対して正確に魔法を撃ち出すことで私を守ってくれているのです。

 正面の敵と戦いながら、背後の私を守ってくれるなんてシアは私の最高の騎士様です!


「俺とやり合いながら背後の登録者まで守れるなんてお前凄いな。しかも魔法の威力が戦闘型の魔人形が破壊できる威力に調整して撃ち出せるなんて細かい芸当もできるんだな」


「全身にのみ流す魔力の流れから、個体ナンバー「フィフティー セブンス」と判断します」


「やっと喋ったと思えば、俺のナンバーを当てるなんてどうしてなんだ?」


「バートランド王国に所属する個体情報は把握しています。次からは、識別が可能です」


「情報漏洩とか、フィスの奴は廃棄処分が確定だな。それなら俺の能力も把握済みってことだろ?」


「個体ナンバー「フィフティー セブンス」の能力は純粋な「力」です。威力以外は私の脅威になりません」


「同じ体術重視だから、好きになれると思ったのに俺が気にしていることをはっきり言うな。じゃ、これならどうだ」


 そう告げると互角と思われていたシアの動きが変わりました?

 先ほどまでは、お互いの攻撃を受けたり躱したりしていたのですが、シアの動きが躱すだけになりました。

 シアは相手の能力を威力以外は脅威にならないと言っています。

 なのにどうしたのでしょうか?

 私には分からないのですが、シアが勝つことを祈るだけです。


「威力を上乗せしたら、受けなくなるとか勘がいいな」


「エルナ。目を閉じてください」


 戦闘中のシアから、私に指示が来ました?

 わからないのですが、言われた通りに目を瞑ると誰かが私を抱き抱えています!?

 感触からシアが私を抱き抱えているのだと思います。

 次の瞬間、破壊音が聞こえたと思ったら、風を感じます?

 うっすらと目を開けると私の体は空中にあります!?

 先ほどまでは、室内に居たのにこれはどうなっているのですか?


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