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Eighth Doll  作者: セリカ
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地下迷宮3階層


 探索を開始して15日目になりました。

 あの後、ガーディアンを倒して認証キーというのを手にいれたので、確認の為に転移ゲートではなくてえれべーたー? に戻ることにしたのです。

 同じ道を戻って、転移の部屋に戻りました。

 2階層に降りた時と同じようにシアに最初に台座を作動させてもらい再び同じ手順を踏んでから、各自のカードをチェックをしたのです。

 そして、3階層に降りられるのをゲイルさんが自分のカードで確認をしょうとしたのですが、当然のようにコレットちゃんがゲイルさんよりも先に確認をしました。

 確認をするとシアが手を翳した時と同じ反応をして、3階層まで行ける表示らしきものが出ています。

 私には読めない文字なのですが、数字だけは理解ができたので、多分あっていると思います。

 これで私達はみんな3階層までいけるようになりました。

 表示されているのは古代文字なのですが、コレットちゃんは読めるらしいので、シアに質問をしながら操作方法を覚えています。

 ゲイルさんは、今回は一度戻ることを提案したのですが、コレットちゃんはせっかくなのだから、3階層に行きたいと言い出したのです。

 2階層までに出てきた魔物は、上の1階層とそれほど変わらなかったのですが、一度に遭遇する魔物の数が多かったぐらいでした。

 そうなると更に下に行くともっと集団で現れるのでしょうか?

 数日前に遭遇した方達は、戦闘用の魔人形を含めると人数は私達の倍以上でした。

 きっと本来はあのぐらいの人数が必要なのかと思います。

 私達は、強敵に対してはシア個人の強さと威力の上がったコレットちゃんの魔法が頼りになります。

 ゲイルさんとシャーリーさんは、熟練の冒険者として通常の魔物とは対等に戦えます。

 この中で、私だけがそこそこ剣の腕が上達した程度なので、皆さんの助けがないと危うい時もあります。

 この階層でも目の前の相手をするだけで、手一杯になってしまうので、更に強かったり遭遇する魔物がこれ以上の数になると足を引っ張ってしまう可能性が高いと思います。

 町でも、ゲイルさんかシャーリーさんの時間が空いている時に稽古を付けてもらっているのですが、動きに無駄が多いのかまだまだおよびません。

 そのような私が更に強い所に行くのは危険かと思うのですが、コレットちゃんに押し切られて降りることになりました。

 不安でしたが、ゲイルさん達も守ってくれると言ってくれましたし、シアが私の手を握ってくれたので、とても安心ができました。

 そして、3階層に降りたのですが……早くも私は戦力外です!

 最初の相手と対峙した時に私の剣が折れてしまったのです!

 今回は、何本か所持していた古い剣は全て売ってしまって、そのお金でちょっと良い剣を買ったのです。

 私が振るのに丁度良い重さで綺麗な刀身でしたので、誤って刃の部分に少し触れてしまって指を少し切ってしまったぐらいです。

 怪我の方はシアが直ぐに私の指を口に含んだと思ったら、怪我が綺麗に治っていました!?

 どうも他の回復魔法が使える人達と違ってシアは接触する事でも治せるみたいです。

 指を切ってしまったのは痛かったのですが、私としては思わぬ御褒美でも貰った気分でした。

 その記念とも言える大切な剣が見事に根元から折れてしまったのです。

 相手の特性も考えずに斬り込んだ私が悪いのですが……あんなに硬いとは思ってもみませんでした。

 3階層で、最初に遭遇したのはゴーレムの魔物です。

 それほどの数ではないし動きも遅めでしたから、私でも倒せると思って斬り込んだのですが、相手にダメージらしきものも与えられずに終わりました。

 剣が折れて呆然としていて私自身は殴られて吹き飛ばされてしまうかと思っていたのですが、シアが直ぐに私を攻撃しようとしてくれていたゴーレムを蹴り飛ばしてくれたので助かりました。

 私の剣は簡単に折れてしまったのにシアの飛び蹴りで吹き飛ばされたゴーレムは一撃で半壊して転がっています……改めてシアに蹴られてしまうと恐ろしいことを認識してしまいました。

 それからは、皆さんが倒したゴーレムの頭部に埋め込まれている形で露出している魔核を回収する仕事をしています。

 半分以上埋まっているので、取るのは大変かと思ったのですが、動かなくなると意外と簡単に取れるのです。

 魔法で作られた無機物の存在らしいので、生きていると言っても良いのか分かりませんが、行動不能になると目の部分の光がなくなるので、それで倒されたことになるようです。

 その後も転移の部屋の周辺を探索していたのですが、どうもここの階層に現れる魔物は、このゴーレムだけのようです。

 大きさはまばらですが、中には大型の魔物ぐらいの大きさの巨人もいたので、私だけで遭遇していたら、確実に潰されて殺されている所です。

 しかし、シアにとっては動きの鈍い相手なので、いつもの殴る蹴るでどんどん倒していくので、動く的みたいなものです。

 ゲイルさんは大剣の硬さで相手にできる大きさのゴーレムを叩いている感じで攻撃しています。

 そして、ゲイルさんが相手をしている内にシャーリーさんが自分の剣に魔力を籠めて繋ぎ目らしい所に斬り込んで倒せるみたいです。

 私と同じで、ゲイルさんの剣ではダメージは与えられないみたいなのですが、シャーリーさんの剣には魔力で剣の威力というか切れ味が増すので、何とか斬れるみたいなのです。

 コレットちゃんはと言うと……。


「集いし炎よ我が敵を貫け! ファイヤー・ジャベリン!」


 コレットちゃんが威力を高める為に集中する言葉の前置きを言いながら魔法を撃っています。

 あれは単発の炎の槍の魔法らしいのですが、ゴーレムの頭部を貫くと一撃でゴーレムを倒しています。

 この階層では、炎の魔法が有効らしくコレットちゃんが大活躍をしています。

 普段は、魔力消費を抑える為に控えるように言われているのですが、通常の武器などで攻撃するにはとても大変な相手なので、ここぞとばかりに自分がメインで戦うしかないと主張したのです。

 これにはシアも許可を出したので、コレットちゃんは楽しそうにどんどん倒しています。

 単発の魔法なので、範囲魔法よりは魔力の消費が少ないので数が撃てます。

 調子に乗っていると魔力が切れて、座り込む時がしばしありますが……。

 シアが言うには、ここの魔物の属性は『金』らしいので、炎の魔法が有効らしいのです。

 金というと金貨に使われている材質の『金』ですよね?

 そうなると……このゴーレムは『金』の塊なのかと思いました。

 ですが実際には、岩で出来ていたり私の知らない金属の相手もいました。

 私の剣が折れたのは相手が金属のゴーレムだったのですが、私の剣の強度より上だったらしく、運が悪かったみたいです。

 結論から言うと属性が『金』というだけで、本物の金の塊ではありません。

 もしもそうだったら、倒せば倒す程にお金持ちになります。

 岩で出来たゴーレムは魔核以外に価値はありませんが、金属のゴーレムは鉱物資源として全て価値があるのですが……重すぎて持ち帰ることができません。

 なので結局は魔核だけを回収するしかありません。

 持てる部分だけでも魔法の指輪に入れて持って帰る選択肢もありますが、それよりも魔核を数多く持って帰った方が収入が多くなるので、重さの割に儲けが少ないみたいです。

 これが、金とか銀の塊なら、可能なだけ持って帰りたいですね。

 以外にも順調に戦えているのですが、1つだけ問題があるのです。

 それは……。


「おい、コレット。頭部を狙うのは間違っていないが、もう少し狙う場所を下げて倒せよ。まともに頭部を狙っているから、魔核が破損するか傷が付いて査定がさがるだろう……」


 今もゲイルさんが指摘した通りに頭部を狙えば一撃でゴーレムを倒せるのですが、魔核が額の辺りに剥き出しになっているので、貫く位置によっては魔核が欠けてしまうのです。

 こうなると価値が半減してしまうらしく、安く買い叩かれてしまうそうです。


「理想はそうしたいのじゃが、魔核を目印にした方が狙いやすいのじゃ。魔核からは魔力を感じるので、誘導しやすいからの」


「理屈は分るが、そこは年長者の実力でもう少し何とかならんか? 組合で3階層に行く奴が少ない理由が何となくわかったな……魔導士がいれば弱点が丸見えな上に動きもそれほど早くないので倒しやすいが稼ぎにならん。しかも俺のような武器で戦うなら魔力が通せる武器じゃないと武器の消耗が激しいからだな。ガーディアンとの戦闘で刃こぼれしまくった剣が完全にボロ剣になった……高い割には使えん剣だが耐久性の強化付与がなかったら、もう折れているぞ」


「初めから、魔力が通せる剣を買わないからじゃ!」


「俺の魔力は低いから、そんなに頻繁に通せるか! せめてシャーリーの半分ぐらいの魔力があれば、普通のサイズの剣だったが、そっちを選んだんだがな……価格的には同じだったが、もしもそれを選んでいたら、ガーディアンと戦っている時に魔力が尽きて折れていただろうから、結果的には間違ってはいなかったんだよな。そんな事よりも狙いがもうちょっと何とかならんのか? 天才魔導士様よ?」


「褒められるのは悪くないのじゃが、その言い方は褒められている気がせんのじゃ……だが、エルナがシアに提案してくれたから、その件は解決済みなのじゃ!」


 その提案とは、回収係の私がシアに提案して壊れてしまった魔核はシアが力を吸収する物と交換してもらっています。

 シアは、力が吸収ができれば何でも良いので、戦闘が終了すると私が集めた破片と変えてもらっているのです。

 こうすれば、無事な魔核が手に入ります。

 この階層に来てから、コレットちゃんの魔法の指輪を貸してもらっているので、せっせと回収をしていますが、この指輪は所有者の嵌めたい指の大きさに自動で変化するので、更に便利な品物です。

 最初はコレットちゃんの指の大きさを考えると小指にしか入らないと思っていたのですが、嵌めたい指の先端に持っていくと大きさが変わるのには驚きましたが、ついでに左手の薬指に嵌めてもらいました。

 これで、コレットちゃんとも恋人関係になったと私が発言したら、皆さんからは呆れたような目で見られてしまいました。

 ゲイルさんは「若いって良いよな……」と呟き、シャーリーさんは「大人になったら、考えが変わると思うけど……将来が心配だわ……」などと言われてしまいました。

 当の本人であるコレットちゃんは、「貸しただけだけじゃぞ? まあ何でもいいが……お主が生きている間はしっかりと世話をしてもらうからの」と認めている言質を取りました!

 これで、私が生きている間はコレットちゃんも私の物になりました!

 エルフというのは長命みたいなのですから、もう少しで300歳のコレットちゃんの姿はこの先もこのままと思うと素晴らしい恋人を手にいれました!

 なので、コレットちゃんを援護する為に私がシアに交換の話を提案したのです。


「それはエルナ嬢ちゃんのお蔭であって、お前の手柄ではない。普通に考えたら、容量の大きいストレージ・リングを所持していなかったら、3階層の探索は赤字が確定だな」


「ふん! エルナがわらわの世話をすると言い出したのだから、エルナの提案はわらわの提案でもあるのじゃ! お前達の常識でいう「夫婦の共同作業」みたいなものじゃろ?」


 コレットちゃんが恋人から更に進化した夫婦宣言を致しましたので、コレットちゃんは私の物です!

 本人確認による幼女を手にいれました!


「開き直りやがったな……まあ、損さえしなければ問題はないが。剣の方もあれを材料にすれば、やっと安定ができる武器が手に入るから、俺としては早く町に戻りたいところだ」


「エルナがせっかく20日分も食事を仕込んできてくれたのじゃから、せめてあと3日は、この動く的で魔法の練習をするのじゃ!」


「やっぱりそれが本音か。食事の方はありがたい配慮なんだが、帰りの道中の分の計算が抜けているぞ?」


「そんな物は道中で、何か獲物でも狩るか保険に持ってきている保存食があるじゃろ?」


「道中で調達かよ。見つかることでも祈るわ。まともな食事に慣れると非常時以外は保存食は避けたいからな。シア嬢ちゃんのお蔭で荷物が多く持てるようになったから、長期滞在とその間もまともな食事ができるのは助かっているからな」


 やっぱり持ち物を多く持てるのはいいことですね。

 私とシアが加わるまでは、コレットちゃんの魔法の指輪だけですから、その中身も大半は水と保存食が占めていたので、魔物を倒しても消費した分だけしか入れれませんから、背中に荷物も背負っていました。

 その保存食をエリックさんが工夫を凝らして、味付けしていただけですが、それだけでも違いますからね。

 私にそんな事はまだ難しいので、色々と料理の仕込みをしてシアに預けてきたのです。

 私にも経験がありますが、保存食だけになると味気が無いので町がとても恋しくなるのです。

 その後もコレットちゃんの提案が通ったので、3日間は滞在しました。

 作り過ぎたと思ったのですが、この調子では次も沢山の仕込みが必要になります。

 町に戻ったら、エリックさんのお店のお手伝いの合間に次の探索の為にも頑張って作っておきましょう。


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