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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第三章 タキオン
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episode43 勇者試練【四】

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。

『お帰り新しい勇者』

「早かったですね」


 試練を終え、最初の部屋に戻ってきたカーリを出迎えたのは、最高神とヒカル。

 ちゃぶ台を囲んでお茶をすすっており、随分とだらけている。


 三ヶ月ぶりの元の部屋に、カーリはほっと胸を下ろす。と言っても、どこも白い部屋なので見分けはつかないが。


「随分といい目をするようになりましたね」

「そうですか?」

「はい、レオくんと同じ、常に上を目指す向上心の塊のような目をしていますよ」


 カーリの成長に喜びを見せるヒカル。

 やはり、元生徒と教師。生徒の成長が嬉しいのだろう。


『それで、君を正式に勇者として認めるわけなんだけど、祝福(ギフト)はどうする?』

「祝福…?」

「神から貰える力…ですかね。【勇者の魂】は、私がこの世界に来た時。全ての物の作り方がわかる【レシピ】は、この試練をクリアした時に。魔王を倒した際には、この世界と共に死ぬという不老と不死の力を。どれも破格のものですよ」

『私は、君に【勇者の魂】をあげた覚えはないんだが、手違いがあったのかもね』

「手違い…」


 あっけらかんに、あのチート能力を手違いと済ましてしまう神に、微妙な目を向けるカーリ。


『取り敢えず、祝福を決める前に、君の壁を一つ壊してあげよう』

「壁?」

『成長を妨げる大きな壁。普通ならば自分で何年もかけて乗り越えるべき壁を一つ壊すんだよ』

「多分、祝福なんてどうでも良くなるくらい凄いよ」


 懐かしむような、呆れるような目をしながらちゃぶ台に肘をついてため息を吐くヒカル。


『ほいっ』

「何か変わった…?」

「帰ってからのお楽しみですねー、君に足りないものが身についてますよ」

『それで、祝福はどうする?』

「うーん…何でもいいんですよね?」

『大抵のものなら何でも』


 何でもという漠然としたものに、腕を組んで「んー…」と悩みに悩むカーリ。


「じゃあ、学園長先生と同じやつを」

『同じ?』

「不死の力をお願いします」


 カーリも、ナーブスとの戦いでレオと同じく感じていた不死の力のアドバンテージ。

 レオが戦いの後に漏らしていた「不死者はまだいるかもしれない」という言葉。


「それに、アイツの隣にいたいんです」

「レオくんのこと?」

「いいえ…ロゼです」


 照れくさそうにはにかむカーリ。


「俺、こうやっていざ離れてみてわかったんです。ロゼの事好きだなぁって…。昔から恥ずかしがり屋で、内気で、いつも俺の後にいて…けど、時々格好よくて」

「ふーん…」


 少しずつ零すカーリの胸の内に、ヒカルはニヤニヤと笑みを浮かべる。


「俺は人間で、アイツはハイエルフ。絶対俺の方が先に死んじゃうからさ…だから、あいつと同じくらい一緒に生きたいんだ」

『それじゃあ、そのハイエルフが死んだ時と同じ時に死ぬよにすればいいのか?』

「えっと…ロゼの死んだ次の日にお願いします」

「青春ですね~…あー、お茶が美味しい」


 カーリの恋バナをお茶請けに、お茶をすするヒカル。また、カーリの弱みをヒカルが握ってしまった。


『承った。そこのニヤニヤしている勇者にも言ったが、私の不死の力は完璧じゃないから、そこは分かっておいてね』

「あまりに酷いと治りが遅いですし、封印されたら一生何もできませんよ。まぁ、封印されないくらい強くなれば問題ないんですけどねー、アッハッハッハッハッ!!!」

『この破綻者(ワスターレ)野郎』


 最高神にまで言われるヒカルの性格破綻。

 いつも慣れている光景だが、苦笑いしか浮かべられないカーリだった。


「じゃあカーリくん、帰ろうか」

「はい!」

『転移開始』


 ここへ来た時と同じように、淡い光が二人を包み、目を開けると最初に来た神殿の光景が目に映る。


「ほっ…戻ってこれた」

「久しぶりの地上ですねー、いやぁ、神界のふわふわとした感じよら、地に足を付いてこその人間ですね」

「あの、浮いてますけど…」

「床がボロボロで、いつ抜けるか分からないからねー」

『それじゃあ、色々と頑張って私を楽しませてくれよ』


 脳内に響く最高神の声。懐かしい感じにカーリの頬が緩む。


『それと約束したからな、私の名前を教えよう』

「あっ…」

『私の名前はウルティム。この世界を作った最高神さ』


 その言葉を最後に、スっとウルティムの気配が消える。


「帰りましょうか、リベリオンに」

「はい!」

「それに、今、レオくん超ピンチだしね!アッハッハッ!」

「え!?」

「さぁ帰ろう、おうちに帰ろう」

「ちょ、えっ、どういうことですか!!?」



「チッ…こちとら、最強の吸血鬼の眷属になって、かなり強くなっていうのに、嫌になるねぇ全く…全員ぶっ殺してやる!!死に晒せクソ野郎共…!!!」


 レオを囲む千二百の帝国兵。


 緑を基調とした鎧を身につけた帝国兵が、次々にレオに襲いかかる。

 それをレオは、禍々しくオーラを放つ黒の刀身を持つ長剣を乱暴振るって地面に叩きつける。


「斬っても斬ってもキリがねぇ…が、楽しくなってきたじゃねぇか!!汚ぇてめえらに唯一残された美しい鮮血を撒き散らしやがれ!!」 


 横腹に大きく刻まれた切り傷を片手で押さえながら、レオは叫ぶ。


「私は規定で手は出せないが…まずいな」


 ヴィデレは、帝国兵に囲まれるレオを見下ろさながら、飛び出したい気持ちをぐっとこらえる。


 ヴィデレを含めた、ヒカルなどの一人で戦争のバランスを壊しかねない存在がこの世界には十人存在する。

 十英傑と呼ばれるこの十人は、戦争規定により、加担するのはいいが、戦争に参加することは禁じられている。


「あの馬鹿…宣戦布告なんてするから…【野性全解放(フルビースト)】か」


 今のレオは、野性を解放しすぎたせいで、理性が手綱を握れなくなってしまった。

 狂ったように罵詈雑言を叫びながら、剣を振り回すレオ。


「何もできない自分が歯がゆいよ…」


 血が滲むほど、拳を握りしめるヴィデレ。


「帝国不死狩り部隊『プレデター』千五百人対一人…おもしれぇ!おもしろいなぁおい!」

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「【雷同】!!!」

「ぐわぁ…!」

「雑魚がしゃしゃってんじゃねーぞ!!」


 斬り掛かってくる帝国兵の顔面に【雷同】を叩き込みながら、わらわらと群がる帝国兵を鬱陶しそうに強引に払い除ける。


「やはり、普段の実力を全く出せていない…」


 レオは、戦闘が始まるよりも前から野性を全開放していたため、今のレオは、魔闘気どころか、ギアスすらも発動していない。

 野性の勘でそこそこやってはいるものの、不意打ちを何度も喰らっては回復をしているが、不死狩り部隊の不死に対する特攻を持った武器のせいで傷は着々と増えている。


「普段なら、すぐに倒せるのに…くっ…」


 もどかしい、早る気持ちを抑えて、ヴィデレは自分の右腕をグッと握る。


「これで終わりだ!化け物!」

「しまっ…」


 レオの不意をついて、先程殴られ、レオの足元でのびていた兵士が立ち上がり、レオに向かって剣を振り下ろす。

 どうやら、やられたフリをして、機会を伺っていたようだ。


「【加速】」


 レオの肩に、不死狩りの剣が振り下ろされる瞬間、小さな影が間に割って入り、剣を素手で受け止める。


「待たせたな!勇者参上だ!」

「クソ平民っ!」


 ドヤ顔でレオと兵士のあいだに入ったカーリは、手に持っていた剣を取り上げて、兵士の腹へ拳を撃ち込むと、レオに背中を預ける形で、ファイティングポーズを取る。


「反撃開始だ!」

半分ぐらい書いてる時にデータが消えた発狂。

なんとか間に合いました。

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