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Eighth Doll  作者: セリカ
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現在地


 着替えを終えてから、私に掛けられていたシーツを下に敷いて座ると、シアも私の正面に同じように座りました。

 私の行動を真似ているのでしょうか?

 私の正面に座ったシアは私の目をじっと見つめています……このまま見つめ合って恋人のように口づけを交わす流れなのでしょうか?

 しばらく見つめ合っていましたが、何も変化がありません。

 それどころか私の妄想が膨らむばかりで、こちらが照れてしまいます。

 何か話をしないと間が持ちません……どんな話題をと考えていましたが、まずはここがどこなのか聞きましょう。

 あの森にこんな遺跡があったなんて話は聞いたことがありません。

 樹海の森の中にでしたら存在するかもしれませんが、強い魔物が存在しますので探索をするにはそれなりの実力が必要です。

 それほど日数は経っていませんが、どちらの方角に向かっていたのかも分かりません。

 何にしてもシアに聞いてみるしかありませんが、シアが知っているのでしたらなのですが……。


「落ち着いた所でシアに改めて聞きたいのですが、ここはどこなのでしょうか? 遺跡というのか廃墟とも思えますのですが……」


「私に記録されている情報によれば、かつて『アズラエルガード』と呼ばれた都市です。地理的にはこの大陸の中央から少し北東寄りに位置します」


「どこかで聞いたことがある都市の名前です……そうです! 歴史で習った古代都市の1つです! ですが私が住んでいた場所は、この大陸の東に位置する『ミッドウェール王国』なのですが、私達が向かっていた目的地は王国の南寄り辺りです。まったく逆方向になりますので、洞窟を数日歩いただけでは着くはずがありませんよ?」


「あの迷宮は、かつてこの大陸の全土に繋がっていた地下通路なのですが、地脈の変動で殆どの通路が遮断されています。エルナは気が付かなかったと思いますが、途中で転移ゲートを潜っています」


「この大陸にそんな便利な物があったなんて……私は初めて知りましたが、これは大発見なのではないのですか!?」


「長距離移動の転移ゲートの認証を得るには私と同じ自動認証アクセス権限が必要です。その権限を所持していないと使えませんので、ただの地下通路としか使えません。さらに現在は通路の要所が寸断されているので、この通路を使用して大陸全土の他の場所に行くのはほぼ不可能です」


 認証の権限というのが分かりませんが、シアにはその資格があるという解釈でよいのですよね?

 それでしたら、シアと一緒に行動をすれば壊れていない場所からでしたら、他の国にも行けることになります!

 それだけでもすごいことです!

 同盟を結んでいる国同士でしたら、魔道船の定期便などもあるので空の旅も快適かと思いますが、この地下の通路を使うことでも地上を進むよりは早く目的地に着けることになります。

 ただ……魔物が住み着いていますから、それなりの実力がないと駄目かと思います。

 私はともかく本職の護衛の方達が苦戦するような魔物が徘徊していますので、かなりの実力が必要かと思います。

 私にはシアがいて地下通路の魔物はシアが全て倒してしまうので問題はありません。私も少しぐらいは手伝おうとしたのですが、強くなさそうな相手の攻撃を防ぐのが精一杯でした。

 それどころか、見たこともない魔物もいたのです。たまにシアも少しだけ苦戦をするような魔物が居た時には私は隠れているだけで何もできませんでした。

 そうなると、私の国からはあの地面の裂け目が入り口ということになるのですから、普段から使うのは難しいですね。


「でもシアが居れば使えるので、他にも行ける場所はあるのですよね?」


「現在までに私に確認が出来ている使用可能な転移ゲートは二ヶ所だけです。エルナが居た東へ通じるゲートと南に行けるゲートのみです。その先の細かい分岐路については完全に確認が出来ていません。私に修復が可能でしたら、使用可能になります」


「でしたら、シアが直せるところは行動範囲が広がるので使いやすくなりそうですね!」


 そのゲートをシアが直せるのでしたら、この大陸の移動手段が広がるのでとても良いことだと思います。

 いまのところはこのような移動手段は聞いたことがないので、他に誰かが使っているとは思いませんが、普通に各地で独立した洞窟かダンジョンと思われていると思います。

 

「修復可能な物は直すことはできます。損傷度によっては材料が必要になります」


「そうなのですか。その材料というのは簡単に手に入る物なのでしょうか?」


「現状では不可能です。最低限の修復する為の材料として魔法金属の『ミスリル』は確実に必要です」


「確かお父様が持っていた剣がミスリルで作られた物と聞きました。とても高価な物と聞いていますので簡単には手に入りませんね……」


「地下通路のどこかにある補修部材の倉庫を見つけ出すか、浮遊島の施設に行けば手に入ります」


 地下に隠された部屋があるのは分かりましたが……多分ですが、それは探索者の方達がもう見つけていると思いますので、手に入らないと思います。

 私の国にもダンジョンが存在していますが、たまに財宝のみの部屋があると聞いたことがありますので、冒険者の方達は競って探索していると聞きます。

 それと浮遊島のことを知っているのですから、やはりシアは天空人なのでしょうか?

 施設と言いましたが、それは古代文明の遺産なのでしょう。

 これはシアと一緒に居れば私も浮遊島にいずれ行けるかも知れませんね。


「あの洞窟の通路のどこかにあるとしたら、それはもう発見をされていると思います。冒険者の方達が探索して見つけたと聞いていますし、未発見のダンジョンを見つけると国の探索部隊も潜ったりしていますので、それは国の財とされています」


「それでしたら、浮遊島に行くしかありません。現在の私には行く方法がありません。ですがエルナがどうしてもゲートを直したいのであれば、私の休眠装置を解体すればミスリルは手に入りますが、どうしますか?」


「あの綺麗な液体の入った棺ですか? ですが、シアの大事な物なのではないのですか?」


「現在は私の生体情報の管理と失われた情報が復旧するかもしれないので使っています。必ず必要な物ではありません」


 あれはシアの体調を管理したりする物らしいみたいですね?

 それでしたら、シアには常に万全でいて欲しいので壊すなんてことはできません。

 別に無理をして他の国に行きたい訳ではありませんので、今の所は不要です。


「シアの体調管理をするものみたいですから、壊したりするのは止めましょう。いずれシアと一緒に旅がしたいのですが、時間を掛けて歩くのもきっと楽しいはずです!」


「わかりました。エルナの指示に従います。どこかに旅立つのでしたら、休眠装置も持っていきたいので私のストレージ空間を増やす必要があります。能力配分を考えるとしばらくは魔核の力を回収するのが、良いかと判断します」


 あの綺麗な棺のようなベットも持っていきたいみたいです。

 そして、あの便利な空間を増やしたいとのことですが、容量を増やすには魔物を狩らなければいけないみたいです。

 能力配分と聞こえましたが、何を配分をするのでしょうか?

 シアは十分に強いと思いますが、守ってもらっている身としては、シアの判断にお任せしましょう!

 このような状況ですが、しばらくはシアと2人っきりで生活ができますので楽しみなのです!

 もしも、無事にお爺様の屋敷に着いても反省する為に大人しくしているだけでしたし……。

 私達を守って亡くなってしまった護衛の方達には申し訳ありませんが……助かったのですから、第二の人生を歩ませてもらいます!

 決して貴族の義務から解放されたかったからではありませんが、私は自由に生きたかったのです。

 当面はシアに頼ることになりますが、自力で生きていける力を付けたいと思います。

 最初の課題は食料調達になると思いますが……簡単な物でしたら私にも作ることはできます……趣味のお菓子だけですが……。

 ここにそんな材料があるわけがないので、まずは果実以外の食料の確保が目標になりますね。


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