街道
坑道を抜け、晴れ渡った空の下を進めば、正規のルートである街道の整備された道までたどり着いた。
まだ道のりはあるものの、坑道の圧迫感がないだけで、気持ちは楽になる。
しかし、フィオルの心にはわずかに曇りがある。昨日みた夢のせいだ。
神に言われた事は当然の事。大切な勇者……それ以上でも、それ以下でもない。だから悲しむのはお門違いなのに…
神が心配するのは自分だからじゃない。そう言われた気がした。
気落ちしても仕方ないのだ。だから、少しは前を向こうと思う。
空元気を見せながら、フィオルは初日のように前を進んでいく。
晴れた空。やっと坑道から抜けたのに、切り替えよう。
フィオルは初日のように元気な振りをして前を歩く。
メイサは
「そろそろダンジョンマスターが出る頃ね。気をつけてちょうだい」
等と言う。
フィオルは
「ダンジョンマスター⁉」
すっかり忘れていた。そう、こういったフィールドには主である少し強めのモンスターがいる。そろそろ出て来る頃である。
アイラは
「今回のダンジョンマスターはギガントベアだ」
サーラも
「でかい熊。三メートル」
思った以上にでかい。フィオルは昨日の事も忘れて、震え上がった。
「三メートル……」
フィオルは不安だ。
マヤも
「やだなー」
等と言う。不安だけは高まる。
サーラは
「いける。爪攻撃気をつけたらいける」
心なしかサーラはワクワクしてるようだ。フィオルも切り替える。目の前のダンジョンマスターの方が怖そうだ。三メートルなら、フィオル二人分くらいだろうか。
きっと、小さなマヤ二人分くらい。
そう思うと、マヤと目があった。
マヤは
「ひょほ?」
なんかはにかんで笑った。
フィオルも笑ってしまう。なんだか気が抜けて、頑張れそうだ。
向かう先の街道、舗装された道を歩いていく。あと見張らしもいい。
うごぁーーーーっ‼
獣の荒ぶる吠える声。
みんな陣形を整える。後衛を守るみたいに立つのはアイラ、サーラ、フィオル。
アイラが
「流星蹴り」
星を纏ったハデな蹴りが炸裂する。見た目も派手だが、攻撃力もなかなかある。
サーラが
「連切り」
これはスピードに由来する攻撃。スピードによって切る回数が変わる。サーラはスピードがあるので、これがなかなか強いのだ。
マヤは
「メガフレイム」
今使える一番強い技だ。
メイサが
「ガードアップ」
防御の補助
そして、フィオルが
「突撃ーーーっ‼」
剣をともなった突撃は強力だ。クリティカルは出ずとも、ギガントベアを倒した。
ぐおぉ………
ギガントベアは倒れふし、消えていく。
アイラは
「いいじゃん」
サーラも
「ん」
マヤも
「ねー」
メイサも
「よくやったわ」
フィオルは、レベルを上げた手応えを感じた。たくさんギルド行けた事は良かったみたい。
あとは、のんびり街まで進むだけ。
「よし、早くついて、ベッドで寝よー」
フィオルが言うと、
みんな、おーって元気良く返事をした。




