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Eighth Doll  作者: セリカ
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おさぼり中……


「エルナ様。家庭教師の人が探していましたよー」


 フィスさんの船の上の飛行甲板の上でシアと訓練をしていると、フィスさんが声を掛けてきました。

 動きを止めてレンちゃんから、タオルを受け取ってから返事をしました。


「私がここにいることを教えてしまったのですか?」


「いえ、教えていません。もう小一時間も探しているから、そろそろ相手をしてあげてはどうかと思ったのです」


「今日の方は、歴史の先生なのです。話を聞いていると眠ってしまうのですから遠慮がしたいのです」


 あれから、ワグナー家の領地に到着して家の方に紹介をされました。

 現公爵の方は不在だったのですが、その夫人の方が迎え入れてくれたのです。

 そして、何故か私は気に入られています。

 どこぞの貧乏貴族の出である私を気に入る要素が分かりませんでした。

 もっと言うのでしたら、どこかの資産を持っている貴族に身売り予定の娘です。

 更に言うのでしたら、貴族の令嬢としては、欠点が多いと思います。

 身嗜みこそはそこそこですが、作法などは適度に学んでいますが、男子にまじって剣術などの体を動かすことを好んでいます。

 ダンスだけは体を動かす延長線みたいなものと思っていたので、覚えましたが基本的には男性パートの方が得意です。

 おまけに世間的には欠点と見られている同性愛の傾向が強いのです。

 幼めの可愛い子が好きなので病気扱いもされていました。

 言っていて悲しくなるのですが、とても私に公爵令嬢など勤まりません。

 公爵夫人のヘレナさんは、事前に私のことを聞いていたらしいのですが、それでも娘に欲しいと言ったのです。

 理由を聞いてみると、自分の子供たちは父親に似てしまったのか面白みに欠けると言い出したのです。

 夫人には息子のアヴェルさんと既に嫁いでいる娘さんがいるそうです。

 本人の若い頃はかなり行動力がある方だったらしく、軍にも在籍していたそうです。

 そこで、当時におじさまのの副官をしていた人物を押し倒してご結婚成されたと話してくれました。

 真面目で仕事人間だったらしいのですが、色々と自分の世話や後始末をしてくれることで気に入っていたので、さりげなくアピールをしていたのですが、中々手を出してこない為に強硬手段を取って責任を取らせたとか……。

 そして、生まれてきた子が自分に似ないで真面目に人格に育ってしまって詰まらないとまで言っています。

 嫁いでしまった娘さんはいませんが、アヴェルさんはその場にいるのに言い切っていたのです。

 アヴェルさんは、特に気にもしていないのか、母親の言葉を無視して自分のことは兄として接するようにとだけ言われました。

 不愛想ですが、特に変な感情も持たれてないみたいです。

 シアも「あの生命体はエルナに対して敵意を持ち合わせていません。どちらかと言うと好意的です」と言っています。

 私にはそこまで分からないのですが、嫌われてはいないので安心をしています。

 代わりに夫人の方がアピールが激しいと思います。

 失礼なのですが、親子と言われなければ気付けないと思います。

 取り敢えずは好意的に受け入れられましたので、良かったと思います。

 その後は基本的には自由にしても良いのですが、夫人から最低限の教養とマナーだけは覚えて欲しいと言われたのです。

 自分も好きではなかったのですが、自由なことをする代わりにしっかりと覚えたそうです。

 いずれ本国で正式に自分の娘としてお披露目をする予定らしいのです。

 そこまで、私の予定が組まれているとは思いませんでした。

 おじさまに視線を合わせると「そんな話もあったかもしれんな」と呟きつつもとぼけている感じでした。

 そして、背後からフィスさんが抱き着いて来ると耳元に「今後の予定が大変みたいですけど、僕がサポートしますので頑張りましょうねー」と、囁いてきました。

 振り向くとニヤニヤした表情をしていますが……もしかしたら、フィスさんはおじさまと今後の話をしていたのかもしれません。

 それから数日が経過して平和的な日常生活を送っています。

 貴族令嬢としての最低限の教育以外はです。


「ある程度は歴史の知識も有った方が役に立つと思いますよ?」


「では、代わりにフィスさんが授業を受けてきてください」


「僕は敵国だったとはいえ、ある程度の知識はありますので不要かと思います。それどころか僕が知っている情報を軍の諜報部の奴らに売りつけているので、意外と稼ぎになるのです」


 フィスさんは、寝返ったとたんにバートランド王国の機密情報だった内容をミッドウェール王国に売りつけているのです。

 勿論ですが、確認が取れてからの支払いになっているそうなのですが、国境付近の秘匿回線の周波数を教えたことで結構な謝礼を貰ったと聞いています。

 他にも現在王宮内で問題になっていることや本国でも秘匿されている軍事拠点の位置まで教えてしまったそうです。

 いくらなんでも暴露し過ぎかと思ったのですが、フィスさん曰く「こういうことになるから、僕達みたいな古参の個体は大事にしないといけないのです。ツヴァイみたいな戦うしか能がない奴ならリスクは減りますが、国全体の戦力面に関わっている個体を外に出すのは悪手なのです。ましてや八十年前までは、僕はその指揮権を持っていたのですからね」と言っています。

 フィスさんは、私達にかなり近い思考を持っていますので、自分の船を八十年前の大戦後から輸送艦扱いをしたことをかなり根に持っています。

 特にツヴァイと言う方を敵視しているのです。

 あの方に一対一の戦いで勝つ為には、適合率が高い登録者が必要と言っています。

 私とレンちゃんの孫にとても期待をしているそうなのです。

 そんな先のことなのにフィスさんからは「早く可愛い女の子の孫の顔が見たいなー」と呟いています。

 最近は、夜になるとフィスさんがシアを唆すか足止めをして、私とレンちゃんが二人っきりになるように仕向けています。

 レンちゃんもレンちゃんで、フィスさんに言われた通りに私に接してくるのです。

 あんな可愛い子に迫られてしまうと私の理性が持ちません。

 日付が変わるごとに私の心の防壁が破壊される日々が続いています。


「気が向いたら学ぶことにします。それに今日は体を動かしたい気分だったので、仕方がなかったのです」


 理由は言えませんが、体を動かしたかったのは本当です。

 なので、シアにお願いをして手合わせをしてもらっていたのです。

 頑張ってシアに一撃を入れようとしているのですが、私の攻撃は全て躱されるか受け止められてお終いです。

 逆にシアの攻撃は全て寸止めをされています。

 身体能力的には近くなったのですが、私とシアには大きな差があります。

 トランさんには攻撃が通じるのですが、それだけです。

 私の拳や手刀に対する攻撃は右腕の攻撃以外は防御に回している魔力が少し減る程度と言われています。

 基本的に人の肉体を持つ私には強度的な限界があるのです。

 右腕による打撃力だけはシア達に近い威力が出せるのですが、体の方が生身の肉体なので無理をすると余分に魔力を消費してしまう欠点があります。

 その欠点を補う為にシアが私に用意してくれた一振りの剣があります。

 それを使えば、トランさんを切ることも可能です。

 以前に武器を持ったぐらいで私からのダメージなんて大したことはないと言われたので、試しに腕を狙って斬り付けるとあっさりと切断ができたのです。

 とても驚いていましたが、それ以降は武器を持っている時はトランさんも防御に関しては本気で対処するようになりました。

 真面目に防御に魔力を回している時は、受け止められて切断するまでに至らないのです。

 それでもシアやフィスさんを筆頭とすると私の強さは最下位になります。

 フィスさんが言うには、私の強さは達人の域にいる人間と標準型の古代の個体ぐらいだと言われました。

 ですが、以前の守られている時に比べれば破格の強さを手に入れています。

 仮にソーニャさんのような存在と遭遇しても今の私には対抗手段があるのですから、あっさりと殺されることはありません。

 だけど、勝てるとは言い切れないので今の私は少しでも強くなる努力がしたいのです。

 もう二度とあんな目には遭いたくないからです。

 いつの間にかシアを抱きしめていたのですが、シアが私を心配そうな目で見ています。

 シアには私が考えていることが伝わっている節があります。

 私が不安な気持ちになると必ず傍にいてくれます。

 最近では、レンちゃんにも気持ちが伝わっているのか私の手を取る行動が多いのです。

 こんな時ですが、二人に心配をされると私の心はとても安らぎます。

 場所が誰もいない所か個室でしたら、そのまま押し倒したいと言う衝動に駆られます。


「三人の空間を作っている所を申し訳ないのですが、僕も混ざってもいいですか?」


 フィスさんが私達に混ざりたいとお願いをしてきましたが、その表情は何故かいやらしいと言うか危険な香りがします。


「申し訳ありませんが、私の両隣は埋まっていますので、フィスさんは諦めてください」


 しかし、そこで引き下がるフィスさんではありません。

 最近は聞きなれてしまった言葉を聞くことになります。


「僕と数分でいいので抱擁を交わせば、シアとの訓練で掻いた汗をリフレッシュして差し上げますよ?」


 気分が良くなるようなことを言っていますが、ただの変態行為です。

 フィスさんとの最初の訓練の時にもされたのですが、自分で作り上げた水の塊で私の体を拭うことです。

 結論から言いますと、非常に気持ちよく爽やかな気分にはなれます。

 問題はその後です。

 私の汗を吸収した水の塊を必ず飲んでしまう事です。

 せめて私が見ていない所でするのでしたら、少しはマシなのですが……目の前で、とても美味しそうに飲んでいる姿を見るとかなり抵抗があります。

 他のみんなからも非難されていますが、決して止めません。

 それどころか「これを飲むとエルナ様の全身を嘗め回している気分になるので最高なんですよー」とまで言う始末です。

 なので、私が動ける時は遠慮をしてもらっています。

 される時は私の魔力が尽きて動けない時です。

 流石に逃げることもできないのでされるがままなのです。

 フィスさんとの立ち合いはとても勉強になるのですが、体を汚染されるリスクも非常に高いのです。


「それも結構です」


「あーあー。最近のエルナ様は冷たいなー。生活が充実しているから、僕を頼ってくれないので悲しいです!」


 古代都市に住んでいた時は、なんだかんだでフィスさんが取り仕切っていました。

 ですが、いまは一応は公爵令嬢になったので、勉強以外は特に不自由はありません。

 無視をしていると甲板に人の気配が増えてきました。

 そちらを見ると船内の入り口に公爵夫人とそのお付きの侍女がいます。

 フィスさんが自分の船に誰か招き入れることは滅多にありません。

 しかも現在は館の近くの森の上空で姿を消している状態なのです。

 フィスさんが招かない限りはここに来ることはできない筈です。


「そんなエルナ様には、お話を希望なされている公爵夫人との場を設けました」


 いつの間にか水で作られたテーブルと二つの椅子が存在しています。

 フィスさんが公爵夫人をそこに招くと座ってもらい、私にも座るように招いています。

 逃げ出したかったのですが、笑顔の公爵夫人が無言で私の正面に座るように言っている気がします。

 仕方がないので、素直にフィスさんの手招きに従い座ることにしました。

 そして、レンちゃんが私と公爵夫人にお茶を用意して出してきました。

 出し終えるとそのまま私の背後にシアと並んで立っています。

 レンちゃんはいつものメイド姿なので違和感は感じないのですが、王女様なのにとても対応が早いです。

 最早、王女様としての教育ではなく、女中かメイドとしての教育をされて来たに違いありません。


「いつも思うのですが、その子が入れてくれたお茶はとても美味しいですね」


 公爵夫人が一口飲んだ後にレンちゃんを褒めています。

 レンちゃんは私の方を見てから、軽くお辞儀をしています。

 私も口を付けるととても甘くておいしいです。

 私の方は、魔力回復も兼ねている濃度が濃い目の物にしているのです。

 きっと普通の方が飲むと、とても甘々な飲み物と思います。

 

「あの……それで、ヘレナ様はどうしてここにいらしたのですか?」


「ブロンテスがエルナさんが時間通りに来なくて困っていると私に泣きついて来たのです。それと私のことはお母様と呼んでくださいね」


 ブロンテスと言う方は、私にこの国の歴史を教えてくれる家庭教師のおじいさんです。

 真面目な方なのですが、この国の歴史を淡々と語るので眠らないで聞くのは至難の業です。

 申し訳ないのですが、居眠りをするよりは私がサボった方が良いと判断したのです。


「その……お母様……家庭教師の方には申し訳ないのですが、あの方の授業を聞いていると眠ってしまうので……私には無理だと思うのです」


 私がお母様と呼んだことで少しだけ表情が和らいだ気がします。

 まだ日が浅いので、すぐにお母様とは呼べないのです。

 そして、授業内容なのですが、せめて私が興味がある歴史内容でしたら聞くと思います。

 ですが、歴史に興味などありません。

 あの授業を受け入れるとすれば書物を読み漁っているコレットちゃんぐらいしか無理と思います。


「人には向き不向きがありますので強制はしたくありませんが、少しは学んでいた方が役に立つ時がありますので、少しは受けてあげてくださいね」


「努力はしたいと思います。それよりもどうして私がここにいることがわかったのですか?」


 私は暇になると森の方にシアと一緒に探索に行ってしまいます。

 お屋敷にいると正直暇なのです。

 あまり暇にしているとマナーなどの勉強の時間が増えてしまうのです。

 なので、最近は隙を見ては抜け出しているのです。


「ブロンテスが私の書斎に来た後で、フィスさんが現れて居場所を教えてくれたのです」


 密告者はフィスさんです。

 最初の頃は知らないフリをしてくれていたのに早くも裏切り行為をしています。


「そうですか。ですが、フィスさんが自分の魔道船に招待をするとは意外でした」


 おじさまもここに着いてからはもう乗せないと言われています。

 だけど、私が許可した場合に限り気が向いたらと乗せてもいいと宣言していたはずです。


「フィスさんとは取引をしました。なので、フィスさんが同伴する時だけは私ともう1人だけ乗せてもらえるようになったのです」


 なんの取引をしたのか知りませんが、私が確実に雲隠れができる場所が減りました。

 ヘレナ様の背後で悪い顔をして笑っているフィスさんがいます。

 最近の私の態度が冷たいので、私の居場所を売ったのかもしれません。


「最近は外出が多いと聞いていますが、ここ以外にはどこに行っているのですか?」


「えっと……森の散策などをしているのです」


「森の散策でしたか。報告では森に入ると見失ってしまうと聞いています。いくらシアさんが付いているとはいえ奥地に行くと強力な魔獣が徘徊をしていますので、危険なことは控えてくださいね」


 滞在しているワグナー家のお屋敷の近くには大きな森が存在しています。

 樹海の森と違って魔核を持っている魔物と違い通常の生物である魔獣が存在しているのです。

 最初の頃はトランさんが魔物と思って狩っていたのですが、魔核が手に入らないので狩るのを止めてしまったのです。

 なので、現在はアリサさんの護衛として常に行動を共にしています。

 私は詳しくないのですが、フィスさんの説明通りなら魔獣と言うのは、過去に動物に対して生体実験をしたなれの果てとのことです。

 魔物と違って魔力を纏った身体強化をしている訳ではありませんが、突然変異による強力な個体もいるそうです。

 冒険者などの狩りの対象になっていないのは、魔核を持っていない為です。

 魔核は使い道があるので、必ず買い取ってもらえます。

 しかも、大きさも小石程度から拳大の物が一般的です。

 大きくて荷物になる素材よりも一度の狩りでやりようによっては成果が出せます。

 魔物の素材を大量に回収するにはストレージリングが必須となりますが、高額な品物なので手に入れるまでは魔核を回収する方が効率が良いのです。

 だから、地方に存在する魔獣は民衆の害になるような事件でも起きない限りは討伐の対象になりません。

 大抵は、特定の時期になると地方の領地で討伐隊を組んで被害が出る前に間引きと言う名の討伐をしているはずです。

 地方の方に大きな領土を持つ貴族にとっては余計な仕事が増えると言っても過言ではありません。

 私の元の実家は、何もない地域でしたので、その必要もありませんでしたが、特産品も無ければ観光地にもならない平凡な場所でしたので魔獣とは無縁でした。

 現在滞在しているワグナー家の領地は本国よりも更に東の端の一帯を領土としています。

 更に言えば二割ほどは魔獣が存在する大きな森があるのです。

 魔核は手に入りませんが、私が実戦訓練をするには最適です。

 奥地に行くと見たことも無い魔獣が数多くいます。

 以前の私なら、無理な相手でも今の私なら十分に戦える相手です。

 それにストレージリングがあるのですから、食料にできる魔獣を持ち帰るとちゃんと売ることが可能です。

 バレているかと思いますが、町にある組合に持ち込むことで私の大事な収入源になっています。

 いくら公爵家の身内になったと言えどお金を無心するわけにはいかないので、地道に稼いでいるのです。

 フィスさんにお金のことで関わると何かしら条件を付けられるので通さないようにしています。

 本当に困った時は、無償で援助をしてくれると言っていますが、後が怖いのです。

 なので、いくら言われても森の散策を止めるつもりはありません。


「今のところは危険らしいことはありませんので、大丈夫です。危ないと感じたらすぐに戻るようにします」


 現時点で遭遇する魔獣は私でも十分に対処可能です。

 むしろ私が強くなる為の練習相手に丁度良いのです。

 仮に危険な相手が現れてもシアがいるのですから、心配などしていません。

 シアは基本的には、私が戦っている相手には手を出しません。

 倒しているのは、それ以外に集まってきた魔獣などを始末しているだけなのです。

 シアの場合は巨体も吹き飛ばす打撃と数がいれば範囲魔法で対処してしまうのです。

 要するに私が相手にできない範囲だけ倒しているのです。


「私も若い頃は森の魔獣の討伐をしていましたが、それでもある程度の人数は連れていました。聞くところによるとエルナさんはかなりの実力を持っていると聞いています」


「えっと……それなりにはあると思います」


 本当の実力ではありませんが、死にかけて得た物なので良いことにしたいと思います。


「宜しければ私と立ち会ってみませんか?」


「お母様とですか!?」


「そのつもりで、本日は軍服で来たのです。退役した身ですが、これでも剣の腕はかなりの物なのよ?」


 確かにヘレナ様は軍服を着用なさっています。

 私はてっきりここに移動する為の水の塊の乗り物に乗った時の対策とばかり思っていました。

 少し前にドレス姿で、フィスさんの船に移動した時にシャーリーさんが下にいて、私の下着の色を教えてくれたからです。

 シャーリーさんはフィスさんに感化でもされたのか、ちょっと変な趣味に目覚めてしまいましたからね。

 それよりも……。


「本気なのですか?」


「もちろん本気です。貴女の実力も知りたいので丁度良い機会です。フィスさん、お話に聞いている水の剣を二振り貸してもらえますか?」


「はいはい、どうぞー」


 ヘレナ様に頼まれて直ぐに水の剣を作り出して渡しています。


「話には聞いていましたが、水なのに本当の剣のようですね。透き通っていて神秘的にも見えるわね」


「公爵夫人は良い例えをしてくれますねー。僕の知っている奴なんてそれがどうしたみたいな感想しか言ってくれないんですよ」


 誰のことか分かりませんが、私はそんなことを言っていません。

 バートランド王国の誰かなのかと思います。

 フィスさんが私にも剣を渡したことで、何故かヘレナ様と立ち会う展開になっています。

 ヘレナ様がどのくらいの実力なのかは分かりませんが、兄と違ってからかう訳にもいかないのでどうすれば良いのでしょうか?

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