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タキオン・リベリオン~歴史に刻まれる王国反乱物語~  作者: いちにょん
王国反乱編 第九章 強さを求めて【前編】
146/286

episode145 体感

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、レビュー、文章ストーリー評価等いただけると幸いです。


導入ということで凄く短めです。

「小僧との差を数値で知ったところで、次は体で知るとしよう」

「体?そんなことが可能なんですか?」

「我の魔術ならば…だがな。『固有結界』の一つ、結界内の生物の見た目、強さ、能力、細胞一つ一つまで自由に操れる。我の知る範囲のものならなんにでも」

「それって実質無敵じゃ…」

「これでも(われ)は神を合わせても世界で四番目に強いからな…クックック」


 嬉しそうに喉を鳴らすヴィデレ。

 場所は変わらず第八訓練場。

 それぞれの強さの数値を知ったところで、特に強くなるわけでもない。だが、目標や相手を知ることは大切な事。目指す領域が分からなければ、どれだけ修行を積んだところで意味が無い。


「それでは始めるぞ。【精神と真実の月アニムス・ウェリタスルナ】」

「何か…変わったなの?」

「ミラちゃん特に何も感じないんだけど…」

「分カラナイ」


 『デクストラ』の【牢獄結界】、レオの【暗転】などは発動と共に周りの風景や、空気、魔力の流れなど、変わったことを感じ取れるものがある。

 だが、ヴィデレの【精神と真実の月】は、感じ取れる範囲での変化は何も無い。


「当たり前だ。何も変えていないからな」


 【精神と真実の月】は、ヴィデレが言っていたように、この空間ではヴィデレが全ての決定権を握っている。最初の発動時ではミラ達の強さは何も変わっていない。発動した後に変えるため、変わっていないのは当然のことだ。


「種族を吸血鬼に、【ギアス】全開放、万視の魔眼、魔剣ネーザ、【深淵】、魔力や魔術の才能、思考能力、全てを引き上げる」

「うっ…」

「【深淵】の痛みだ。吸血鬼だから死ぬ事は無いが、小僧は常にその痛みに耐えている。そのうち慣れるから安心しろ…さて、早速勝負と行こうか【鎖よ】」


 ヴィデレは地面を靴底を使って数度ならすと、左手に出現させた魔術陣から鎖を十本引き抜く。


「まずはミラ。お前からだ」

「はい!」


 動き一つ一つがぎこちないミラ。構えを取るのも一苦労のようで、体の勝手が全く違うことに脳が混乱しているようだが、その違和感もすぐに消えるだろう。


「いきます!」

「こい」


 グッと足に力を入れて踏み込み、ヴィデレに向かって飛び出すミラ。


「えっ!?」


 勢いよく飛び出したミラだったが、ヴィデレとの間合いを詰めるどころか、ヴィデレの横を通り過ぎて壁と激突してしまう。


「痛く…ない…?」

「慌てるな。魔眼を使って応用すれば、自分の体のことも視える」


 その後、ミラを含め全員がレオの体のスペックの高さ、魔術への深い思考、次々と湧き出る戦術に振り回され、戸惑いと、レオとの差を文字通り身をもって実感した。


「どうだった?」

「良ク分カッタ」

「これが兄貴の見ている世界…さっきまで俺は兄貴になっていた?俺が兄貴で兄貴は兄貴…」

「馬鹿なこと言ってないで、早く立て。今から私は、一週間ほど準備をしてくる。それまで私の分身と模擬戦でもしているといい」

「え、今すぐ修行するんじゃ…」

「馬鹿言え。ついさっき頼まれて、幾億人が行き詰まった扉を開ける方法を用意できるわけが無いだろ」


 先程までの数値や、体験はただの確認。

 本当の修行はここからだが、いくらヴィデレといえど、すぐに出来ることではない。

 当然のことだろう。ただの修行でどうにかなる問題の事ではないのだから。


「まあ安心して待て、半年後にはどうにかしてやる」


 ニヤリと口角を上げて笑うヴィデレ。そこには、自信に満ち溢れた威厳と、頼もしさがあった。


本日、色々と忙しいためこの時間に更新です。すみません。

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