馬はねる
フィオルはまだ捨てきれない。馬の背中に乗ってパッカパッカしたいと言う事。
泉も見渡せる腰の高さの草原。木も数本はえるこんな場所で勇者一行はみんな体を寄せあっている。
一角獣の群れがいるのだ。
水を飲みにきたであろう馬達は見張りを交代しながら水を飲んで行く。警戒心が強いらしく鼻息荒く見渡す馬の表情は険しい。
一本の長い角は、そのままぶつかられたらフィオルを悠々と貫通してしまいそうだ。物騒な角である。
メイサは
「あの手前にいるやつを縛ろうかしら」
なんだか物騒な物言いである。
アイラは
「じゃあマヤ、魔法たのむよー」
マヤも
「おー!」
気合い充分だ。
フィオルも戦いに備えておく。サーラもだ。
そしたら
「シルバーバインド」
油断してた馬を縛った。
馬は水を飲むのをやめ、マヤは
「クリムゾンレイブ」
馬のいる草原を火が地面から広がりパチパチと燃えた。攻撃力はぼちぼち。しかし、馬達は恐慌状態におちいり、跳ね回った。けど、あまり効果がないようだ。
サーラは
「ちっ、気付かれた。」
馬達もこの程度で群を散らすほどではないと言うのを学習してたらしい。馬はこっちを向き、
「ヒヒーン」
蹄を上げる。
フィオルは
「あれ?なんか、どういう事?」
予定と違う事になってる。
サーラは
「失敗」
フィオルは
「え?」
アイラが叫ぶ。
「木に登れー‼」
みんなハッとして、その隠れてた木に登る。あきらかにマヤやメイサはあまり木に登った事がない。あわててフィオルが手を貸して下から押す。
フィオルも登ろうとしたらそのマントを馬がくわえる。すると恐もての馬と目が合った。
「うまーーー!?」
フィオルは登りかけたきの中腹で、キャーッとなっていると、上からサーラとアイラが手を引っ張る。
マヤは
「ファイア」
馬の体に向かって放つ。と、口からマントは離れた。
「よいしょ」
「んっ」
アイラとサーラがフィオルを抱えるように引き上げた。
フィオルは
「うう……馬怖い」
なんか噛まれたらすごく痛そうな歯をしていた。二人の手の中でプルプルしてる。木の上は女の子達五人でみっちみちだ。足場も悪い。馬達が一気に体当たりしてきたら、木は倒れるかもしれない。
馬は飛んだり跳ねたりしながらまたフィオルのマントのあたりをくわえようとしてる。
メイサは
「さてどうしましょうか……」
ひんやりとした声だ。
馬は20頭くらいいるだろうか。とてもじゃないが戦えない。
マヤは
「クリムゾンレイブする?」
アイラは
「木が燃えるだろー」
フィオルは
「ニンジンで機嫌をとる」
メイサは
「もっとよこせって離れなくなるんじゃない?」
サーラは
「もう家つくって住む」
フィオルは
「住むの⁉」
メイサは
「あなた達、現実をごらんなさい‼」
今はマジで少しキレ気味のメイサ。
もはや、いい案でなければ一番おかしな事いった順に木から落としていくのがいいだろうか……メイサの目は怖かった。
メイサの怖い顔を見てもサーラは涼しい顔をしてる。これを見ていると、すべての現況はこの人だとメイサは気づく。




