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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第六章 おかえりなさい
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episode91 神獣

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。

 初陣の次の日。

 リベリオンのメンバーは誰一人として欠ける事無く、生還した。


「宣戦布告も成功。更に三年の猶予が手に入ったな。」

「まさかあんな手で時間を稼ぐとは、誰も思いつきませんよ!アッハッハッハッハッ!!」

「…そうだな。」


 机を囲んでいつも通り、ヒカルと戦場であったこと、それからのことを整理するために話し合うレオ。


「取り敢えず、全員に一週間の休暇と、『デクストラ』のメンバーは消耗が激し過ぎたからな。三週間の休養がいいところだろう。」

「疲れた体をゆっくり休めてもらいましょう。それは、君にも言えたことですけどね?」

「分かっている。最低でも三日は何もしない。」

「おや、珍しいですね。君が三日も鍛錬をしようとしないなんて。いつもは、一日でも休めば、腕が鈍る…。とか言ったのに」

「部下の前もあって我慢していたが、槍野郎との戦闘は、かなり体にガタがきている。傷も完全に癒えていないしな。」


 軽く肩を回すレオ。痛みが少し走ったのか、一瞬顔をしかめると、傷の治り具合があまりよくないことを再確認する。

 ブローディアに生命力と回復力を奪われてからと言うもの、時間が経つ事に少しずつ本来の形へ戻りつつあるも、激しい倦怠感が体を襲い、魔力を注ぎ込んでも、傷が完全に治ることは無く、心身共にボロボロなレオ。


「それに、褒美として金で満足しない連中が多くてな。やれ、一緒に出かけろだの、一緒に寝ろだの、料理を食べてくれ、修行をつけてくれ、模擬戦してくれなどと、現物支給を望まなくてな。」

「君も大変そうですね」

「暫くは、そっちで時間が取られそうだ。」


 肩を竦めておどけてみせるレオ。

 ヒカルも苦笑いを浮かべる。


「それで、お金の方は…」

「ド平民達、『ファトゥウス』が暴れに暴れてな。敵の被害が想定よりも大きく、請求される金が増えたが、アイツらの給与から引いておいた。安心しろ。」

「ほっ…また、超級の魔獣を狩りに行かないといけないと思いましたよ」

「ん?」

「え…?」


 ヒカルは、リベリオンの経済面の方を担当しており、リベリオンの予算がごっそり無くなるのではと心配してレオに尋ねたヒカル。

 そちらは既に対処済みだと知って安堵したのか、冗談を交えて笑うヒカルだったが、レオの反応が可笑しく、嫌な予感が頭をよぎる。


「次に狩るのは、神級だぞ。」

「きゃっっっっっか!!!何考えてるんですか!!!」


 嫌な予感が的中したヒカルは、すぐ様レオの案を却下する。

 それも当然で、神級と呼ばれる、魔獣の位の中で飛び抜けて一番上にくる存在は、挑むという概念が出てくる方が可笑しくなるような存在だからだ。


 神級とは、別名『神獣』とも呼ばれ、最高神ウルティムが神の力と魔力を合わせて作り出した六体の巨大な魔獣。

 神獣は、各地で御神体として崇められ、身近な神として知られている。

 もちろん、その力は破格で、条件さえ揃えば、上級神とタメを張れるほどのものだ。

 ちなみに、作られた理由としては、最高神の娯楽で、神獣の命名は全部初代勇者ハセガワなのは、あまり知られていない。


 第一の神獣『オオツノアメ』

 漁師たちの間で、海の守り神として崇められる決まった形を持たず、普段は、海の中に溶けだしている。海全体が『オオツノアメ』の体では?という説もあるほどで、姿を現す時は、時計塔と同じほどのサイズの馬の形を水で作る。


 第二の神獣『トグロノマキ』

 山の守り神と知られ、認知度の高い神。普段は、帝国と教国の間に山脈が存在し、そこにとぐろを巻いて山に擬態している。

 年に一回、一週間かけて脱皮を行い、その一週間は山に近づいてはならない。という決まりがあるほど『トグロノマキ』が動くと、山脈全体が揺れる。


 第三の神獣『ヒャクガンオウ』

 百の顔を持つ大鷲で、天空の覇者とも一部では呼ばれ、空で適うものはいないとされている。

 だが、実際の正体は凶暴な肉食系の小さな鳥の群れで、百顔の由来でもある。

 そして、群れなのを活かし、圧倒的な機動力と、統率力を使って相手を圧倒する。


 第四の神獣『ワールドツリー』

 エルフの里に存在する、空を突き抜ける世界一の大樹で、通称『世界樹』と呼ばれ崇められる木。

 だが、そこには確かな意思が存在し、自由自在に枝を動かすことが出来、何者にも倒されない頑丈さを持っている。


 第五の神獣『タカライネ』

 農作を行う人々にとっての、豊穣の女神とされ、大きな人型をしているが、人前に姿を絶対に表すことの無い神獣。

 戦闘に不向きだとされているが、天候を自在に操ることができるため、それは間違いで、大きな災害を自由に操ることができるため、戦闘になった場合、一番厄介だと言える。


 そして、最後の神獣『ゾーウモス』

 神獣の中で、唯一崇められ事の無い暴君。

 見た目は大きな毛むくじゃらの象で、目の前で動くものを誰彼構わずに殺していく。

 王国と獣人国の間を繋ぐ道を塞ぎ、獣人国と、獣人国の裏にあるエルフの国への国交を阻む存在で、この道を使わなければ、一週間の道のりが、一ヶ月になってしまう。

 ただでさえ、迫害のある王国に一ヶ月かけてくる獣人やエルフは稀で、そのため、王国には人族と亜人以外はまずいないと言える。


「それで君は、ゾーウモスの討伐をしようと狙っているのですね?」

「ああ。今のリベリオンに求められているのは、王国との人数差を埋めること。元の身体能力の高い獣人やエルフを多く同盟関係に引き入れ、仲間にできることができれば、勝利に近づく…。」

「勝利に近づく…。なんて言ってますけど、君、何年も前から計画してましたね?」

「さあな。」


 再びおどけて肩を竦めるレオに、怒りを通り越して呆れ果てるヒカル。

 レオの目的は、神獣を討伐し、獣人国やエルフ国と同盟関係を結ぶこと。

 誰も考えないようなことを平然と言ってのけるレオ。


「さあ、今月に遠征部隊の編成。来月には出発する。予算、頼むぞ。」

「それを目的に来ましたね!!!絶対に出しませんよ!!!!!」

「…【幻歩】。」

「逃げられた!?」


 コーヒーを一気に飲み干し、【幻歩】を使って足早に立ち去るレオ。

 ヒカルは、頭を抱え、ヒカルの叫びがリベリオンにこだまする。

 久しぶりのヒカルの絶叫に、懐かしさを覚えるリベリオンだった。

六章スタート。これからも応援よろしくお願いします

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