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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第四章 師匠
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episode53 開幕

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。

「結構固まりましたね」

「俺は、カニスと…ウムブラと同じか。」

「まじっすか!兄貴と一緒なんてついてねーぜ!」

「手加減はしないから安心しろ。」


 中立都市【アーベルン】に向かう中でレオ達は二手に分かれて大型の馬車の中に揺られていた。


 速報で届いた覇王祭の予選ブロックの振り分けの紙を見ながら、各自、自分のブロックを確認しているところだ。


 ちなみに、ブロック分けはこんな感じでかなり固まった結果となった。


 第一ブロック

 カーリ、ロゼ、他【兵科】より四名。


 第二ブロック

 ニーツ、ヒカル、他【兵科】より五名。


 第三ブロック

 レオ、カニス、ウムブラ。


 第四ブロック

 【兵科】より三名、【諜報科】より一名。


 第五ブロック

 ヴィデレ、ミラ、タラナ、他【兵科】より一名、【諜報科】より一名、【救護科】より一名。


 第六ブロック

 ビスティア、レックス、ベッルス、他【兵科】より三名。


 第七ブロック

 マリー、アヤ、他【兵科】より三名。


 第八ブロック

 イティネ、他【兵科】より六名。


 一万人以上の参加者が八ブロックに分けられ、一ブロックあたり千人超いるので固まるのは仕方ないが、かなり面白い対戦カードになったとレオは頬を緩める。


「出ましたよ戦闘狂特有の笑顔」

「そんな顔はしていない。」

「それにしても、各ブロック千人の中から四名しか勝ち残れないなんて、中々酷ですよね~…ま、これ考えたの私なんですけど、アハハハハハ!!!」


 実はこの覇王祭、勇者という身分で中々戦闘ができない鬱憤を晴らすためにヒカルが開催したものだ。

 売名や、腕試しをできるので結果的には感謝しなければならないのだが、それがヒカルだという事実にやるせない気持ちになるレオは、取り敢えず隣に座って高笑いするヒカルの横腹に一撃を加える。


「マリーやアヤも参加するとはな。二人とも【救護科】だろ?戦闘は不得意だと聞いていたんだがな。」

「ルルアさんとの一件以来、物凄い努力したみたいですよ。レオ様や、カーリだけには無理させられないって」


 ブロック表を見ながら、レオは、ヒカルとは反対側の、左隣に座るロゼに尋ねる。

 ロゼは元々マリーとアヤとは同じクラスで面識が深く、寄宿での部屋も近いので、未だに仲良く話すことが多いらしく、事情をレオに教えてくれる。


 『ツンデレオ様を愛する会』会長のマリー。そそて、『カーリくんを陰ながら応援する団』団長のアヤ。

 二人も、レオの知らないところで努力している事を【覇王祭】の試験でよく知れたレオは満足そうに頷く。


(ただ一点を除いてはだな…。)


 ふと、ブロック表を見ながら顔を曇らせるレオ。


「どうかしましたか?」

「いや、何でもない。そろそろ着きそうだな。」


 心配して声をかけるロゼを、上手くかわして話題を逸らすレオ。

 全員が外に意識を向ける中、レオはブロック表をもう一度見つめると、折りたたんでポケットにしまう。


 第七ブロック

 レイナス=フィエルダー


 第八ブロック

 レクサス=フィエルダー



「うわー、広いなー」

「一万人以上を管理するんだ。観客を合わせたら、こんなものじゃないぞ?」


 【覇王祭】当日。

 到着してからは、各々、それぞれ当日に向けて準備をしたり、観光をしたりと色々あったが、今は全員開会式に参加している。


『それでは、この都市の代表であり、上級神のフォルス様に挨拶をいただきます。皆様、ご注目ください。』


 アナウンスと共に進行されていく開会式、そろそろ大詰めなのか、代表者の挨拶に移る。

 ちなみに開催者であるヒカルは、欠席となっており、周りから注目され無いようフードを被って開会式に参加している。


『ご紹介いただいた、上級神のフォルスだ。今回も無事に覇王祭を開催できたことを喜ばしく思う。当然、我も全ての試合を見せてもらう。では、皆の健闘を祈る。』

「だれ?」


 空から天女のように舞い降りたフォルス。

 淡い紫色によく合う純白のドレスを身に纏い、幼い体ながらも、大人の女性の雰囲気を出している。

 全身から神々しいオーラが溢れ出ており、登場した際は、参加者のほとんどが「おお」と感嘆の声を漏らしたほどだ。


 だが、カーリの知っているフォルスは、全く違うもので、素で「この神様らしい神様は誰だ!?」と疑っている。

 無理もない、カーリが勇者試練で出会ったフォルスは、ダボダボのTシャツを一枚だけ羽織った、半円を描くアホ毛と、気の抜けた喋り方が特徴的な幼女だったはずなのだから。


「貴様、上級神の中でも最強と言われている運命神のフォルスを知らないのか?」

「いや、知ってるんだけど、あれは知らない」


 神すらも呼び捨てするレオにツッコミを入れるほど余裕の無いカーリ。どこか遠い目をしてフォルスを見ている。


「あ、やっぱりフォルスだ」

「だからさっきからそう言っているだろう。」


 レオが喋ったことで声を聞きつけたのか、こちらを凄い勢いで見つめるフォルス。

 一瞬、目がハートになり、隠していたであろうアホ毛がピンと上に伸びたのを見て、カーリは安堵の声を漏らす。


「さて、第一ブロックはすぐに始まる。準備はいいか?」

「もちろん!!」


 この予選のブロック分けでの勝負は、訓練場ほどある大きなステージの中で、それぞれ選手に振り分けられた番号を上から百人ずつで争い、そこで最後まで立っていた人が、次の二次予選に行くことができる。

 そして、二次予選では、一次予選で勝ち抜いた参加者の中でもう一度ステージ上で勝負を行い、四人になるまで戦うという非常に長い戦いになる。

 ちなみに、ステージの外に出た場合は失格、気絶、もしくは十秒以上のダウンでも失格、もちろん相手を殺めた場合も失格だ。


「優勝は貰うぞ。」

「この前の、模擬戦の続きをつけてやる!」


 そう言って拳を突き合わせる二人。


 今ここに、【覇王祭】の幕が上がる。



「カーリくんは、やっぱりという感じで勝ちましたね」


 一次予選最初の試合で出番だったカーリの試合が終わると、レオの隣に座っていたヒカルが呟く。


「集団戦に慣れていないのと、手加減の具合を分かってないせいでかなり手間取っていたがな。」


 レオは酷評だが、十三歳というまだまだ子供の年齢のカーリが危なげながらも、大人達よりも上のその戦闘技術に、見ていた観客や、参加者は大いに湧いた。


「次はロゼだな。」

「ニーツくんとの修行でかなり鍛えたらしいですからね。彼女の生まれつきの馬鹿げた魔力量と、ニーツくんが褒めた補助系魔術をどれだけ活かせるか…」

「問題ない。アイツの魔術は、こういう集団戦にこそ向いている。」


 そうこう話しているうちに、ロゼがステージの上に登場する。

 髪を念の為に黄色に染め、いつもの麻色のローブを被ったロゼ。

 ロゼには珍しく、念の為に軽装を身につけ、ステージの端の方を陣取る。


『それでは、始めてください』


 アナウンスのスタートの合図で、百人が同時に動き出す。


「ロゼくんは、端の方にいますね」

「大丈夫だ。」


 レオがニヤリと口角をあげたと同時に、ロゼがステージに向かって手のひらを向ける。


「『風よ 我が願いを叶えろ 形は大渦 巻き込め暴風 激しく荒れ狂う風(ニンブス)』」


 生まれながらの大量の魔力をつぎ込んで、ステージに魔術を撃ち込むロゼ。

 大きな魔力の動きに、周りで戦っていた参加者は一同に、ロゼの方を見るが、時すでに遅し。

 空を覆い尽くすような大渦を描いて、ステージ上を縦横無尽に駆け巡るハリケーン。


「お、おう…」

「言っただろう?」


 あまりの衝撃的な光景に、言葉を詰まらせるヒカル。それを見てドヤ顔するレオ。


 次々と参加者を薙ぎ倒していくロゼの魔術。

 暴風が収まった頃には、ステージ上に立つのは、ロゼ一人だった。


「さて、次は姉さんと、貴様の番だな。」 

「ほどほどに頑張るよ」


 ついに幕を開けた覇王祭。


 七日間にも渡る、忘れられない戦いが始まる。

目を擦りながら書いたので、いつもより誤字多いかもしれないです。


それと、ロゼ強すぎ。

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