再び乙女の危機です!
「改めて来ましたが、ここは快適な所ですね」
現在、私はフィスさんの船にある一室に案内されてベットで寛いでいます。
あれから、帰宅をしてからフィスさんの船で食事を作るとゲイルさんとシャーリーさんを出迎えることにしたのです。
2人がコレットちゃんのお家に着くと待っていたフィスさんが2人を連れてきてくれました。
連れてきた方法は私達と同じ水の塊で上昇するのですから、足元が丸見え状態で空に上がっていくのですからかなり焦ったそうです。
その後は食事をしながら次の目的地の話をしていました。
コレットちゃんが今度こそは、古代人の都市である『アズラエルガード』に行きたいと言い出しました。
私はどこでも良いのですが、一応は私とシアのお家と思っています。
私としては、久しぶりに自宅に帰ると思えば良いのです。
ゲイルさんは仕方がないと承諾しましたので、次の行先は古代都市アズラエルガードになりました。
それを聞いていたフィスさんは、「あんな廃墟に行ってどうするのですか?」と、聞いて来たのですが、コレットちゃんの知識欲を満たすのが目的なのだと説明をしました。
古い時代から目覚めているフィスさんなのですから、当然知っていたみたいです。
フィスさんが言うには、元々は地上の施設の一つで、研究員の家族が住まう都市だったようです。
主に生物兵器の研究をしていたらしく私達が地下迷宮と呼んでいる地下施設の一部を管理していたそうです。
古代人たちが派閥を作って分裂した時に防衛都市と名を変えて拠点の一つになっていたそうなのですが、当時にどこかの派閥に壊滅的に破壊されて現在は放棄された施設とのことです。
そう説明をして、フィスさんがコレットちゃんにそれでも行くのかと聞いたのですが、実際に自分の目で見たいと言うので目的地は確定しました。
少し悩んだフィスさんが、そんなに行きたいのなら明日にでもこのまま船で向かう提案をしてきました。
過去に行ったことがあるらしく古い記録があるので、座標は残っているそうです。
私は暇な時に都市の散策もしていましたが、フィスさんの船が停泊ができるような場所はなかったと思います?
殆どの建物が破壊されていて、魔道船が停泊ができそうな広い場所もありましたが、なにかの破片らしきものが沢山転がっていました。
今思えば、あれは船の残骸だったと思います。
そして、一度だけ地上からフィスさんの船が姿を現している時に見た姿から、大きさ的に停泊はできないと思ったのです。
そのことをフィスさんに告げると、大型船は基本的には上空待機になるそうです。
地上の施設は中型もしくは小型船を着陸させるのみなのだそうです。
では、大型船はどこに停泊するのかを聞くと基本的には浮遊島の港になるそうです。
フィスさんの船も普段はバートランド王国の上空に浮いている浮遊島に停泊していたそうです。
そして、この船で移動した場合だとどのくらいで着けるかを聞くと、たったの一日で着くそうです。
地下迷宮を徒歩で移動するとここからですと、最低でも五日は掛かると思います。
これは魔物との戦闘が少ない場合と私達の疲労度次第です。
私とシアだけの時は、シアが目の前の魔物を片っ端から倒してしまうので、私は歩くだけの体力があれば問題ありませんでした。
それに地下一階なので、魔物の強さも私でも戦えない相手ではありません。
勿論ですが、シアがいるのが前提です。
シアが居なければ、魔物との戦闘時間も掛かります。
数が多ければ逃げるしかないのですから、道に迷う危険もありますが余計な体力も使います。
普通の人達だけで組んでいるパーティーでしたら、地下一階だけでもかなりの危険度なのです。
その欠点を補うのが古代人の血を引いている者達が扱える魔人形の存在です。
彼らは疲れるなんて概念はありません。
消費されるのは、使役する人の精神力と魔力だけと聞いています。
精神力は戦闘の度合いで変わるそうですが、魔力消費に関しては魔法を使うよりはるかに少ない魔力で運用できるらしく才能が有れば一人で複数体の使役も可能です。
これは古代人の血をどれだけ受け継いでいるかで決まるそうです。
以前にヴァイスさんが二体を引き連れて私の前に現れましたが、地下迷宮で遭遇した時は五体程いたと記憶しています。
あの全てをヴァイスさんが使役しているのでしたら、ヴァイスさんは、古代人の血が濃いのだと思われます。
町で、見かける使役している人達は大抵は一体もしくは二体までに見えたからです。
私が色々と質問をしたので、フィスさんが私には魔人形を操れるかもしれないと言われました。
しかし、過去の適性検査では私には才能が無いと言われています。
それに私には、シアがいます。
大事な恋人がいるのですから、私には不要です。
私がシアに抱き着きながら答えるとフィスさんは羨ましそうに自分もその一人にして欲しいと言ってきました。
こんなに慕われるのは悪くないのですが、残念なことにフィスさんは私の範囲外です。
見た目的には少し年上の私のお姉さんと言った感じなのです。
しかも少しどころかかなり残念なお姉さんです。
食事が終わってもしばらく議論をしていましたので、今晩はそのまま船にお泊りになりました。
それにシャーリーさんは飲み過ぎで完全にダウン寸前です。
値段は分からないような年代物のワインをすごく飲んでいます。
フィスさんは成分は分かっているので、この船の施設ならいくらでも作れると言っていましたが、熟成度だけは無理なようです。
それに船の貯蔵庫にいくらでもあるので気にしていないみたいです。
どうしてそんな設備があるのかと聞くとフィスさんの最初の登録者もかなり好き者だったそうです。
昔は意味が理解できずに言われるがままに大量に作っていたそうなので、昔の習性なのか在庫が減るとまめに補給をしてしまうそうです。
私が古代都市で飲んでいたワインの銘柄もありましたので、今晩は少しだけ飲んでいます。
とても美味しいので、シャーリーさんではありませんが眠ってしまうまで飲んでしまいそうでした。
今日は皆さんの前でもありましたので、嗜む程度に抑えています。
本当はもっと飲みたがったのですが、シアが「これ以上飲むと判断力が低下します」と助言をしてくれたのです。
要するにこれ以上飲むと私は意識が酔っぱらいさんになってしまうみたいです。
確かに体がポカポカして気分が良くなっています。
少し眠たいのですが、その前にお風呂にも入りたいところです。
眠ってしまう前にフィスさんにお願いしてお風呂に案内してもらいシアに手伝ってもらいなんとか入浴は済ませられました。
そこまでは気持ち良かったのですが、身に覚えのあるシャワールームについ足が向かってしまい温度調整をせずに水を出してしまったので、最後に目が覚めてしまいました。
何故か冷水だったので、一気に体まで冷えてしまったので、温め直すことに……。
その後はフィスさんに案内されてベッドのある部屋で転がっているのです。
シアは、船から情報を得たいと言うのでどこかに行ってしまいましたので現在は一人で寛いでします。
冷水を浴びていなければ、今頃は眠っていたと思います。
でも瞼は重いのですが、まだ目が覚めています。
まだ体にアルコールが残っている所為なのか少し体が上手く動かせません。
このまましばらくすれば眠ってしまうと思っていると……横のシーツの厚みが膨らんでいる気がします?
私の記憶が正しければ、シアが私を寝かせてくれた時は、シーツに膨らみなど無かった筈です?
気になってシーツを引っ張ると……そこにはとても過激な寝巻を着ているフィスさんがいます!?
「どうしてフィスさんがここにいるのですか!?」
「どうしてって、ここは僕の個室兼寝室だからです」
「ですが、私とシアを案内した後に何処かへ行きましたよね?」
素直に私とシアに部屋を案内してくれた後に何処かへ行ったのを見届けています。
「シアが居なくなったのを確認してこっそりと別の通路から入ったのです。ここは僕の船なんですから、隠し通路の一つや二つは存在しています。シアは、船の端末から情報を収集していますので、しばらくは来ないはずです。シアが一時的にですが離れている今晩はエルナ様と二人っきりで眠れるチャンスなのですから、僕がそのチャンスを見逃すわけがありません!」
その言葉を聞いて直ぐにベッドから降りようとしたのですが、すぐさま腕を掴まれて私の体に覆いかぶさってきました!
「私が嫌がることはしない約束でしたよね?」
このままでは、前回の続きをされてしまうと思いフィスさんと約束したことを聞いてみました。
その答えは……。
「勿論約束は覚えています。エルナ様が嫌がることをするつもりはありません。なのでこのままエルナ様と触れ合って朝を迎えるだけにします。本当はエルナ様の乙女の証が欲しいのですが、それはエルナ様が僕に貰ってほしいと言ってくれるまでは我慢します」
取り敢えずは私の乙女は守られそうです。
ですが、気が変わってフィスさんが本気になれば私に対抗する術はありません。
「本当に添い寝だけにしてくれますか?」
私が確認の為に質問すると笑顔で答えてくれました。
「はい。今回はそれだけ許してくれれば満足です」
私がその言葉で安心すると私が着ている寝巻を脱がしにかかります!?
「添い寝するだけでしたよね!?」
「はい、そうですよ?」
「でしたら、どうして私の着ている物を脱がそうとするのですか!?」
「えっ? 以前にも言いましたが、僕はベットでは衣服を身に付けない主義なのです。なので一緒に寝てくれるエルナ様と肌を寄せ合って寝たい僕としてはエルナ様も同じにしたいのです」
「私にはそのような主義はありません!」
「でしたら、今日から実践しましょう! 何も着ないで眠る方が開放感が有って気持ちが良いですよ!」
「それはフィスさんの最初の人の考えなのですか!?」
「僕の最初の登録者であるルナティア様はそう言っていました。いま思ったのですが、エルナ様って、ルナティア様の少女ぐらいの姿に似ていると思います。名前も近いのでもしかしたら、僕が気になるのは必然だったのかもしれません」
そう言って私の視線の先の壁が照らされると一人の女性の絵が映し出されています。
よく見ると白衣を着ていますが私が大人の女性になった感じの女性です。
この方がフィスさんの最初の人だと思います。
仮に目覚めたばかりの状態がシアのようだと仮定するとフィスさんをここまでの人格にしたのですから、とても個性の強い方だったのかと思います。
まだ何年もいるわけではありませんがシアは私に近い行動をしているとは言えません。
基本的には私を守る事を重視しているのです。
ですか、そのシアは今は居ません。
フィスさんを仲間と認めているし、シアの前でも約束を必ず守っていたので、シアも信用していたのかもしれません。
アルコールの抜けていない私の体から器用に着ている物を脱がしてしまうと自分が身に着けていた物を脱ぎ捨てるとピッタリとくっついてしまいました。
たまに手が私の体を軽く撫でまわしていますが……睡魔の方が強くその行為もなんだか気持ちよく感じてきました。
嬉しそうなフィスさんの口元が私の口元に近づいて来るので、最初はシアとしたいと声に出すと「シアとは済ましていると思ったのにエルナ様の初めてを貰えるなんて僕は幸せ者です!」と、言う始末です。
抵抗できない私が諦めかけていると大きな衝撃が起こりました!?
突然のことでしたが、かなり大きな衝撃です。
一体何が起きたのですか!?




