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Eighth Doll  作者: セリカ
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作戦会議


 コレットちゃんの魔法で、サソリさんの数を大きく減らしたので、ゲイルさん達と3人で残りの相手にする事になりました。

 普通に斬ったりすると体が硬いので、私の剣が通りません。

 私では、倒せないかと思っていましたが、シャーリーさんは、甲殻の繋ぎ目の辺りを器用に斬りつけて切断をしています!

 見よう見まねで私も同じ事を実行していたのですが、成功すればちゃんと斬ることができるのですけど、あれ程正確にはできません。

 攻撃をしつつも回避を優先することに専念をすることにしました。

 幸いにも動きはそれほど早くないので、鋏で剣を止められることや尻尾の針に気を付けていれば、私でも何とかなります。

 そして、私には真似ができませんが、ゲイルさんは、新しく新調した大剣で、男性らしく腕力で、叩き潰しています。

 とても高い剣だったので、魔法の付与がしてあると言っていました。

 私がシアの為に購入した服も高かったのですが、もっと高い金額だったと思います。

 ゲイルさんのお金の使い道は武器だったのです。本当は妥当な剣を購入して最低限の容量がある『ストレージ・リング』が欲しかったのですが、シャーリーさんが非協力的でしたから買い逃してしまったのです。

 そして私達が来たことで、残っていた資産を殆ど使ってしまって武器を買うことにしたのですが、可能な限り良い物を買おうと思ったそうです。

 高い買い物だったらしく硬い相手でも問題なく倒せています。

 順調にサソリさんを全て倒すとシアの方の戦闘が終わっていると思ったのですが、シアはまだ交戦中です!?

 いつもでしたら、私達が相手にするには厳しい相手を難なく倒してしまうのに苦戦をしています。

 状況を見ると二体の魔物が絶え間なくシアに攻撃を続けています。

 シアも攻撃をしているのですが、相手の連携が良いのか片方が武器を大振りにした時にもう片方がしっかりとサポートをしているように見えます。

 更には相手は魔法も使っていますので、それだけはシアも回避をして躱しています。

 そして、相手の魔物がいつもの強力な打撃も耐えられているのです。

 ゲイルさんがシアに集中している魔物に隙を見て近づいたのですが、魔物の片方が何か魔法を撃ってきました!

 このままでは、ゲイルさんに回避する術はないかと思われたのですが、ゲイルさんと撃ちだされた魔法との間に地面が壁になってせり出した直撃を免れました。

 今の魔法に心当たりがあるので、シアの方を見ると一階層で、通路を防ぐのに壁を作り出す時と同じ動作をしています。

 そのまま手首を上に何回もスナップさせて、いくつもの壁を無造作に作り出しています。

 結果的に複数の壁で、相手の動きを阻害するとシアが私達の所に戻って来ます。

 シアに倒せない魔物がいるなんて驚きです!


「シア、大丈夫ですか!?」


 戻って来たシアは、怪我こそしていませんが、あちこちが汚れています。

 いつもは手足だけは魔物の血で汚れていますが、他は無傷でしたから。

 

「問題はありません。2体同時に相手にするには相性が悪いだけです」


「シアにも苦手な相手がいたのですね?」


「あの魔物の属性に有効な魔法がないので、攻撃力が半減しているのです。なので、打撃力だけで戦っているのですが、2体の連携が良いのでまともにダメージが与えられません。そこに魔法まで使ってくるので、これだけは回避をしないとダメージの蓄積がされてしまうので、直撃は受けれません」


 シアの攻撃に魔法が関係をしているのですか?

 私には魔法を使って戦っているようには見えなかったのですが?

 滅多に相手の攻撃を受けている所を見たことがなかったのですが、沢山の攻撃を受けてしまうといけないみたいです。

 敵無しと思われていたシアにも弱点があったみたいです。


「それで、この場合はどうしたらいいんだ? 俺で何とかなるのなら、大きさ的には、図体のでかい相手と戦うと思えば片方の相手をしてやれるんだが……魔法なんて撃たれたら、躱せんからな……」


 ゲイルさんがシアに指示を求めています。

 パーティーとしては、リーダーになってもらっていますが、戦闘に関してはシアの指示の方が的確なので、前もってゲイルさん達は戦闘に関しては従うとシアに提案をしています。


「魔法さえ封じれば、ゲイル達にも戦闘は可能です。コレットかシャーリーが沈黙の魔法が使えることが前提です。そして、先ほどの魔法は決して貰ってはいけません。あれは石化魔法です」


 先ほどのゲイルさんに対する魔法は石化魔法だったのですか!?

 だから、シアは直撃をさせない為にゲイルさんの前に壁を作り出したのですね。


「まじか……もし石になったら、助かるのか?」


「石化しても時間が早ければ高位の状態回復魔法が使えれば元に戻ることもあります。現状では誰も使えないので、石化したら、死ぬことになります」


 しかも、石化をしてしまったら、実質的に死んでしまうみたいです。

 私がもしも石化魔法を受けてしまったら、最後に恥ずかしくない姿で石になるしかないと思ったのは内緒です。


「コレットは、まだ駄目として……シャーリーは沈黙の魔法なんて使えるのか?」


 ゲイルさんがシャーリーさんに聞いています。

 この中で、補助系と回復系の魔法が使えるのは、シャーリーさんだけです。

 シアも使えますが、酷くない怪我を癒すことのみです。

 元は神官戦士だったシャーリーさんは、ある程度の怪我の回復と状態異常も強力なものでなければ消すことができます。

 毒などの症状の時は、緊急時は薬を使いますがそれ以外の時はシャーリーさんも魔力の温存をしています。

 今の所は軽い怪我や猛毒の類の治療は戦闘後にシアの魔法で十分に癒せますので魔力の回復が早いシアが魔法を使うことを優先にしています。

 怪我の治療が魔法で補えるだけ私達は恵まれていますので、無理をして死ぬようなことがなければ、比較的に安全に探索ができます。


「残念だけど、私は使えないわ。あの魔法は相手よりも魔力がかなり上回っていないと殆ど成功しないんだけど、成功率が低い割には高額で販売しているから、習得している人は高位の魔導士か魔導士の素質がある裕福な貴族になると思うわ」


 シャーリーさんは、習得をしていないみたいです。

 私も思ったのですが、そんな魔法が簡単に使えたら、魔導士の方達は、最初に魔法を封じられてしまうのですから、他に自衛する手段がなければあっさりと倒されてしまいますよね?

 今回のように最初にコレットちゃんが数を減らしてくれたから、小型のサソリさんの魔物は対処ができたのです。

 魔法で数を減らしていなかったら、あの数と戦うのはかなり厳しいかと思います。


「これは、諦めて逃げるか? 今なら、シア嬢ちゃんが大量に作り出した壁が無造作に出まくって、あいつらの動きをかなり阻害しているから、逃げれると思うんだが?」


「片方の相手を引き付けていてくれれば少し時間が掛かりますが、各個撃破は可能です」


「引き付けている間に石になってしまいそうだが……」


「尻尾を切り離してしまえば、魔法は使えません。あの尻尾は相手に対して突き刺す役割と魔法を撃ち出す役割をしています」


 そう言えば魔法は、あの尻尾から撃っていましたね?

 両手には武器を持っているのに尻尾から魔法を撃つなんて、ずるい魔物です。

 例え魔法ではなくあの大きな針で突かれたら、痛いどころでは済まないと思います。


「それこそ至難の業ではないか?」


 あの二体は連携がとても優れているので、片方の危機にはちゃんと反応をしています。

 シアが言う状況にするには、シアが片方の魔法を使えない状態にしている間は、どうしても無傷の状態の片方を相手にしなければいけません。

 その間に私達に犠牲が出るのは避けられないと思います。


「そこはコレットと私が魔法で何とかします」


「ふっ! シアがわらわを頼るとは気分がいいぞ!」


 いつの間にか来ていたコレットちゃんはシアに御指名されたので、ご機嫌です。

 真っ平な胸を叩いて、いわゆるドヤ顔という表情になっています。

 幼女が背伸びをしているみたいで、とても可愛いですね!


「コレットの魔法『エアリアル・ニードル』を最大の威力で攻撃して下さい。私は、片方の尻尾のみを単発の魔法を最大限にして放って必ず魔法の無力化をします」


「んっ!? なぜシアは単発魔法なのじゃ? わらわと同じ魔法の方が良いのではないか? 自分の口から言うのは悔しいのじゃが、お主の魔法の方が威力があるじゃろ?」


「私には、連続での消費の大きい魔法の行使は制限されているので、その魔法は現在使えません」


 最初に使っていたからなのですね?

 ですが、シアにそんな制限があるなんて初めて知りました。


「シアにそんな制限があったとは……フィスの奴は使いたい放題だったと思ったが、何が違うのじゃ?」


「その個体は属性が固定されているからです」


「ふむー……要するに色々と習得ができるシアは、器用貧乏みたいなものか……一つを極めるか複数を少しづつ扱えるか……」


 私は当然ですが、色々とできるシアの方が良いと思います!

 そのお蔭で私は不自由な生活をしていないので、素晴らしいことだと思うのです。


「まあ、後で色々と質問したいことが増えたが、いまはあれを倒すことが先じゃな。それで、あそこで無造作に作られた壁に嵌っている奴にわらわは魔法を撃ち込めばよいのじゃな? 今なら、ある程度は狙いを定めて撃てるので、外すことはないじゃろう」


「狙うのは片方だけに集中して下さい。手負いになればエルナ達の負担が減ります」


 この様な状況なのに私のことを気に掛けてくれるなんて、私はシアに愛されていますね……誰も言ってくれないので、思うだけですよ?


「それだと片方は無傷に等しくなるが、良いのか?」


「片方だけなら、何とか倒します。手負いといえど油断はしないで下さい。無理をせずに時間を稼いでくれれば、片付き次第に私が倒します」


「よかろう。だが、たまにはわらわ達が先に倒してみせよう! ゲイル達もよいな?」


 コレットちゃんの言葉にゲイルさん達もやる気になっているみたいです。


「たまには俺も大物を倒した実績が欲しいから、倒してみせるぜ!」


「その為にもコレットがしっかりと弱らせてくれないと時間が掛かって、シアちゃんに負けちゃうから、コレットの魔法に期待しているわよ?」


「私も微力ながら頑張りますので、倒しましょうね!」


 どこまで力になれるか分かりませんが、もしも私が活躍ができたら、シアに褒めてもらいましょう! 


「そういう事だから、お主は片方だけを相手にしておれば良いのじゃ。早く終わってしまったら、エルナの援護でもしてるんじゃな」


「状況に寄りますが、エルナに対して脅威と判断しなければ、手を出すのを控えます」


「よし! シアからの言質は取ったから、お前達も頑張るのじゃぞ!」


 作戦が決まると、コレットちゃんは声を掛けてから、魔法の集中を始めました。

 あちらの魔物は、シアの作った壁を破壊しながら、こちらを向いていますが、歩行に邪魔な間隔で沢山出されているので、苦労しているみたいです。

 コレットちゃんが魔法を放つと戦闘再開です。

 私も頑張って、戦いに貢献したいと思います!


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