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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第五章 憧れ
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episode79 集会

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。

「皆さん、朝早くお集まりいただきありがとうございます!左から【兵科】、【諜報科】、【救護科】、その他の順番で並んでくださーい!」


 後庭に続々と集まるリベリオンのメンバーを、シムルや、ロゼ、ミラなどが列を整理させながら、並ばせていく。

 今日は丁度初陣の日の一か月前の花月(三月)。ラティスとの再開や、ミラ達へのご褒美から更に四ヶ月後だ。


「レオ様、全員出席が取れました」

「ご苦労だったな。」


 最終的に集まったリベリオンのメンバー、総勢一万千三百人。そのうち戦場に出るのは、七千六百人。

 小国とまではいかないが、反乱軍としては、歴代最大規模。ヒカルの人徳、レオのスカウトを初め、これだけの数が王国に対して何かしらの不満を抱き、集まった。


『総督が挨拶をします。皆様静粛にお願いします』


 後庭に、全体に聞こえるほどのアナウンスが流れる。

 【覇王祭】の時に、ちゃっかりアナウンスさんをスカウトしていたレオ。


「総督のレオだ。それぞれ個人と話すことはあっても、こうやって全体の場で話すのは初めてだな。」


 アナウンスの合図で、後庭に即席で作られた台の上に登り、話し始めるレオ。


「一ヶ月後、いよいよ初陣となる。各々それに合わせて訓練を受け、準備を整えてくれたと思っている。だが、先に俺が皆に言うべきは、感謝だろう。俺の呼びかけにこうして集まってくれてありがとう。」


 まずレオが行ったのは全体に向けた感謝の言葉。高圧的な態度を取り、刺々しいレオが頭を下げ、礼を述べた。

 それには、レオを良く知る者達は少しばかしどよめくも、すぐにそれだけレオが感謝している証拠だと思い、静まる。


「そしてまず、初陣に向けての話だ。今回、王国側が

指定してきた場所は、ライアス海峡近くの大平原。ここから進軍も含めて二週間と行った場所だ。と言っても、戦場以外に出る者以外関係無いが…帰る気は無いようだな。このまま、話を続ける。」


 レオが今日、リベリオンのメンバーを呼び出したのは、これまで自分に付いてきてくれたことへの礼を言うため。そして、初陣についての話だ。

 戦場に出るメンバー以外は、最初の方でもう関係無くなるのだが、レオがそちらを確認すると、誰一人帰ろうとする者がいなかったので、話を続ける。


「今回の戦、大将は総督である俺が。そしてその直属の部隊としてベッルスを含めた少数部隊『デクストラ』。」


 レオの紹介で新たに出てきた『デクストラ』という部隊名。

 ベッルス、ミラ、ウムブラ、ロゼ、カニスなどのレオの腹心と、その他レオの目掛けにかかった約三十人が集まっている。


「そして、戦場の主であり、俺を心臓とするならば、体である【兵科】。その指揮をレックス。」

「はい!」

「各部隊を五十人規模に分け、部隊長を指名指定した紙を後で渡す。俺からの支持は五十人規模だから全員把握しておけ。それ以外で、戦場での臨機応変な作戦変更は全て任せる。」


 名前を呼ばれ、列の一番前に顔を見せるレックス。事前に、決まっており、本人は伝えてあるが、今日はお披露目会と、戦場に出る全員がその名前を把握してとくことが目的だ。


「【救護科】の総指揮は、マリー。そして、補佐としてアヤ。この二人の実力の向上はこの三年間で目の見張るものがあった。だが、二人とも戦場は初めてだ。経験者が上手くフォローしてくれ。」

「「はい!」」


 【救護科】で名前を呼ばれたのは、マリーとアヤ。【覇王祭】が終わり、更に修行に力を入れ、今では【兵科】の五十人部隊長よりも実力がある。もしも、【救護科】が襲われても、二人ならば持ちこたえてくれるだろう。


「そして、【諜報科】。総指揮はラティス。新参者で、皆に戸惑いがあるのは確かだろう。だが、彼女の人理掌握と、その手際は本物だ。戦場で必要な情報がその時々に合わせて正しく判断してくれると思い、指名した。」

「はい」


 【諜報科】のリーダーは、レオもかなり悩んだ。

 本来ならば、ウムブラに頼むのが正解なのだが、ウムブラは、自分の近くに置いて、すぐ様動けるような体制を作っておきたいという気持ちが強く、悩んだ末、ラティスを選んだ。

 もちろん、【諜報科】の古参メンバーから選んでも良かったのだが、流石はラティスと言うべきで、たった四ヶ月で全ての人間から好感を持たれ、信頼関係を築いていた。

 これならばと、レオはラティスをリーダーとしてラティスを選んだ。


「そして遊撃部隊。カーリ率いる『ファトゥウス』。ここにいるメンバーは、元傭兵部隊がほとんどだ。戦場での経験は、ここにいる誰よりも多い。故に、その場の判断で動いてもらう。」

「おう!」


 『ファトゥウス』と呼ばれる元傭兵部隊そのものもリベリオンの配下として勧誘したレオは、そのままその部隊のリーダーにカーリを指名した。

 普通ならば、反感が絶えないだろう。

 だが、この『ファトゥウス』は、ビスティアが、学園卒業後かカーリの師匠になる前まで率いていた傭兵達で、【覇王祭】に出ていたエドラスが、副隊長をしていた。

 そして、【覇王祭】終了後、レオがスカウトしたそのまま流れで、『ファトゥウス』は、隊長の代わりを、教え子のカーリを選んだため、反感は特に無く、今ではカーリも馴染んでいるようだ。

 ちなみに、『ファトゥウス』は愚か者たちという意味だ。


「総勢七千六百三十人。これで、王国との初陣を戦う。この戦い一回で、王国を変えられる訳では無い。だが、確かな一歩を刻もう。全員、覚悟はいいか!!!」

『『『『おおおおおおおおお!!!!』』』』


 レオが、気合を入れるために珍しく大声を張る。その声に応えるように、戦場に出る七千人に加え、ほかのメンバーも叫ぶ。


 もうすぐ始まる。


 遂に始まる。


 歴史に刻まれる…いや、レオが歴史に刻む王国反乱物語が。


「待っていろソリトゥス。貴様という王国の光を、『タキオン』が越えてやる。」



投稿ボタン押したと思い込んでいて、投稿し忘れていました。。。

ごめんなさい。

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