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Eighth Doll  作者: セリカ
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年齢疑惑


「おい、コレット。俺達の命の恩人に対して、ちょっと配慮がかけていると思うぞ?」


「そうよ、こんなに可愛くて強い子に失礼よ」


「コレットさんの探究心は分かりますが、恩人に対して失礼かと思います」


 ゲイルさん達も私と同意見のようで、コレットちゃんを叱っています。


「すまんかったのじゃ……久しぶりに本物の古代遺産かと思ったので……悪かったのじゃ……」


 みんなに責められて、コレットちゃんも謝っていますので、今回は許します。

 だけど、次にシアを物扱いをしたら、お尻叩きの刑にしますからね!


「今回は許します。シアを道具扱いみたいな発言は禁止ですからね?」


「わかったのじゃ。それなら、シアにわらわ達とも話をするように頼んでくれんか? いつも無視されておるのはちょっとな……」


「確かに無口過ぎるのは疑われても仕方がありませんね。シアにお願いがあるのですが、ゲイルさん達とも普通に会話をするようにしてくれますか?」


 私が、お願いをすると……。


「わかりました。『個体名』ゲイル、シャーリー、コレット、エリックとは、通常の会話をすることにします」


 シアが了承してくれましたが、また個体名と言っています。


「これで、会話ができるな。おい、シア。そなたは古代人の遺産の事を知っているか?」


 会話ができると思ったら、コレットちゃんが早速シアに質問をしています。

 ですが、シアは記憶が欠落しているから、無理かと思います。


「古代人の遺産など知りません」


「……その遺産かもしれない存在だから、遺産とは思っていないのか……ならば、『イシュトゥール人』のことなら、どうじゃ?」


 コレットちゃんが『イシュトゥール人』のことを聞いています!

 確かシアが私にその反応があると言っていましたよね?


「私の『登録者』になる資格を有する血族です」


「間違いない……シアは、特殊な上位個体じゃ。そして、シアの登録者がエルナだとすれば……エルナ、お主は王族か?」


 いきなり私が王族なのかと質問されましたが、私の家は貴族と言っても一応は伯爵家と言えば聞こえはいいのですが……ギリギリと言うか貧乏貴族の部類です。

 特別に裕福な訳ではありませんから、私は資産のある家に嫁入りさせられるところでした。

 お母様は私が死んだと思って、未来の収入源が減ったと思っているぐらいかと思います。

 あの家では大事にされているのは、うざくて優秀な姉と跡取りの素直な弟だけです。

 そんな私が王族な訳がありません。

 それに……私は、死んだことにしているので、ただの庶民になったエルナさんです。

 もう少し剣の腕が上達して冒険者としての実力がそこそこになりましたら、シアと新婚旅行……ではなくて、気ままな旅をする予定なのです。

 コレットちゃんが言った事も気になりますが、取り敢えず私はその辺の可愛い少女で通しましょう!


「私は、どこにでもいる可愛らしい少女ですよ? 王族なんて無関係ですけど、それが何か関係するのですか?」


「そうか。では、シアに聞きたいのじゃが、エルナはお前の『登録者』なんじゃな?」


「エルナは私の『登録者』です。私の最優先保護対象であり、私の『適合者』です」


 また違う単語が出てきましたが、適合者とは何なのでしょうか?

 私としては、体の相性がいいパートナーという意味と思います!


「ふむふむ……エルナ、お主はイシュトゥール人の末裔のようじゃな」


「シアにも言われたことがありましたが、イシュトゥール人とはなんですか?」


「学園などに通っておれば、歴史の授業で習うのじゃ。説明するとイシュトゥール人とは、古代人もしくは、天空人のことじゃ。血筋を受け継ぐ者は魔道船のコアに干渉ができたり、天空の遺跡にも関渉することもできる。先ほど述べた魔人形を使役するにはある程度の適性さえ有ればよいのじゃが、強力な物は古代人の血筋が濃くなければ従えることはできん。古くからの貴族の者達は古代人の血を引いていると思うが、特殊な上位個体は古代人の最高峰といえる存在なので、血の濃い者か王族にしか従わないはずなのじゃ。なのでその血を薄めない為に血筋の濃い家同士で婚姻をするのが決まりとなっておると聞いておる」


「そうだったのですか?」


 学園には通っていましたが……歴史の授業は、お昼寝かサボって剣術の指導の方に行ってました。

 あの先生の授業を聞いているととても眠くなってしまうので、声に魔法でも籠められているのかと思っています。

 何にしても、このまま庶民の娘として通さないと、私が勉強をサボっていたのが知られてしまうので内緒にしておきましょう。

 そして……もしも私の姉が先にシアと遭遇をしていたら、恋人を取られてしまう所でした!

 姉の方が私よりも適性が高いと言っていましたので、将来を期待されています。

 でも、コレットちゃんの話では、私には適性がないのですから、恋人になれないはずです?

 王都に連れて行かれた時の適性検査でも才能がないと判断されていますので、血が濃いなんてことは絶対にありえないと思います。

 それが本当でしたら私の家はもっと裕福なはずですし、私の言い分が通る筈です。

 しかも私は王族でもないのですからね。


「わらわが、かつて王宮に勤めておった時に王子の側に常に控えている娘がいた。見た目は大人しい感じのする娘じゃったが、普通の人にしか見えなかった。しかし、森での狩りの時にワイパーンの群れに遭遇したのじゃが、その娘が1人で全てを倒してしまった。普通なら、護衛の者達の被害は甚大と思われたが誰一人死なずに済んだ。その時にその娘が古代人の遺産である特殊な上位個体と知ったのじゃ。その後、詳しく調べたが……王家の秘密ということで詳しい事は知ることができなかったのじゃが、あの娘は代々王族に受け継がれているとだけはわかったのじゃ」


「コレットちゃんはお城に勤めていたのですか? しかも王子様の近くにいるなんて、その王子様も幼女が好きだったんですね?」


 ゲイルさん達は南側の冒険者ですから、バートランド王国と思います。

 そこの王子様と私は気が合うかもしれません。


「たわけ! わらわは、王子の魔法の講師として呼ばれておったのじゃ! その王子も今は立派な王になっておるし有力な公爵家の婚約者もおったから、既に立派な跡継ぎも育てておるわ!」


「コレット、お前は王様の講師なんてやっていたのか……それがなんで冒険者なんてやっているんだ? お城勤めの方が安定した収入があるだろうに……」


 ゲイルさん達もコレットちゃんのことは知らなかったみたいで驚いています。

 代表して、ゲイルさんが質問しましたが、シャーリーさんとエリックさんも同じことが言いたそうでしたね。


「あの娘に出会ってから、古代人のことを詳しく調べたくなったので暇を貰ったんじゃ。どうしても知ることができなかったのじゃが、あの娘の本当の真価は別にあるらしい。仕方がないので、それを知る為にも古代人の遺跡を自分の足で調べるしかないだけじゃ」


「今の話は、王様が王子だった頃の話だよな? すると……コレットの年齢は最低でも……」


 ゲイルさんは、コレットちゃんの年齢が気になるみたいです。


「わらわの年齢など、どうでもいいじゃろう!」


「そうですよ。コレットちゃんはおませな幼女なのですから、歳なんて関係ありませんよね?」


 見た目が可愛ければこの際年齢はいくつでもよいと思います。

 なのでコレットちゃんは10歳のおませな可愛い幼女で決まりです!


「だから、コレットちゃんなどと言うでない! エルナ、お主に対しては目上の者に対する礼儀をしっかりと教えねばならんの!」


 私に対してだけは、どうしても年上ぶりたいようです。

 でしたら、本当の年齢が分れば私も少しは年上に対する態度で接します。

 コレットちゃんが本当のことを言ってくれなくても、私にはシアがいるので確認ができるのです!


「でしたら、コレットちゃんの本当の年齢がわかったら、目上の人として接します」


「ふん! どうやって調べるつもりじゃ?」


「そんなの簡単です。シア、コレットちゃんを調べて下さい」


 私がシアにお願いするとシアがコレットちゃんの頭の上に手を置いて掴んでいます。


「これ! なにをするのじゃ!」


「解析完了。『個体名』コレットの年齢は298歳。種族は上位エルフのハイ・エルフ。魔力総量は……」


 コレットちゃんが慌てて手を払いのけて、距離を取っています。

 本当に200歳以上でした……そして、もう少しで300歳になりますね。

 約束しましたので、ちゃん付けは止めたいと思います。

 こんなに可愛い幼女を目上の方として呼ばなくてはいけないなんて……。


「まさか、頭を掴まれただけで、わらわの個人情報を読み取るとは……上位個体には、そんな能力もあったのか……」


 いつもはシアが私の体調管理の為に体のどこかに触れて調べてくれるのです。

 シアには、触れた対象の情報を読み取る力があるそうなので、一度戦った魔物に関しても、どんな能力があるのかを教えてくれます。

 なので、私が戦っても良いと判断した魔物以外は、シアが先に倒してしまいます。

 特に猛毒などを有している魔物は危険だし、私には手に余る相手に関しては警告をしてくれます。

 とても助かるのですが、私の体調管理もしてくれているので、食事が偏らないように果物や野菜などを多めに摂取するように勧めてきます。

 シアと暮らすようになってからは、お肉がメインになってしまったので、どうしても栄養が偏りがちになっているそうです。

 なので、健康の為とはいえ、シアが取って来てくれた食べられる野菜というか草みたいな物も食べていますが……一緒に料理をするかゲイルさん達から手に入る調味料の類がないと不味いのです。

 そんな事もありましたので、シアが触れば相手の情報が分るのでとても便利なのです!


「私も約束をしましたので、これからはコレットちゃんではなく。コレットお婆様と呼ぶことにします。とても残念なのですが……」


「わらわをお婆様と呼ぶな!」


「ですが、約束なのですから、目上の人として対応しないといけないのですよね?」


 私がそう言うとゲイルさん達も……


「確かにそうだな。俺もこれからはコレット婆さんと呼ぶべきか……」


「私は、おばあちゃんと呼んであげるわ!」


「私は、エルナさんと同じく、コレットお婆様と呼ぶべきなのでしょうか?」


 コレットちゃんのことを全員が、お婆さん扱いになってしまいました。

 シアだけは何も言っていませんが、私がお願いすれば同じように呼ぶことになります。


「だれが婆さんじゃ! これなら、ちゃん付けの方がはるかにましじゃ!」


「では、コレットちゃんと呼んでも怒らないですか?」


「もう好きにするがよい! お前達もいつも通りに名前で呼ぶのじゃ!」


 そのままコレットちゃんは拗ねてそっぽを向いてしまいましたが 皆さんは笑っています。

 何か大事な話をしていたのですが、もうどうでもよくなってしまったようです。

 シアが私に食事の時間と教えてくれましたので、取り敢えずは皆さんとお食事にしたいと思います。

 下準備はしてありますので、いつでも調理はできます。

 お肉を手頃なサイズに切って串に刺してあるだけなので、焼くだけです。

 シアが入り口を塞いでありますので、ここで食事にしましょう!


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