A⇔B
彼女は雨が好きだった。
反対に、僕は雲一つない空が好きだった。
僕らはいつも、反対のものを好きになっていた。
――だからこそ、僕たちは僕たちを好きになった。反対のものを好きになる、いつものように。当たり前のごとく。
君が雨で、僕が晴れ。
君が見ていれば僕が動き。
反対で、君が動けば、僕は見守り。
今回も――それの成り行きに過ぎなかったのかもしれない。
僕が楽しかったとき、君は楽しくなかったかもしれない。
全てが反対だから、繋がる。
もしかすると、もしかするとだが。
――君は、死んだのは、もしかしたら運命だったのかもしれない。
僕は生きて、君が遠くへ行った。
それが、僕たちの悲しい運命。
それを、たどるべくして、たどった結果にすぎない。
けれど。
胸がいたい。
張り裂けるぐらいに。
偶然の起こした産物だとしても。
全てがこうなるとしても。
――理不尽だ。
神様は何故、こんなことをしたのだろう。
それとも――。
これも、僕と彼女を――繋げるためなのだろうか。
僕が君から離れ、進むことができれば。
君は僕を近くで見守ってくれるのだろうか。
ふと――空を見つめた。
それは、初めて出会った日にとても似ている空模様だった。
今日も空が青い。
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