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ピカリング草稿 The Pickering Manuscript  作者: William Blake(翻訳:萩原學)
9/10

のっぽなジョン・ブラウンとちっちゃなメアリー・ベル Long John Brown & Little Mary Bell

バラッドとして書かれているが、物語詩というより寓意画に近い。ただ、何の寓意か判らない。

ちっちゃなメアリー・ベルの妖精は胡桃の中に

のっぽなジョン・ブラウンに憑いた悪魔ははらわたに

のっぽなジョン・ブラウンはちっちゃなメアリー・ベルに恋をした

妖精は悪魔を胡桃の殻に引っ張り込んだ

Little Mary Bell had a Fairy in a Nut

Long John Brown had the Devil in his Gut

Long John Brown lovd Little Mary Bell

And the Fairy drew the Devil into the Nut-shell


妖精は踊り出ては踊り入り

愛は罪だという悪魔を(あざけ)

悪魔は激怒し荒れ狂った

その若者の吸い物に入り込んだ

Her Fairy skipd out & her Fairy skipd in

He laughd at the Devil saying Love is a Sin

The devil he raged & the Devil he was wroth

And the devil enterd into the Young Mans broth


程なく悪魔は恋する若豚のはらわたに

恋痛のジョンを飲み食いに駆り立てるように

だから何をどうしようと痩せ細っていくばかり

毎晩のように飲食10人前も平らげていても

He was soon in the Gut of the loving Young Swain

For John eat & drank to drive away Loves pain

But all he could do he grew thinner & thinner

Tho he eat & drank as much as ten Men for his dinner


日夜その胃に狼を飼うのだという者あり

いや悪魔だと当てずっぽうが当たった者あり

妖精は有頂天になり踊り狂わんばかり

彼悪魔を笑うは哀れなジョン・ブラウンが死ぬまでも

Some said he had a Wolf in his stomach day & night

Some said he had the Devil & they guessd right

The fairy skipd about in his glory Joy & Pride

And he laughd at the Devil till poor John Brown died


遂に妖精古びた胡桃の殻から踊り出た

悲哀号泣可愛いメアリー・ベルに

悪魔這い入る妖精踊り出た時に

さてもあちらは(かび)臭く古びた胡桃のベルおばさん

Then the Fairy skipd out of the old Nut shell

And woe & alack for Pretty Mary Bell

For the Devil crept in when The Fairy skipd out

And there goes Miss Bell with her fusty old Nut

Little Mary Bell:原稿は Pretty を Little に書き直してある。

there goes Miss Bell~:この1行はおそらく後日談、ヒロインは結婚できなかったと示す。あるいは結婚できなかった理由として、悪魔に魅入られた過去があったという話かもしれない。

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