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Eighth Doll  作者: セリカ
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信じていました!


「それにしても反応が薄いんだが、お前は不感症なのか?」


「……」


「だんまりか。これじゃ人形の相手をしているみたいで詰まらんな」


 話が終わった後に私は体を弄り回されています。

 身動きが取れないのですから、人形と言われてもその通りだと思います。

 私は敏感な方なので、実際はかなり厳しい状況なのですが……表情を偽ることは昔から慣れているので、耐えているだけです。

 相手が可愛い少年なら、諦めてしまったかもしれませんが、好みでも無い方を喜ばせるなんて絶対にしたくありません!

 これは身動きが取れない私にできる唯一の抵抗なのです。

 相手が詰まらないと考えてくれれば諦めるかも知れないという考えですが……目的がはっきりしている以上は無駄かと思います。

 2体の魔人形とライラさんの拘束で地面に押さえつけられているシアの方を見ると諦めていないのか、ヴァイスさんの方睨みつけていますので今にも襲い掛かりそうです

 シアが自由になれば状況を一気に変えることができるのですが……。

 私の体を弄るのに飽きたのかヴァイスさんの手が止まりました。

 もしかして、その気にならないので諦めてくれたのでしょうか?


「お前はどうも我慢強いみたいだから取り敢えず抱いた後は連れ帰って泣いて俺の女にしてくださいと言い出すまで躾けるか」


 そう言うと私の背後に回って布が擦れるような音がすると私の下着に手を掛けています!

 このままでは、私は本当に傷物にされてしまいます!

 

「それだけは止めて下さい!」


「やっと喋ったか。体は反応していた癖に我慢強いと思ったが早かったな」


「これ以上は黙っていられません! 動けない女性にこのような事をして恥ずかしくないのですか!」


「ないな。逆らう奴の意思はそのままで操るのは楽しいからな」


「貴方は最低です! まさかこんな人に体をいいようにされるなんて……」


「小娘だから楽しめないかと思ったが、体の方はそこそこ育っているし容姿も悪くないので数年もすればいい女になりそうだ。最初が肝心だが、この後もいい声で鳴いてくれよ」


 私の我慢などお見通しのようです。

 される前にこの人の良心に期待したのですが、元々女性を物としか見ていないようです。

 この程度の抵抗など意味は無かったのかもしれません……とても悔しいです……。

 その時です。

 私が諦めかけた時に聞き覚えのある言葉が聞こえてきました!


「穿つは大気の意思 集約せし力よ我が敵を撃て エアリアル・ニードル!」


 コレットちゃんの魔法です!

 撃ち出された風の攻撃魔法がライザさんの方に向かっています。

 ライザさんは光る盾のような物を作り出して攻撃を防ぎました。

 ですが、一撃は耐えれましたが2発目は光の盾を破壊してライザさんに当たるかと思われましたが、素早く回避をしています。

 その為にシアに向けていた拘束が緩んだのか、シアは押さえつけている魔人形を強引に振り払ってライラさんに体当たりをして弾き飛ばすと迷いなく私の方に向かってきます。

 ヴァイスさんを殺してしまうのかと思われましたが、普段なら魔物を突き殺す攻撃が手加減されているのかヴァイスさんの体がへの字に曲がったと思ったら蹴り飛ばされて吹き飛ばされています。

 そして、私を縛っているロープを切って抱き抱えると直ぐに距離を取ってその場を離れました。

 絶対にもう駄目かと思いましたが、私の可愛い騎士様のシアの行動に改めて惚れ直しそうです。

 両手はまだ縛られたままなので、抱き締めることはできないので、このまましばらく抱き抱えられていたいです。

 そして、コレットちゃんの隣まで移動すると私を下ろして両手と両足のロープを切断して拘束を解いてくれました。

 これで自由になりましたが、もう少しだけシアに抱き抱えられてその胸に身を預けていたかったです。


「まったく帰りが遅いから、気になって迎えに出てきたのだが正解じゃったな」


「コレットちゃん、ありがとうございます! 流石は私の第二恋人です!」


「恋人でも何でも良いのじゃが……家での時間に厳しいお主が遅いなんて珍しいからの。何か合ってもシアがいるので問題はないと思っとったんじゃが、あまりにも遅かったので気になったのじゃ。お主の所為で不規則な食生活の時間が改善されたお蔭で決まった時間に腹が減るのじゃ」


 私の正しい躾が功を奏したみたいです!

 規則正しい生活を徹底したお蔭もありますが私の食事が恋しかったのですね?

 お礼に明日は、コレットちゃんの好きな料理にしたいと思います。

 そして、私の時間稼ぎは無駄では無かったようです!

 

「何にしても私とシアの危機を救ってくれたのですから、とても感謝しています! コレットちゃんを私の2人目の恋人にしておいて正解でしたね!」


「わらわはいつからお主の恋人になったのやら……しかも第二とか2人目などと言われると妾とか愛人扱いでは……」


「今晩は、汚された私をコレットちゃんが慰めて下さいね!」


「わらわの疑問の呟きは無視か。状況は察しているつもりじゃが元気な奴じゃの……わらわは慰め方など知らぬから、シアにでも頼むが良い」


「乙女の危機でしたのにコレットちゃんが冷たいです! 私は切ないです……」


「それだけ言えるのなら、平気じゃろ。所でシアよ。お主が動きを止められるとは、ライラの奴は強いのか?」


 コレットちゃんは私の相手に飽きてしまったのかシアに話しかけています。

 あちらさんは、吹き飛ばされたヴァイスさんの所にライラさんが駆けつけて介抱しているように見えます。

 シアを押さえつけていた魔人形もヴァイスさんの元に控えていますが、シアが立ち上がった時に押さえつけていた方の腕が変な方に2体とも曲がっています。

 状況的には有利な感じもしますが、また拘束されてしまったら今度は助けに来る人がいないのでまずいかと思います。

 このまま逃げた方が良いと私は思うのですが……。


「あの個体の属性は【縛】かと思います。私が保有する情報が正しければ戦闘補助の非戦闘型です」


「縛とは、拘束とかで良いのか? なんとも地味な能力な気がするのじゃ」


「あの個体に集中的に拘束されてしまえば、殆どの者は動けなくなります」


「ふむ……そうなると地下迷宮の強敵やガーディアンも完全に拘束ができるのなら脅威ではあるの」


「登録者との同調率が高ければ、その範囲と威力は拡大されるはずです。戦闘型と組むことでより脅威的な存在になります」


「それは恐ろしいの……今ならあの様じゃし、ここで奴らを倒しておくか?」


「エルナの判断に委ねます」


「そういうことじゃが、どうするエルナ?」


 どうするかは、私の判断に任せるようですが……どう致しましょう?

 最低な人ですが、私としては殺したりはしたくないのです。

 今度は逆に捕まえて騎士団に突き出したい所なのですが、近づけばライラさんにまた拘束されてしまえばお終いです。

 私が迷っているとあちらが先に動き出したようです。


「クソったれが……よくもやってくれたな!」


「手加減してくれたとはいえ肋骨が何本か折れているみたいだから、無理しない方がいいわよ」


「うるさい! お前がちゃんと抑えておかないからだろう!」


「あのエルフの魔法の威力があんなにあるなんて思わなかったのよ。あれで集中が落ちたら動き出すなんてあの子もすごいのだけどね」


「言い訳はいいから、今度は3人とも抑えるんだ!」


「全員だと、あの子だけは動きを鈍らせるのが限界よ。普通の相手なら問題無いけどあの子だけは異様に魔力を使うのよね」


「動きさえ鈍らせれば、魔人形で何とかなるだろう! やるぞ!」


 あちらはヴァイスさんが怪我をしているみたいで、一体の魔人形に肩を借りて立っている状態ですが私達の方を睨みつけています。

 どうもこのまま逃がしてもらえない様ですが、ライラさんが前に出ようとするとシアが警告をしています。


「個体ナンバー『トウェンティ ナインス』に警告します。それ以上近づくと魔法による攻撃を開始します」


 シアの警告を受けてライラさんが立ち止まりました。

 いまシアが言った番号がライラさんの数字なのでしょうか?

 先程コレットちゃんにライラさんの属性というものを話していましたが、それで番号まで分ったのでしょうか?

 ライラさんが立ち止まったということは正解なのだと思いますが……。


「私のナンバーが分るなんて、最近目覚めたばかりと思うけど物知りなのね。近接格闘型と思ったのだけど攻撃魔法まで使えたのね」


「現在の拘束に必要な距離は先ほど理解しました。そこから一歩でも近づけば攻撃します」


「私が貴女を拘束する方が早いかもしれないわよ?」


「拘束の魔力が届く前に私の攻撃魔法が貴女を貫きます。例え防御魔法を使っても先ほどコレットの魔法に一撃しか耐えれなかったのですから私の攻撃魔法なら、そのまま貫通する事が可能です。命中率も貴女に集中させますので回避ができても無傷では済みません。試して見ますか?」


「こら!!! 魔法の威力の比較対象がわらわというのが気に入らんのじゃ! 間違ってはいないので反論もできぬのじゃが……助けに来たのに酷い扱いじゃ……」


 魔法の威力をシアと比較されてコレットちゃんが落ち込んでいます。

 私にも分りやすい説明だったのですがコレットちゃんにはショックだったようです。


「それは面白くないわね……先ほどのエルフの魔法でも直撃していたら、私もダメージを確実に受けていたのよね」


「私としては貴女の存在は危険なので、ここで排除する方が良いと判断します」


「守ってくれる存在がいないと私って不利なのよね……仕方ないから、今回は引くけど見逃してもらえるのかしら?」


 シアとの話で、ライラさんは引いてくれるみたいです。

 後ろで魔人形に支えられているヴァイスさんは不満そうです。


「おい! 何を言っているんだ! お前が先に捕まえれば確実に勝てるのになんで引かなきゃならんのだ!」


「ダメよ。あの子の魔法が宣言通りなら、拘束する前に私が狙い撃ちされるわ。それに距離感も掴まれているみたいだから、不意打ちでもしないと危険よ」


「そんなのはハッタリだろう! お前が動かないなら、お前達が行け!」


 ヴァイスさんが2体の魔人形に指示するとこちらに向かってきますが、シアが手を前に翳すと先ほどコレットちゃんが使っていた『エアリアル・ニードル』の魔法が発動しています。

 そのまま向かってくる魔人形に指を指すと放たれて2体の魔人形に対して集中的に撃ちだされると2体とも躱し切れずに被弾するというよりも貫かれて動かなくなりました。

 その様子を見ていたヴァイスさんは唖然としています。

 

「嘘だろう!? 対魔法防御を強化した魔人形なのにあっさりと貫かれるなんて……」


「格闘能力と強力な風魔法が使えるなんて……風の属性持ちはガリア共和国が所持している『フォース』だけと思っていたのに貴女は何者なの?」


 ライラさんはシアが風の魔法を使った事で疑問を持ったようですが、風の属性を持つ存在は西のガリア共和国にいるみたいです。


「答える必要はありません。次に貴女が前に出てきたら、同じ結果になります」


 シアがライラさんに改めて警告していますが、確かあの魔法は連続で使えないと言っていたような気がしますが……。


「ヴァイス、帰るわよ」


「お前、何言っているんだ!」


「貴方は怪我をしているから、まともに戦えないし私は次に同じ事をされて破壊されたくないわ。それに私には攻撃手段がないから、前衛がいないと話にならないのよね。それともここで2人揃って死を選ぶのかしら? ここで引くのなら見逃してくれるのよね?」


 ライラさんの質問にシアが私の方を見たので、私が答えることにします。


「出来れば引いて下さい。私としてもこれ以上の争いは無用と思いますので……」


「それじゃ引かせてもらうわね」


 そう言うと腹部を押さえているヴァイスさんに肩を貸して去って行こうとします。

 その時にシアが最後にライラさんにもう1つ警告をしました。


「そちらの個体識別番号は把握しましたので、私の感知エリアに入ればすぐに分かります。なので不意打ちなど考えない事です」


「貴女はそんな能力まであるなんて、私よりも強力な上位個体みたいね。しっかりと覚えておくわ」


 文句を言っているヴァイスさんを支えながらライラさんは去って行きました。

 私の場合でしたら、シアがお姫様抱っこをしてくれるのですが、ライラさんはシアと違って腕力が無いみたいですね。

 これで良かったのでしょうか?

 私には分りませんが、次に襲われる事があればシアの警告に従おうと思います。

 ひとまずは安心をしましたがここで私は大事な事を思い出しました!

 それは、私の服の弁償をしてもらっていません!

 胸元から派手に破かれてしまったので、この服はもう使い物になりません。

 しかも値段が高い下着まで駄目にされたのですから……。

 次に会うことがありましたら、弁償もしくは代金の請求をしたいと思いますが払ってくれるかは疑問です。

 この間の探索で得た報酬を使って以前は買えなかっのたの早速購入をして愛用していた私の私服なのに……まだ数日しか着ていないのに早くもお別れです……。


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