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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第五章 憧れ
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episode74 ラティス

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。

「改めて、お久しぶりですレオ様」

「お久しぶりですラティス様。」

「様はやめてください。もう私は、貴方の部下なのでから」

「いえ、部下にした覚えはないので、様のままで。」

「え?」

「え?」


 改めてラティスと再会したレオ。

 場所を改め、最近新設した貴賓用の部屋を使い、向かい合って話す二人。

 シムルの入れたコーヒーを飲みながら、懐かしい思い出に浸りつつ、少しばかし噛み合っていない会話を繰り広げるレオとラティス。


「二人共、本題早ク」

「それもそうだな…って、ウムブラ。貴様、何故ラティス様と知り合いなんだ。」


 ずっとラティスの隣で黙って二人の話を聞いていたウムブラ。

 レオは、ウムブラに、根本的な疑問をぶつける。


「私、男爵家ノ令嬢。昔カラ王族ヲ守ッテル」

「王族を守る…ニブル男爵家か。だが、あそこは一人息子のはず。俺もパーティーで二回ほど見たことあるが…。」

「それこそが、王族を守るためならば、どんな手段でも使うニブル男爵家の罠ですよレオ様」


 ラティスとレオがまだ勇者魔術学園にいた頃、女装をしてラティスの護衛をしていたおじ様…ブルーニ=ニブル男爵。

 ウムブラは、そこの令嬢だと名乗った。

 だが、レオの記憶では、ニブル家は、一人だけ息子がいるだけだった。

 だが、それが周りを欺く罠だったようだ。


「つまり、普段から魔術を使って周囲を欺き、騙していた。そして、その姿が本当の姿だということか…。なるほど。素の姿ならば、魔術の反応も無ければ、ボロが出ることも無い…完全にやられた。」

「ウムブラは、十五になった時に私の専属で護衛に着く予定で、昔から仲が良かったのです。」

「仲良シ、親友」

「ウムブラには、レオ様のサポート及び、リベリオンの内情を私に報告することをお願いしていたのです。ちなみに、レオ様の先鋭として入れてもらうために、ヒカル様にお願いしたところ、二つ返事で了承をくださいました」

「あのクソ勇者…。」


 レオの頭の中に、「レオくんのお付にその子を?おっけーおっけー、ラティスくんもここの生徒ですから、生徒のお願いは聞きますよ!アッハッハッハッハッ!!!」という台詞と、憎たらしい笑みが、鮮明に思い浮かべられる。

 レオは、拳を震わせて怒りを露わにするが、すぐに落ち着き、コーヒーを一口飲む。


「それで、あざとい小娘は、小僧に、どんな利益を生んでくれるのだ?」

「ヴィデレ…一応元王女だ。あざとい呼ばわりと、小娘呼ばわりはやめろ。」

「むっ、その小娘の肩を持つか」

「違わないが、違う。早く戻れ。」


 帰りの遅いレオを迎えに、どこからともなく現れたヴィデレ。

 レオと同じ年齢の子供に、何十億年と生きてる原初の個体が嫉妬して恥ずかしくないのかと言いたいところだが、言ったら言ったらで面倒なので、ぐっと堪えるレオ。


「私が、レオ様に差し上げるのは、王国一…いえ、世界一、人理掌握に長けた女の人生。存分にこの命、お使いください」


 覚悟を決めた顔つきで、レオに頭を下げるラティス。

 これは、一人の人間の、人生という重いものを捧げる決断。

 リベリオンにいる全ての仲間がそうであるように、ラティスも選んだのだ。レオに人生を捧げる覚悟を。


「その覚悟…いや、その忠誠、しかと受け取った。ラティス、リベリオンのため、王国を変えるため、その全てを尽くせ。」

「仰せのままに。総督」

「姫様モ、レオ様ノ腹心?」

「いや、外には出さん。ニーツ姉さんと一緒に事務仕事だ。だが、その人理掌握の腕、存分に発揮してもらうぞ…。」

「この笑顔は、小僧が、誰かを徹底的に落としいれる策略を思いついた時の嬉し笑顔だな」


 少し口角を上げ、あくどい笑みを浮かべるレオ。

 レオの中ではもう、ラティスを活かした王国との戦い方を想定しているようだ。


「これで勝率が上がった。」

「今何どれくらいだ?」

「三割。」

「最終的には?」

「十割。」

「心底面白い小僧だよ貴様は…」


 ヴィデレの質問に迷うことなく答えるレオ。

 その返答に満足したのか、ヴィデレは訓練場へと先に帰っていった。


「なんだったんだあいつ。」

「気マグレ、酷イ」

「これからは、半年後の初陣に向けて、軍を調整さていく。ウムブラ、貴様の仕事も多くなるが、頼りにしているぞ。」


 訓練場へと戻ってしまったヴィデレに対して、悪態をつくレオとウムブラ。

 レオもそろそろ別の仕事があるため、立ち上がり、ソファーに座るウムブラの頭を軽く叩くと、部屋から出ていく。


「それと、ラティスに部屋を与えてやってくれ。」

「リョ、了解…」

「…?」


 部屋を出る直前に、レオがウムブラにラティスを部屋へ案内するように伝える。

 ウムブラは、軽く叩かれた頭を抑え、珍しく口ごもりながら答えるウムブラに、疑問を残しながらも出ていくレオ。


「その報告は受けていませんが?」

「姫様怖イ…」

「否定をしなさい。それと、レオ様はあと何人に手を出しているのですか」

「手ハ出シテ無イシ、出サレテ無イ。ムシロ出シテ欲シイ……」

「あ、今、本心言いましたね!!」

「知ラナイ…」


 部屋に残ったラティスとウムブラは、親友らしく恋バナ(?)をしながら、暫く盛り上がったそうな。

ラティスは、初期から扱いに困っていました。除外するのか、敵にするのか、味方にするのか…。

ですが、結局悩みに悩み、味方にしました!

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