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Eighth Doll  作者: セリカ
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過去の姿


「さっきから、遭遇しては襲ってくるこいつはなんなんだ? 倒せないことはないが戦闘型の魔人形に似ているだけで動きが不自然すぎるな」


 戦闘を終えてゲイルさんが声に出しています。

 私が目覚めたので、早速移動を開始したのです。

 扉らしき場所をシアに開けてもらおうとしたのですが、シアが言うには「開閉機能が死んでいます」とのことです。

 他にもいくつかあったのですが、全て同じ結果でした。

 それで、シアが端末と言うものから手に入れた情報から重要施設に繋がっている扉を蹴り飛ばして先に進もうとすると突然警告音が発せられたのです。

 すると通路に魔人形のような物が現れて私達を襲ってきたのです。

 不自然な動きをするので、最初は戸惑いましたが私でも十分に対応可能でした。

 強さの方は戦闘型の魔人形よりも弱めです。

 気になることと言えば、斬り付けて倒すと内部構造が部品の塊でした。

 倒したことはないのですが、私が知っている魔人形の中身は特殊な金属の塊だと聞いています。


「この施設のガーディアンです。先ほど破壊した扉は意図的に封鎖された物らしく防衛機能が再起動したようです」


 シアが説明をしてくれました。

 それって、まずいことなのではないのでしょうか?


「わらわが知っている浮遊島にはそんな物などなかったと思うのじゃが……」


 私は一度も浮遊島には行ったことがないのですが、コレットちゃんは行ったことがあるみたいです。

 流石は三百年近く生きているのですから、経験豊富ですね。


「コレットが知っている浮遊島は、研究目的の為に作られたものではないからと判断します。恐らくは居住目的の為の浮遊島と判断します」


「浮遊島に種類などあったのか?」


「あります。説明をしても良いのですが、まずはこのエリアとは別のエリアに移動することを推奨します」


 シアがそう告げると同時に背後に回し蹴りをするとガーディアンが蹴り飛ばされて破壊されます。

 私は気付けなかったのですが、このガーディアンは音もさせずに天井から襲ってきたのです。

 

「残っているガーディアンが何体いるのか分かりませんが、生物と違い区画と一体化しているタイプはエルナ達には気付きにくいので危険です」


 要するに壁と一体化していると言うことでしょうか?

 いま倒したのがそうみたいですが、私には気配みたいなものが直前まで分かりませんでした。

 反応が遅れていれば、倒せる相手でも危険な存在です。


「シアちゃんは、さっきの端末と言うのから地図は確認できたのよね?」


 静かになった所でシャーリーさんがシアに問いかけています。


「このエリアのみです。私にはここの端末の細部までアクセスする権限がありません」


「じゃ、どこに向かうつもりだったのかしら?」


「少し移動すれば、次の区画は研究施設になっています。そこでそのカードキーを使うことができれば恐らくですが、上位の権限が得られると予測します」


 そう告げてコレットちゃんの首に掛けてあるカードを指さしています。

 

「その上位権限とやらがあれば、こいつらも止められるのか?」


 コレットちゃんがカードを掴んでシアに聞いています。


「わかりません。そのカードキーの所持者のランク次第かと思います」


「ライラが持っていたのじゃ。その第二十九施設の一番偉い奴だと良いのじゃがな」


 取り敢えずは、立ち止まって話していると定期的にガーディアンが近づいて来るので移動することにしました。

 本来なら、もっと数がいるらしいそうですがそれは昔のことです。

 現在は機能しているガーディアンが少ないのでたまに襲われる程度になっているみたいです。

 進んで行く通路の壁をよく見ればかなり昔に朽ち果てたガーディアンの残骸を確認できます。

 通路の明かりがない場所もあるので、そこにはガーディアンがめり込んでいる通路もありました。

 時折襲ってくるガーディアンを排除しつつ進むと雰囲気が変わったのか、もう少し明るめの場所に出ました。

 少し広い空間なのですが、目の前に大きなゴーレムのような塊が鎮座しています。

 シアに通路の端を通って向こうに見える通路に向かうと言われたので、言われた通りに歩いていたのですが……コレットちゃんが何かに躓いてこけてしまったのです。

 そして、警報音がなったと思うと向かう先の通路と私達が来た方向の通路が塞がれてしまいました!?


「コレットが防衛型のガーディアンの感知範囲に入りました。起動する前に扉を破壊して進みます」


 シアの言葉を聞いて私達は全力で扉の方に走り出しました。

 いつも相手を排除するシアが倒すことよりも進むことを告げるので、みんなはあれが危険な相手だと判断したのです。

 扉の前に着くとシアが扉を蹴り飛ばしているのですが、破壊されずにへこむだけです!?

 更に打撃を加えているのですが、シアに破壊ができないのです。

 扉の横にシアが手を翳すと知らない文字が映し出されるとシアが動き出した防衛型のガーディアンと言う物に向き直りました。

 

「この先の区画の扉は何重にも隔壁が閉じている為に破壊するには時間を要します。この扉の開閉キーはあのガーディアンと連動しているので開けるには上位アクセス権で停止させるか物理的に機能を停止させる必要があります」


「要するにあれを倒さないといけないんだな? コレットの所為で余計なことが増えたな……」


 ゲイルさんが呟きながら剣を構えました。

 

「ちゃんと掃除がされてないからじゃ! あんな所に変な棒が転がっているのが悪いのじゃ!」


「コレット以外は、ちゃんと躱していたぞ。足元をちゃんと見ていないか、足が短いだけだろう……」


「足元の確認に関しては悪いとは思うが、身体的な特徴は差別なのじゃ!」


「昔から、それで何度逃げ回ったのか忘れたのかよ……身体的なことは言い過ぎたが足元ぐらいは確認してくれよな」


「それを言われると反論ができんのじゃが、いまはアレを倒すのじゃ!」


 二人が言い合っている内に動き出したガーディアンがこちらに向かってきます。

 立ち上がると天井いっぱいの大きさです。

 他には通路で遭遇したガーディアンも複数現れてこちらを囲むように接近してきます。

 更に大きなガーディアンの体からいくつもの部品が離れると浮遊しています。


「あの飛んでるのは何なのでしょうか?」


 気になったのでシアに聞いてみました。


「分離型の浮遊砲台のようです。エルナ達は射程範囲に入らないように距離を取ってください。ゲイル達は近づくガーディアンの排除をしつつここを死守してください」


 私の質問に答えるとシアが大きなガーディアンに突っ込んでいきます。

 すると、浮いている浮遊砲台から光熱のような物が放出されて地面を削っています!?

 シアは予測したような動きで躱していますが、もしも命中してしまったらあれは防げるのでしょうか?

 あれに私達が触れでもしたら、致命傷は免れないと思います。

 シアのことも気になるのですが、私達の方にも群がってくるので自分達の対処でいっぱいです。

 そうこうしている内に自分達が対処していたガーディアンを全て倒すと通路の扉が開いていきます。

 よく見るとその先の通路には何十もの扉があったようで、順番に開いていきました。

 そして、背後にはいつの間にかシアが立っています。


「ガーディアンの処理は終わりました。施錠信号の発信が停止したので進むことが可能です」


 シアが対峙していたガーディアンの方を見ると見る影もないほどに破壊されています。

 大きくて強そうだったのですが、いまは瓦礫も同然です。

 あんな攻撃をしてくるのですから、シアの安否がとても心配でした。

 ですが、私の心配よりもシアの戦闘能力の方が強すぎるみたいです。

 そして、先に進むシアの後を付いて行くといくつかの扉があるような通路になりました。

 シアが扉の横に手を翳して確認をしていくと一つの扉が開きました。

 中に入ると少し広めの部屋です。

 シアが室内の壁に手を翳すと知らない文字が浮かび上がり室内が明るくなりました。

 周りを見渡せば散らかってはいますが、少し片づければ休息が可能のようです。


「ここだけは機能が辛うじて動かせましたので、休息可能と判断します」


 シアの言葉を聞いてここで休むことにしました。

 地下迷宮を歩いているような感覚でしたが、結構な時間が流れたと思います。

 今の私の空腹度は魔力に比例していますので、正確な感覚が分からないのですが、コレットちゃんとゲイルさんは普通にお腹が減っていたので助かったと言っています。

 シアに聞くと時間的には外は夜になっているそうです。

 それから、室内の座れる場所を確保して食事にすることにしました。

 私達が消費する食材関係は全てシアが持っていますので、私が指示するとシアが言われた物を出してくれます。

 ストレージ・リングの一つに入れておく案もあったのですが、無くしてしまった場合に食糧難に陥る可能性を考慮して確実に確保可能なシアのストレージに入れてもらっています。

 どちらにしても荷物を持たなくていいので恵まれているのには変わりはありません。

 食事を終えて内部を調べると小さな浴室を発見しました!

 おまけにシャワーの施設まであったので、シアに頼んでなんとか使わしてもらいました。

 水に関しては壊れていて繋がっていないので出なかったのですが、シアがいるので問題はありません。

 シアがフィスさんの能力を模倣しているので、温度調節も可能だったのは幸いです。

 フィスさんとの戦闘が無ければ、水の温度調節までは出来なかったので水風呂に入るか頑張って温める必要があります。

 皆さんも順番にさっぱりとしたところで寝ようとしていたのですが、コレットちゃんがシアに頼んで何かの大きな画面を映し出した物を見ています。

 何を見ているのか私も覗いたのですが、どこかの地形が映し出されています。

 見たことのない地形なのですが、どこの国の地形なのでしょうか?

 世界地図のような気がしますが、私が知っている世界地図ではこの大陸以外しか存在しなかったはずです。

 ですが、目の前の地図を見ると大きな大陸とは別に複数の大陸が記載されています。

 もしかすると私が知らないだけで、この大陸以外に多くの大陸が存在しているのかもしれません。

 そして、気になったのは私が知っているこの大陸をした形がどこにも存在していません。

 これはどこの地図なのでしょうか?

 私が質問をするとシアが端末から得られた範囲で答えてくれました。

 この地図は、浮遊島が存在する前のこの世界の全大陸が記載されている地図とのことです。

 詳しく聞くと、古代人が島を浮かせる技術を開発した時に多くの大陸を競うようにして浮かび上がらせたそうです。

 その結果として、世界の地図は大きく変わり海面から低い土地は水没してしまったところもあるそうです。

 そして、現在の世界地図として残っているこの大陸のみがあるのは、過去の大戦で多くの浮遊島が現在の大陸周辺に集結して戦端を開いた結果、殆どが落とされてこの中央の大陸の土地になってしまったためとのことです。

 なので、不自然な地形を調べればここと同じく施設が残っている可能性があるそうです。

 今も上空に浮かせている浮遊島に関しても現在は機能の殆どを停止して、ただ浮いているだけの状態が多いそうなのです。

 一時期は、戦時中に浮遊島の中枢区を破壊して地上に落とすような方法も取られていたそうなのですが、居住可能な土地の消失と地上の被害が甚大なので、その方法は取らないのが現在残っている国の暗黙ルールとなっているようです。

 古代の人達の争いの結果として、地上の土地の大部分が消失してしまったようです。

 しかし、次に表示された地図を見ると私の知っている地図に近いのですが、大きくはありませんが、小さな島のような物が映っています。

 現在の大陸とは別に隔離された人達が住んでいる可能性があるとシアは言っています。

 この記録もかなり古い物なので正しいのか分かりません。

 これを知って私が思ったことは、現在残っている居住可能な土地の所有権を取り合っているだけなのかと思ってしまいました。

 歴史の授業でもこんなことは習っていません。

 ですが、王家の人達は争っていた当事者なのですから、過去の歴史を知っているはずです。

 説明を聞いていたコレットちゃんも初めて聞いたみたいだったようですが、フィスさん辺りに質問をしまくれば答えてくれそうなので帰ったら聞いてみたいと思います。

 当初の目的とはことなり、過去の歴史を知る結果になりました。

 古代人の技術力がすごいと思っていたのですが、結果として人が住める土地が失われたしまったなんて知らない方が良かった気がします。

 コレットちゃんは、探究心の方が優っているようなので、更に積極的にシアに質問をしています。

 私は、いま聞いた話だけで頭がいっぱいになってしまったのか、眠くて仕方がありません。

 気が付けばゲイルさんとシャーリーさんは既に眠っていましたので、私も眠ることにします。

 コレットちゃんだけは、シアにずっと話しかけているのですが、早く寝ないと明日の行動に差し支えるので早く眠るように告げておきました。

 明日の探索がどうなるのか分かりませんが、フィスさんの警告通りになってしまう気がしてきました。


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