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ピカリング草稿 The Pickering Manuscript  作者: William Blake(翻訳:萩原學)
6/10

水晶の戸棚 The Crystal Cabinet

乙女が我を捕えたは荒野、

我楽しげに踊れるを。

彼女が我を入れたは戸棚、

閉じ込めたは黄金の鍵をもて。

The Maiden caught me in the Wild,

Where I was dancing merrily;

She put me into her Cabinet,

And Lockd me up with a golden key.


この戸棚を成すは黄金と

真珠と水晶、輝けること赫と

その中、とある世界へと開く

ややも素敵な月の夜。

This cabinet is formed of gold

And pearl & crystal shining bright

And within it opens into a world

And a little lovely moony night.


そこに見えたは別世界のイングランド、

あのタワーまである別世界のロンドン、

別世界のテームズと丘と、

別世界の愉快なサリー・バウアー。

Another England there I saw,

Another London with its Tower,

Another Thames & other Hills,

And another pleasant Surrey Bower.


別世界の乙女あの女に似て

透き通って愛らしく輝けること透明に

各々近寄り通常の3倍に

何と愉快な戦慄の恐怖!

Another Maiden like herself

Translucent lovely shining clear

Threefold each in the other closd;

O what a pleasant trembling fear!


何たる笑み、通常の3倍の笑み

我を満たすは我を焦がせる炎のように。

可愛い乙女にキスをしたなら、

3倍になって返されようとは。

O what a smile, a threefold smile

Filld me that like a flame I burnd;

I bent to Kiss the lovely Maid,

And found a Threefold Kiss returnd.


我秘奥の形掴まんと努力した

熱烈な情熱と炎の両手もて

しかし水晶の戸棚は破裂した

泣いている赤ん坊のようになった。

I strove to seize the inmost Form

With ardor fierce & hands of flame

But burst the Crystal Cabinet

And like a weeping Babe became;


泣いている赤ん坊は荒れ狂う

泣いている女性は青ざめた

そして再び外気にあたるや

我吹き行く風の災難に満ち。

A weeping Babe upon the wild

And Weeping Woman pale reclind

And in the outward air again

I filld with woes the passing wind.

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