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Eighth Doll  作者: セリカ
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散財をして希望を得る


「それじゃ、夕方頃にエリックのお店に戻ってきてね」


「はい、わかりました!」


「ゲイルも来るから、改めて話をするわ。エリックは別れ際にエルナちゃん達が戻って来たら、御馳走をすると言っていたから、楽しみにしていてね!」


「お昼の食事も美味しかったので、とても期待しています!」


「じゃあねー」


 シャーリーさんは、そう言うとエリックさんのお店に戻って行きました。

 いつもはエリックさんのお店で、昼間から飲みながら、滞在しているのがここ最近の日課になっているそうです。

 昼間から飲んで酔っているのは、駄目な人とアリサさんに指摘されていましたが、私としては地下迷宮で、話していた時と違って更に親しみやすいと思いました。

 町の案内の方は冒険者組合に向かう途中で、色々と教えてもらったので多分ですが、大丈夫です。

 私が覚えていなくても、シアが全て記憶していると思いますので、問題はありません。

 シアは、一度通った道はすぐに覚えてしまうので、とても頼りになります。

 それで、最初に向かったのは、服屋さんというか防具の類が売っているお店です。

 女性の冒険者の方が利用しているお店があるとシャーリーさんに教えてもらっていたので、まずは身嗜みを整えたいと思います。

 いま着ている服は、シャーリーさんが私達に似合うと思って買って来てもらった物ですが、私も気にいっていますので、私服用はこれで良いかと思います。

 お店の前に来ると看板に男性お断りの文字が入っています。

 女性専用のお店みたいですが、冒険者の方は男性が多いので、これで商売が成り立つのでしょうか?

 ゲイルさん達のメンバーの比率は男女2人づつでしたが、ここに来るまでに見かけた方達の男女比率は男性の方が高かったと思います。

 私の国でも女性の騎士は少なめです。

 大抵は王女様などの親衛隊に所属している人が多かったと記憶しています。

 私が通っていた学園でも少なかったので、私が混ざって練習に来ると男の子達は嬉しそうでした。

 そんな事を考えながら、お店の扉を開けると店内は女性向けの洋服ばかりが展示してあります。

 中にはお洒落な服から、可愛い物もあります。

 室内の一角の方に軽装の鎧もありますので、ここは女性向けの衣類全般の販売をしているみたいです。

 店内の様子はというと数人のお客さんが一般の服を物色しています。

 私達の目的は、軽装で戦闘に向いている物ですから、あちらですね。

 来たのはいいのですが、私にはどういった物が良いのでしょうか?

 特にシアは、肉弾戦を重視していますから、動きやすい服装が良いと思います。

 色々と見ていますが……違いが分りません。

 私が迷っているとお店の従業員のお姉さんが親切に話しかけてくれましたので、私とシアに適している服装を見繕ってもらうことにしました。

 私の方は、軽くて女性の剣士の方が最も選ばれる品物にしました。

 お値段も手頃で、店員さんのお勧めです。

 シアの方は、動きやすく丈夫で伸縮性に優れた魔法の付与がしてある服装です。

 武器を使わない体術を得意とする方が選ばれる物らしいです。

 その中でも、シアに似合う可愛らしい物を選びましたが、こちらはちょっと値段が張りました。

 先ほど、アリサさんから頂いたお金は全部で、10000ギルもありました。

 通過の単位は、この大陸で統一されていますので、どこの国でも使えます。

 貨幣の方は、小さめの銅貨1枚が1ギル。

 少し大きめの銀貨1枚が100ギル。

 更に大きめの金貨1枚が1000ギルとなっています。

 貰った貨幣は、金貨が9枚と残りは銀貨と銅貨を混ぜてありました。

 そこに私達が最初に持っていた銀貨と銅貨を足して、全財産は10600ギルほどです。

 私の方はお値打ちでしたが、メインで戦闘をするシアの衣服の方は予算の範囲内と言う条件を提示した結果、魔法の付与がしてある装備一式を進められて購入いたしました。

 元はシアが稼いだものなので、気にしないことにしましたが、早くも残りの資産が900ギルほどになってしまいました。

 デザインの方を妥協すれば、シアの服はもう少し安い物があったのですが……シアに試着してもらったら、とても似合っていたので、迷わずに決めてしまったのです。

 学園の男子の誰かが可愛いは正義と言っていましたが、あれは正しい言葉です。

 買い物を終えてお店を出る時に従業員のお姉さんは、「次も可愛い衣装を用意して置くのでまた来て下さいね」と、言ってくれました。

 次に来る時までお金をしっかりと貯めておくという目標が出来てしまいました。

 シアが、まだあの魔核の力を吸収せずに持っているので、資金的には大丈夫かと思いますが、シアに頼ってばかりになるのは申し訳ないので、次は私の稼いだお金で買いたいと思います。

 他にも並んでいた可愛い洋服も魅力的でしたから、余裕ができたら買いたいと思います。

 それから、しばらく町を散策しながら歩いていましたが、飲み物などを買っていたら、意外とお金が減って行きます。

 考えてみたら、今晩の宿代が必要なので、これ以上は使うのはまずいですよね?

 それに私は宿代の相場も知らないのですから、一泊はいくらするのでしょうか?

 これは、まず宿がある場所に行って、宿泊費がいくらなのかを調べないといけません。

 初めても町での買い物でついつい使ってしまいましたが、次回からはもう少し計画的に使って行きましょう。

 通行人の人に聞きながら、宿がある場所に向かっていると見覚えのある幼女が歩いています。

 実年齢298歳なのですが、どう見ても10歳ぐらいにしか見えないコレットちゃんです。

 確かエルフという種族なのですが、あの姿を保てるのですから、私はエルフという種族に大いに興味が湧いてきました。

 コレットちゃんの姿が普通なのでしたら、私はエルフの国で暮らしたいです!

 そうすれば、私は可愛い子に囲まれて暮らせるのですから、それはとても幸せな生活が送れるのでは……。

 考えただけで、理想的な世界です。

 私が幸せな妄想をしていると誰かが私を呼んでいます。

 私の楽しい妄想を邪魔するなんて、馬に蹴られてしまいますよ?


「おい、エルナ! 返事をせんか!」


 誰なのかと現実に戻るとそれはコレットちゃんでした。

 そういえば、前からコレットちゃんが歩いて来たのを忘れていました。


「コレットちゃん、こんにちは!」


「やっと反応したか……何度呼んでも返事がないから、危ない薬か幻術にでも掛かっているのかと思ったぞ」


 私は考え事をすると自分の世界に入ってしまう癖があるので、昔からよく注意されていました。

 幻術はともかく危ない薬なんてあるのでしょうか?

 私は薬学には詳しくないのですが、学園で毒を含んだ草木や果実などがあると教えられた気がしますが、残念なことに頭に入っていません。

 それに美味しそうな果実はともかく、野菜の類はシアが食べるように勧めてくる物しか口にしません。

 以前にシアがくれた果実に似ている物をシアに聞かずに食べてしまいお腹を壊して、シアにすごく不味い薬を治るまで飲まされた経験もありますので、森で得られる物はシアが食べても良いと判断した物しか口にしないことにしています。

 あの時は、酷い腹痛と下痢になってしまったので、とても酷い目に遭いました。

 あれは永遠に忘れたい私の記憶です……。

 唯一の救いがシアが介護してくれた事なのですが……私の全てを見られてしまいましたが、愛が深まったと思うことにしています。

 今は、それよりもコレットちゃんと話をしないと、また注意されてしまいますので、話をしましょう。


「ちょっと考え事をしていたので、済みません」


「うむ、まあ良いが。往来の真ん中では迷惑になるので、こっちに来るのじゃ」


 コレットちゃんに促されて脇道の方に着いて行きました。

 確かに道の真ん中で立ち止まっているのは迷惑ですからね。


「それで、お前達はいつこの町に来たのじゃ?」


「お昼前ぐらいです。少し前まではシャーリーさんに町を案内してもらって、冒険者組合の方で登録をしました」


「ふむ、それでお前達は組合に登録したのじゃったら、誰かと組んだりするのか?」


「シャーリーさんから、お誘いを受けていますので、今後は一緒に行動する予定です。なので、コレットちゃんとも一緒ですよ!」


「そかそか、ならば良しとするのじゃ。お前達を他の奴らに取られるのは避けたいからの。それで今はどこに行く所じゃったのじゃ?」


「今晩の宿を確保したいと思っていたのですが、コレットちゃんは宿代がいくらか知っていますか?」


「通常の宿なら、1人40ギルぐらいじゃ。ただ眠るだけなら安いところで10ギルぐらいでもあるが快適とは言えんだろう。高いところだともっと高いが手持ちはあるのか?」


「取り合えずは、760ギルほど残っています。食事代も考えると数日で無くなってしまいます」

 

 途中で美味しそうなお菓子や飲み物なども買っていましたので更に減っています。


「ふむ……それなら、わらわの家に来るが良い」


「コレットちゃんは、お家があるのですか?」


「前にも話したが、王家のコネもあったので、研究を兼ねた家を1軒持っておるぞ」


 幼女の家に泊めてもらえるなんて素晴らしいことです!

 後は、他に誰か住んでいるかです。


「その家には他に誰か一緒に住んでいるのですか?」


「わらわ1人だけじゃ」


「それは、好都合です! それでしたら、是非とも泊めて下さい!」


 これはチャンスです!

 地下迷宮では実現しませんでしたが、コレットちゃんの自宅なのですから、一緒にお風呂に入ることが可能なはずです!

 シアとコレットちゃんを両手に浸かる湯はきっと最高な気分になれると確信しています!

 私が勢いよくお願いするとコレットちゃんはちょっと驚いていますがどうしたのでしょうか?

 また私の顔に何か欲望じみた表情でも浮かんでいたのでしょうか?


「何が好都合なのかは知らんが、代わりに条件があるぞ?」


「それは何ですか?」


 着替えの手伝いから、背中を流すことでしたら、毎日させてもらいます!


「まずは、食事の支度と掃除をしてもらおうか。わらわは普段は自分の書斎に籠っているので、室内は放置をしておるからの」


 食事の支度と掃除でした……とても残念と思いましたが食事に関しては、メイドのみんなから、色々と教えてもらったので、ちょっとしたものでしたら、作れます。

 掃除や洗濯に関しても、シアとの2人だけの甘い生活のお蔭で習得済みです。

 恋人の衣服を洗うのは私の趣味なので、むしろ大好きです。

 食事に関しては、まずはコレットちゃんのお家に何が残っているかですね?

 何も無いとしばらくはシアが在庫として持っている味付けをしたお肉を焼くことしかできません。

 掃除に関しては家にあるものは全て掃除してあげますので、当然ですがコレットちゃんも綺麗にして……。

 考えただけで、私には得しかない条件なので、受けるしかありません!

 いきなり欲望丸出しなのは危険視されてしまうので、無難に答えておきましょう。


「そのぐらいでしたら、できますので任せて下さい! 食事の方も凝ったものでなければ作れますので安心して下さい」


「そうか。ならば、このままわらわについてくるのじゃ」


「はい、着いて行きますね!」


「じゃが、その前にその口元から垂れている物を拭いておくのじゃ。お主が何を考えているのか分らんが、もう少し女性らしくした方が良いぞ?」


 コレットちゃんに言われて口元を拭うと涎が垂れていたようです。

 もう1人幼女が手に入ると考えただけで、私の体が素直に反応してしまったようです。

 気を付けないと過去にこれで下級生に避けられた経験がありますので、気を付けたいと思います。

 ですが、この様な誘いを受けてしまったら、誰だってこうなってしまうと思うのは私だけなのでしょうか?

 コレットちゃんは何故か呆れた感じで、先に行ってしまったので、慌てて追いかけることにします。

 これで、宿の事は考えなくてもよくなったので、とても助かります!


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