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勇者少女のチートがすぎます。  作者: フローラルカオル
武道家と共に
7/86

蔓の魔物

女の子二人。暖かい日差しの下を歩けば、ちょっと軽いケンカだってする。

ぷいっと横を向いてしまったフィオル


「ははは。悪かったよ。もうしないから」


強引にアイテムメニューいれようとしてきた。それをぷくーっとふくれて抗議するフィオル。

(もぅ、許さないんだから)


なんて思っていると


グニッ


足裏に紫のぶにぶに‼


アイラが

「ポイズンスライムだ‼フィオルはなれろ‼」

そしてら、スライムが紫の汁を飛ばした。フィオルに直撃

「きゅ~」

フィオルはぐったりした。状態異常、毒だ。


アイラは

「あちゃーやっぱりだよなー。言うの遅かった」


フィオルは、ライフが減っていく。アイラはアイテムメニューから毒消し草、取りだしフィオルの口につっこんだ。


むぐっ


(そこまでしてくれなくていい…)

フィオルは涙目で抗議


アイラが、近くの枝をもって

「はい、プチーっ」

むしろ、楽しむように深く刺したのだった。


パンッ


スライムが弾けて、アイラは

「やった」


そのそばで、青臭い毒消しをモシャモシャしているフィオル。


アイラは

「大丈夫か~?」

いいことしたって顔だ。

フィオルは

「うん…すごく苦い…草…」


繊維がなかなか喉を通っていかない。しかし、毒は消えた。こんなんで、大丈夫だろうか。不安そうな顔をしてるフィオルに、


「あたしがついてる」

キラッといい顔をして言ったアイラ





だいぶ歩いた頃、木々は密になって、届く日差しも弱い。うっそうと茂る視界の暗さは不安を掻き立てる。良くない空気だ。

モンスターはおろか、お化けすら出てきそう……


「な……なんか出そうだよ……」

怯えるフィオルに、

「へーき。へーき。出てもスライムかお化け。こわかったら、アイテムメニューはいる?」


フィオルは

「入らなかったでしょ?結局胸触られただけだったし…」


アイラは

「ごめーん」

ヘラヘラしている。そんなに嬉しかったか。フィオルの胸を触った女子はいつもこんな顔をする。


フィオルは

「もぅ。おいてっちゃうよ」


足を早めたら、



グニッ


二度目のポイズンスライム‼


汁ブワーからの毒状態


アイラは

「はは。これないな、ウケる」

そこで、また引っくり返ってる。また草をモシャッとフィオルの口につっこんだ。


フィオルは

「わひゃひてくへふひゃへへ…」


草のせいでしゃべれなかった。アイラは

「ん?」

枝でぷすー。スライムぱーん


フィオルは草をモリモリ噛んで、強引に喉におしやって、

「だから、渡すだけでいいんだってばー‼」


森中に声は響くのだった。


アイラは

「あっ、動くとダメージくらうだろ?だから、あたしは」


フィオルは

「う…」

親切…けど、

「草の入れ具合によっては…吐くから…」


アイラは笑って

「気を付けるよ。ね、怒らないで?」


フィオルは、なんだかオモチャにされてるような気もするのだった。


アイラは

「ほら、ここ抜けたら新しい街だよ。そんなふくれてないで早く行こ」


アイラは先を歩き始める。


ズサササーッ


アイラの足の地面スレスレでスライム飛び出してきた。


このスライムわざと足狙ってるんだ。


アイラは、転んで

「きゃーっ毒ー」


フィオルは毒消し手にとって

「うふふふ。アイラ無理やりつっこまれるのお好き?」

さっきと、さっきの恨み。


ムギュ

アイラの口につっこんだ。


アイラは

「ひゃほふひゃらひひ」


何か言った。でも、スライム倒す方が先。フィオルは剣を持ち上げて落とした。

ズダーン


スライムを倒した。


倒れてるアイラに近づいて、フィオルは

「ほらー。ね?結構辛いでしょ?」


かがんだフィオルの胸元から、柔らかそうな白い丘…からの谷間…アイラは

「フィオルになら、つっこまれてもいい…」


なぜか幸せそうに言うのだった。


フィオルは苦笑い

「もー、早く立って。行こう」


アイラの手を引いて立たせた。冗談はさておき、こんな事では毒消しがなくなってしまう。アイラは、

「あいつら、歩いてる生き物狙ってくるんだな。すり足で歩こう」

フィオルは

「そんな事で⁉」

アイラは

「いけるいける。何事もためしてみよー」


二人また、すり足で歩いた。すると、スライムは一匹も出てこなかった。


アイラが得意気になった頃


フォンッ、フォンッ


なにか音がした。アイラが隠れて

「こっち…」

フィオルの手をひいた。


暗くなった森の奥、変な音がする。

アイラは、

「なんかいる…。それも、結構でかいやつ」


フィオルは

「ど…どうしよう。」

アイラは

「ここにいて。見てくるから」


アイラは四つん這いで進んでいく。と、


「きゃあぁぁぉぉーーーっ」


とたんにそこいらに張り巡らされた蔓に絡まる。そして、ズサササーッとアイラは連れていかれる。


「アイラーーーーー‼」

フィオルが慌てて追うと、


フォンッ


草の蔓が、ムチのようにしなり、フィオルの元へ


「いやぁぁぁぁぁ」


ズサササーッ


後先考えずに追うとこうなる。アイラはすでに蔓に足を絡めとられ、逆さで宙づり。

「なんであんたも捕まってんのー‼」


フィオルは

「う…だって…」


フィオルの方は、なぜか亀甲縛りになっていく。

「痛い、痛い。おかしいよ。なにこれ⁉」


アイラが

「あ…そのまま…」


フィオルは、みんな敵‼ って思いながら、まだ完成してない自由になるうちに、アイテムメニューから、包丁取り出した。


ザクザクザク…プチンッ


なんとか切れた。アイラも、

「そっか、ナタもあった」

アイラも自分の足元の蔓を切る。と、

フォンッ


アイラに新たなる蔓が!

ナタが飛ばされてしまう。

「ちょっとーあっちがダメだからって、なんで今度はこっちなのよー」


また亀甲しばりしようとしてる。けど、モタモタみてはいられない。


フィオルは剣を拾いにもどった。それを見たアイラは

「あー置いてかないでー」

叫んでいたけど、ちょっと亀甲縛りされといてもらおう。完成するまでにはまだかかりそうだし。


フィオルは蔓の根元を狙った。ただの亀甲縛りならいいけど、この後、なんか乙女には恐ろしすぎる目にあいそう。


フィオルは緑の球根を見つけた、これが蔓の本体。

フォンッ

蔓がしなる。フィオルはそれを大きすぎる剣を盾にしてしのぎ、包丁を振りかざした。

「わ…私だって、料理くらい手伝ってたんだから‼」

その玉ねぎのような物に刺した。玉ねぎは、固い手応えだったのに、切り口から、汁をぶちまけ、ドローンと溶けた。


そしたら、

「ギャンっ」

亀甲縛り未遂のアイラは、地面に打ち付けられた。蔦も溶けていく。受け身とれなかったアイラは、鼻を押さえ

「鼻なくなってない…?」


フィオルは、

「見せて?うん。大丈夫。かわいい」

うっかりたらしこんでしまった。アイラはデレーっとして、

「も…うれしくなんて…。別に…」

なら、そんな嬉しそうなんだろう。


フィオルは、思った。

「剣より包丁、使いやすい…」


率直な感想だった。アイラは、

「なら、使う?」


勇者として、どうなんだろう。しかし、背に腹は変えられない。


アイラが

「所でフィオル…ちょっとかっこよかったね。」

もじもじしながら言った。

フィオルは

「そ…そうかな」

素直に嬉しそうだ。


アイラは、

「そうだよ。ついでにレベル二個あがったね」


フィオルは、ステータス画面を開いた。

攻撃3、防御3、体力12、素早さ5、魔力25、運83


フィオルは

「あんまり上がってないよーーーーーー‼」

叫んだ。



レベル二個上がったのに…攻撃2

私…今日はやっと勇者みたいに活躍したのに…

彼女の進む道は険しい。

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