僕は正しい。
これは私の小説の中のどれかの登場人物の過去編です。
僕はいじめられています。
クラスの人気者の、「カホちゃん」という人にいじめられます。
先生にも、お母さん、友達にも話したけど、「カホちゃん」は頭もよくて、友達も多くて、
優しいからそんなことするはずがない、と言います。
それとは反対に僕は頭が良くなくて、友達も少ない。
だから、うらやましいから、そういうこというんでしょ、と先生は言います。
僕は弱虫だけど、嘘つきではありません。
「カホちゃん」は僕を呼び出して、顔を1回叩きます。
「どうして叩くの」と聞くと、何も言わずにもう一回叩きます。
何も言わないで、皆の見えないところで僕を叩いたり、机に落書きをしたり、ノートを破ります。
全部を見た訳じゃないけど、「カホちゃん」以外にやるような人の心当たりはありません。
そんなことをされて、何度も泣きました。
でもお母さんは僕の言うことを信じてくれません。
お父さんがいなくなってからお母さんはとっても怖くなりました。
いつも僕を睨んでいます。
友達も、先生も、お母さんも僕を信じてくれない。
ああ、僕が悪いのかな?
「カホちゃん」にいじめられる僕がいけないのかな?
頭のいい、友達の多い「カホちゃん」にいじめられるなんて僕はきっと物凄く悪い子なのだろう。
だから友達にも先生にもお母さんにも信じてもらえないんだ。
どうすれば信じてもらえるのかな?
どうすればいい子になれるのかな?
ああ、そうか。
______「カホちゃん」みたいに、なればいいんだ。
だってそれで「カホちゃん」はうまくいってるもの。
「カホちゃん」は時々僕に言います。
______「アタシは誰も信じない。友達も、先生も、パパもママも。あんたは知らないのよ。
どれだけアタシが苦しいかなんて。だから教えてあげるの、アタシの苦しさを。」
「カホちゃん」に叩かれると、痛い。
涙が出そうになる。
勉強をして、友達ともただなんとなく話すだけ、なんとなく笑ってるだけ。
そして何回も何回も叩かれているうちに、痛くなくなりました。
叩かれても、信じてもらえなくても、痛くも悲しくもありません。
これで正しいんだ。
僕はこれで、、。正しい、、、、。
こうして僕は小学校の時に、誰も信用しなくなった。
やはり分からないでしょう!
その内、分かります。多分、きっと、恐らく、、、。