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Eighth Doll  作者: セリカ
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対策ですよね?


 ライラさん達が去って行くのを見届けるとコレットちゃんが自分のマントを私の肩にかけてくれました。

 

「暗いとはいえ年頃の娘がいつまでもそのような恰好をしているものではないぞ?」


「ありがとうございます! コレットちゃんの温もりをしっかりと感じておきます!」


 これはコレットちゃんの愛だと思って受け止めておきます。

 きっと私の素肌を他の人に見せたくないのだと思います!


「羽織っているだけのマントの温もりとか良く分らんが……そんな事より体の方は無事なのじゃろうか? あ奴は手癖が悪いと聞いておったがあんな方法を使っておったとは女性の敵みたいな奴じゃな」


「もう少しで私の純潔が汚される所でしたが、コレットちゃんのお蔭で間に合いましたよ!」


「それならば良いのじゃが……今日のお主は派手な下着を着けているのじゃな」


「そうです! 聞いて下さいよ! この下着は今朝下ろしたばかりの新品なのに早くも使い物にならなくなってしまいました! 上下セットの商品で、とても高かったのに……」


 今回は色々と生活用品を沢山買ってしまいましたので、もう手持ちのお金が殆どありません!

 この高い下着は、その時についつい買ってしまいました。

 お店の店員のお姉さんが私にとても良く似合うと褒めてくれるので奮発して買ったのに……切ないのです。

 後はエリックさんのお店の給金の収入があるのですが、それも食費と次の探索の為に食材の仕込みに使っているのです。

 探索時の食費の方は帰ってきてから、みんなから色を付けて貰っていますので私だけの負担ではないのですが……探索から戻らないと徴収ができないので先行投資となっています。

 それでも少しは手持ちがあるのですが……町中でお店を回っていると気付けば色々と買ってしまうのです。

 昔は学園以外は自由が無かった頃に比べて、町中を自由に散策ができるので物珍しい物を見ていると欲しくなってしまうのがいけないのです!

 美味しそうな物があるとシアと一緒に食べたり飲んだりしているのもありますが……現在の私はやりくりをしないと本当にお金がない状態なのです。

 そんな私はお店でアルコール漬けになっているシャーリーさんを注意する資格がないと思っていたりもします。

 私の考えを他所にコレットちゃんから不満の声が聞こえてきます。


「わらわの下着には文句をつける癖に自分はそれか?」


「コレットちゃんには可愛い物が似合うと思うからです! お金が入ったので、私はちょっとだけ大人の身嗜み高めようと思ったのです」


「そなたはそんな物よりも探索に必要な魔法防御が物理防御でも付与してある軽装の装備を強化した方が良いのでは?」


「そういう物はもっと高いのです。次にお金が入ったら順番に買い揃えたいと思っていますよ?」


「普通は探索の為の装備を優先するものなのじゃが……最近の若い娘は……」


「それでは聞きますがコレットちゃんの着ている物には何か付与でもしてあるのですか?」


「当然じゃ! いま、お主が羽織っているそのマントには、火に対する耐性付与がしてあるので、簡単には燃えたりせんのじゃ! この導師服には物理攻撃を多少は防げるように付与と加工がしてある一級品なのじゃ! なので、そこいらの戦士の軽装鎧なみの防御力を誇るのじゃ! そして……」


 やってしまいました……質問をすると止まらないコレットちゃんの解説が始まりました。

 話を中断させたりすると拗ねてしまうのですが衣服も破れたままですし何よりも男性に体を触られまくったのですから、早くお風呂に入って気分をすっきりさせたいのです!

 

「その話は後ほど聞きますので、今は早く帰ってお風呂に入らせてもらえないでしょうか? 衣服も破れたままなので暗いとはいえ恥ずかしいのもあります……」


「むむ……そうじゃったな。わらわとした事がすっかり忘れておったわ」


 私の身なりを気にしてマントを掛けてくれたのはコレットちゃん自身なのに忘れるのが早過ぎますよ?


「それでは、帰りましょうか」


 その後は、帰宅するとお風呂に入ってしっかりと体を洗いましたので清められたはずです。

 お湯の方は少し冷めていましたがシアが温め直してくれました。

 このお家に浴槽があったのは僥倖でした。

 普通の人達は大浴場のある施設に行くか井戸で汲んだ水で体を拭くのが普通なのです。

 仮にもこの辺りは富裕層が住んでいる地域に入りますので、この家はちょっとした豪華な邸宅とも言えます。

 何でもコレットちゃんが王宮からお暇を貰った時に国が手配してくれたそうなのです。

 この浴槽は火の魔力が扱える者がいれば備え付けの宝玉に火の魔法を念じるだけで水が温まるという高価な品物です。

 1つだけ欠点があるとすれば水を入れ替えるには人力で行わなければならないのです。

 排水は底にある栓を抜くだけで近くの水路に流せる仕組みなのです。水の魔法が使えれば完璧なのですが、使えなければ井戸から往復で水を汲んでこなければならないという重労働が約束されています。

 現在はシアのお蔭で、出かける前にシアが水を満たしておいて時間になったら、コレットちゃんが温めるのが日課となっています。

 私達が来るまでは、使われずに放置されていたので掃除がとても大変でした。

 高価な品物なのにコレットちゃんには無駄に疲れるだけの代物だったのでゴミ桶などと言っていました。

 お風呂大好きな私にはとても素晴らしい物だと思えるのですが……持って行けるのでしたら、これも探索に持って行きたい所です。

 シアと一緒にお風呂に入った後は、シアの風の魔法で髪だけは乾かしてもらいました。

 体の水分も飛ばしてもらえるのですが、湯上りの気分が味わえないので、探索の時以外は止めてもらっています。

 それから直ぐに食事の支度をしてから、コレットちゃんを呼んで遅い食事にします。

 支度といってもエリックさんのお店を出る前に殆ど出来ているので、盛り付けるだけになるので簡単です。

 食事をしてから一息つくと先ほどの件でコレットちゃんから質問がきました。


「それにしてもあれで良かったのかの?」


「何がですか?」


「ヴァイス達の事じゃ。お主にした事も問題じゃが、シアの話を聞く限りは後々に厄介なことになると思うのじゃ」


「私も思うところはありますが、最悪な事はコレットちゃんのお蔭で回避ができましたので、今回は忘れることにしますが……それは次に出会ったら、破いた服の弁償をしてもらってからです」


 私のお財布は心許無いので、絶対に回収をしたいと思っています。

 シアにお願いをすれば、私の為に吸収せずに残してある提出していない魔核があるのですが……それはシアの持ち物なので、どうしても困った時にだけお願いをします。

 可能な限りは自分の力で生きていくと考えていますので、シアに頼るのは戦闘方面だけと思っているのです。


「奴が弁償などするとは思えんが、お主がそう考えているのなら良しとするのじゃが……シアが言っていたライラの能力が本当なら、わらわ達が次に遭遇をしたら動きを全て封じられてしまうのは危険じゃと思うのじゃがシアはどう対応するつもりなのじゃ?」


 そのことは私も考えましたがシアがライラさんを感知できると言っていましたので、何とかなると思ったのです。

 コレットちゃんがシアに質問をしたので、きっと対応策が聞けると思います。


「個体ナンバー『トウェンティ ナインス』が私の感知エリアに入れば完全に感知が可能なので、拘束可能圏内に近付く前に次は倒します。あの者はコレットの魔法を回避しましたので、耐久力が低いと推測します」


「奴の拘束圏内も分かるのか?」


「あの者の魔力が私を捕らえたのは10メートル以下になった時です。そして、10メートル以上離れて会話をした時にこちらを拘束できなかったので、それが拘束可能な範囲と推察します」


「なるほどの……そして、ライラのナンバーは29番となると各国が公表している上位個体はかなり少なく公表していることになるの。それにしてもライラのことが良く分かったの?」 

 

「あの者は下の階層に降りる時に自分の識別番号を使って転移エレベーターを使っていた形跡が残っていたので、私が端末から読み取ったのです」


「なんと! シアはあの転移装置を使った者が分るのか!?」


「数日前の最近の情報だけです。私も自分の情報が分ればガーディアンを倒さずに9階層までは移動可能になります」


「それだけでもすごいのじゃが……あの地下迷宮は9階層まであるのか?」


「いえ、最下層は10階層です。そこに制御室があるはずなので、アクセスが可能なら地下設備を支配下に置けます」


「最下層に行けば地下迷宮を支配できるのか!?」


「私のアクセス権限で制御ができたらの話です。私の情報が欠落しているので現時点では支配下に置く事は不可能ですが一部の機能を使えるようにはなります」


「むむむ……話を聞いていると地下迷宮は天空人が作り出したのか? そうでなければシア達が管理などできないからの」


「現在は地下迷宮などと呼ばれていますが、イシュトール人が実験施設として作り出した物です」


「なんじゃと! あれが天空人が作り出した実験施設だと申すのか!?」


「あの施設で作り出されている魔物と呼ばれる個体は護衛用に作られた実験生命体です。他の用途としては別の実験体の戦闘能力を試す為の相手です。何らかの事情で施設から溢れた個体が地上の生物と種を成して地上にまで徘徊するようになったと記録されていると情報が残されていました」


「そんな事は初めて知ったのじゃ! 王国の者達はこの事を知っているのか? 何よりもシアはどこでその情報を手にいれたのじゃ?」


「この国の事は知りませんが、情報の入手先は防衛都市『アズラエルガード』の情報端末です」


「その『アズラエルガード』とはなんじゃ? そんな名前の町など聞いたことがないと思うが……随分昔の書物に記載がしてあったような……」


「『アズラエルガード』は『アズラエルガード』です」


「くぅ……質問の仕方か……」


 いつの間にか会話の内容が変わってきています。

 シアとの会話に新事実が発覚をして、それを聞くのにコレットちゃんが熱くなっているので、喉が渇いたと思って飲み物を目の前に置くと黙って飲み干して私をじっと見つめてきました。

 そんなに見つめられると私は照れてしまうというか本気になってしまいますよ?

 今晩はコレットちゃんの想いに答える為にシアの代わりに抱き枕にして寝たいと思います!

 コレットちゃんの可愛らしい口から、愛の告白が聞けると想像していたのですが、予想と違って残念です。


「エルナよ。お主達がいた樹海の家とやらがその『アズラエルガード』ではないのか?」


 私とシアの実家が聞きたかったみたいです。

 あそこは私とシアの愛の巣です。

 どうしても入りたいのでしたら、私の第二恋人だと正式に認めてもらわないといけませんよ?


「そうですが、あそこは私とシアのお家なので身内以外は入れません。私の正式な恋人になるというのでしたら、考えますよ?」


「またか……わらわはお主の将来が心配になってきたのじゃ……よし、わかった。わらわはこれより正式にエルナの愛人になる故にそなた達の全ての情報を共有すると約束するのじゃ!」


 いつも必ず話を逸らすかまともに相手をしてくれなかったのですが、ついに私の恋人になる決心をしてくれたようです!

 シアに引き続き見た目が幼い可愛い幼女を手にいれました!

 ミッドウェール王国にいた頃は叶わなかった夢が叶っていくので、国に帰らなかった事は正解でした。

 私のこの考えを理解してくれる人はいなかったのですが、シャーリーさん達も何も言わないので理解してくれていると信じています。

 その後、私の知る限りの樹海にある家の情報を教えると次の探索は絶対に『アズラエルガード』に行きたいと言い出しました。

 ですが、それを決めるのは私達のリーダーであるゲイルさんです。

 どうしても行きたいのでしたら、ゲイルさんを説得するように言いました。

 私とシアは反対はしないとだけ言っておきました。

 ライラさんに対する対策を聞いておきたかったのですが、時間的に眠る時間になってしまったので朝食の時にでも聞くことにしましょう。

 取り敢えず今晩はコレットちゃんをしっかりと私のものにしたいと思います!

 

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