episode59 軍服
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「まさか父さんと、カーリの師匠がな…。」
ウムブラからの報告書を読みながら、意外な身内との関係性に驚きながらベッドに寝転ぶレオ。
今は三日目の夜。昼に第二次予選が終了し、本線のトーナメントに参加する三十二人が決定し、明日からのトーナメントが発表された。
「こっちも大事だが、試合も大事だからな。」
レオは、報告書を枕元に置き、代わりにトーナメント表を手に取って眺める。
第一試合。
カーリ【リベリオン】対バーノ【帝国】
第二試合。
ハッハ【王国】対ドラ【リベリオン】
第三試合。
シド【リベリオン】対ジーラ【リベリオン】
第四試合。
アヤ【リベリオン】対ニーツ【リベリオン】
第五試合。
レクサス=フィエルダー【王国】対マリー【リベリオン】
第六試合。
レックス【リベリオン】対レオ【リベリオン】
第七試合。
カニス【リベリオン】対バーリラ=ナーダ【エルフ】
第八試合。
ベッルス【リベリオン】対ヒカル【リベリオン】
第九試合。
アドレス=タータン【王国】対ドーラン【獣人国】
第十試合。
ナフコ【帝国】対ビスティア【リベリオン】
第十一試合。
マールコ【無所属】対タラナ【リベリオン】
第十二試合。
イティネ【リベリオン】対ミラ【リベリオン】
第十三試合。
ターチン【無所属】対マサシ=タナベ【王国】
第十四試合。
ウムブラ【リベリオン】対ラートル【獣人国】
第十五試合。
ヴィデレ=アルケー=ヴァンパイア【リベリオン】対レイナス=フィエルダー【王国】
第十六試合。
ハーベスト【王国】=スモロス【王国】
ロゼや、他のリベリオンの仲間は残念ながら突破できなかったが、中々の奮闘を見せ、レオも試合後にそれぞれに賞賛の言葉を送った。
「だが、あとのメンバーはこれ以下か…来月あたりに強化合宿でも考えておくか。」
不意に出たこの合宿案。
後に、リベリオン全体が忘れられない地獄になる。
☆
「制服?何をいまさら、今も着ているだろう。」
四日目の朝。
朝食を取っていたレオの横に、満面の笑みで大きな箱を持ってきたヒカル。
「その制服ではなく、リベリオンの制服ですよ。つまるところの軍服ってやつてすね。マリーくんやアヤくん、ロゼくん達女性陣が色々と頑張ってくれてね。トーナメントに出るメンバーの分を超特急で大きさを調整してくれてね。これまで皆バラバラの服を着ていましたので、そろそろ統一感も必要かと」
「ふむ、トップである俺に一言も相談が無いのはどうかと思うが、作ってしまったのは仕方ないし、その案には同意だ。」
どうやら、前々からレオに内緒で計画をしていたヒカル。
早速、箱の中をごそごそと漁って、レオの軍服を取り出す。
「じゃーん!」
ヒカルが勢いよく箱から取り出した軍服を、レオは興味深そうに見つめる。
半袖の折襟の黒色を基調とした上着。
灰色の長ズボン。
ツバが前につき、金色のラインが入った黒の帽子。
ズボンと、帽子はかなりシンプルなものだが、手に取ってみるとわかるような防刃対策が施された生地。
感覚だけで見ただけだが、下手な軽装よりも丈夫そうだ。
「貴様、これにいくら使った?」
「お金は気にしていません、格好良さこそプライスレス!!」
「それにこの上の方…。」
レオは、今まで触れなかった上の服を手に取ると、げんなりとした表情を浮かべる。
着丈が長く、ボタンではなく腰あたりを太めのベルトで止めるタイプで、大きめの胸ポケットが取り付けられており、所々に金色の模様が修飾されている。
ここまでは普通だが、ここからがレオがげんなりとした原因だ。
まず、肩につけられたエポレットと呼ばれる、階級が上の人だけが付ける金色の房飾。
袖の先に取り付けられた、IIのような金色の形の飾り。
片肩から前部に吊るされた金色の飾り紐。
黒を基調にどこを見ても金、金、金。
完全にヒカルの好きな色の組み合わせで、レオも嫌いではないのだが…
「飾りが多すぎる…これで戦闘するのか?」
「ちなみに、これに加えて黒のロンググローブに、膝まである茶色のブーツ、右胸にリベリオンのワッペン、襟のところに、役職別のバッジが付きます」
「邪魔くさい…。」
「女子はスカート型ですが、防御性は変わりません。そこら辺の鎧よりも頑丈です。さらにさらにー、戦闘用にプラス、迷彩柄の戦争用もあります」
箱の中から女子用と、先程とは違って地味な緑色の同じ型の軍服を取り出すヒカル。
顔が今までにないほど生き生きとしている。
「完全に貴様の趣味だな。これ取ってもいいか?ロンググローブも熱い。」
取り敢えず試着をしたレオだが、着慣れない軍服に見るからに嫌そうな顔を浮かべるレオ。
「駄目です。ぜっっっったいだめです!今回の軍服は、戦闘員から非戦闘員までリベリオン全員分の費用を負担したんです、文句は言わせませんよ!」
鬼気迫る表情で、レオの肩を掴んで大きく揺らすヒカル。
「唾が飛ぶ。汚い。」
「取り乱しました…ですが、やっぱりレオ君は、素材がいいですね、よく似合います」
「当たり前だろ。」
「私、スカートとニーハイの絶対領域も好きなんですが、半袖とロンググローブから見てる二の腕の方が絶対領域だと思うんですよね」
「意味がわからん。」
改めて軍服を着用したレオを眺めるヒカル。
黒髪に深紅の瞳。黒を基調とした金色の修飾が施された軍服に、腰に帯剣された禍々しいオーラを放つネーザ。
「うん、悪役のボスですね」
「殺す。」
「ちょ、抜剣しないでください!」
「【幻歩】」
「え、きえっ、ちょっ!!」
「ちっ…まだ未完成か。」
狭い室内の中で抜剣した上に、【幻歩】を使ってヒカルを殺そうとするレオもレオだが、初見の【幻歩】をギリギリかわすヒカルもヒカルだろう。
「【深淵よ】」
「いや、それ人間に使っていいやつじゃないぃぃぃ!!!」
「ウォーミングアップだ。」
「逃がさんっ!」
食堂から飛び出し、助けを求めるために大声をあげなから街を全力疾走するヒカル。
それを容赦なく追いかけるレオ。
早朝から二人の元気な声が街の中にこだまする。
軍服は夢




