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勇者少女のチートがすぎます。  作者: フローラルカオル
武道家と共に
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出発

爽やかな朝…だけどアイラはガチャガチャやっている。

どうしたの?アイラ

フィオルが見ると、アイラはクローゼットから、物ポイポイ。

まさか…これ全部、旅にもってくの…?


アイラはテキパキと荷物を山のように積んでいく。


「あとあとー、あっ、フライパン忘れる所じゃん。鍋も持ってこー」

アイラはご機嫌だ。


そのアイラを見ているとフィオルは不安になる。ちょっと持っていきすぎじゃない? …というのも、アイテムメニューと言うもののせいだ。


~アイテムメニューの使用方法~


・アイテムメニューを呼び出します。

・コマンドがでるので、そのままタップ

・取り出す、入れる

・アイテムの収納には上限があります。

・捨てたい時は取り出した上で個人で捨てましょう。

・パーティーのアイテムメニューは共通で、どの武器を使っても 取り出せる。

・ケンカにならないようにしましょう。





フィオルは思いだす。こんな便利なメニューがあったと知ってたら…


ウサギのぬいぐるみ

効果:よく眠れる


あとは服…

お母さんに買ってもらった、白のワンピース…まだ一度も袖を通してないのに…


白のワンピース

防御、1


友達が赤いヒールの高い靴くれて、あれかわいかった


ビジューの付いた赤い靴

防御、1 素早さ、-3


そして、お母さんの手作りクッキー…


母の手作りクッキー

回復:500回復



サバイバル用品が何もない。フィオルだけでは数日もつかどうかだ。







アイラがキッと睨みをきかせ、

「あんた、遊んでないで、そこ、アイテム入れてって‼」


ビシイィィィ




荷物の山を指差した。フィオルは苦笑いして


「本当に入るかな…?」


不安になった。しかし、入る入る。アイテムコマンドを選択。

「ピッピッピ~♪」

フィオルが楽しくなっていく。


そばにある積んでる山があっという間に片付いてしまった。まだ空きがあるようだ。このまま、このアイテムメニューに住めそうだ。


アイラはやっとあらかた気がすんだらしく、

「あとは、カテゴリ分けっと。ピッピッピ~♪」


アイラが何か操作してる。あらたに

食品

暮らし

回復


カテゴリがさささーっと分けられていく。フィオルは両手を合わせ

「すごい、すごーい」


アイラは

「へへん。」

すっかり、いい気分だ。


いいように乗せられて、なんでもしてしまう。アイラはもはや、フィオルに洗脳された親鳥1だ。


フィオルは

「すごい。テントや寝袋まであるのね。あっ、私の分も…」

アイラは

「もちろん。なんでもあるよ。ほら、サキイカも」

「サキイカ⁉」


いつの間に。

サキイカ

回復:10


ビーフジャーキー

回復:15


フィオルは

「乾き物だ…」

この様子だと、焼酎とか出てきそうだ。


アイラは

「あとは食材と回復アイテム買ったらいいよ。アイテムメニューの中は腐ったり痛んだりしないから、本当に優秀なんだよ」


フィオルは驚いて

「そ…そんな事書いてあった?」


武道家の書にはそんな事書いてなかったはずだ。


アイラは

「歴代の武道家の知恵が、そこの記念館にあるよ。ついでに見てくる?あたしはその間に買い物してくるよ」


フィオルは

「あっ、待って。買い物するなら…」


鞄から、盗人柄のガマグチ財布を差し出した。

「少ないけど、私の全財産なの」


少し恥じらうように言ったのだった。アイラは薄々思っていた。パーティーになって、2万円くらい増えたな…と。残念ながら、そんな足しにはならないけど…

「あ…ありがとう」


フィオルはお金を使うくらいの時間はなく出発したみたいだし、どうやらフィオルの村では、出発資金とやらをくれないようだ。


フィオルは、

「ふふ。良かった。」


喜んでホッとしてるけど、ステータス画面の金額の所…見ると52万円だ。この街では武道家になった時点で給与が支払われる。武道家は町ぐるみで育てるのだ。この差額に気付いたら…フィオル気にしそうだ。アイラは不憫になった。


「さぁ、フィオル。あんたの事はあたしが守るから。武道家の博物館あるから、行っといで」


フィオルは

「はーい。アイラ。本当にありがとう」

そう言って元気に歩いていく。


もはや、フィオルにありがとう。と言われるのが快感になりつつあるアイラ。







ー武道館博物館ー

その歴史と、伝統。神の戦士となり、勇者と旅立てるのはごくわずか。武道家の役目は、勇者としての力を試し、力なき者を選定する役割を担う。歴代の武道家達の写真が飾ってある。

アイラの写真も、いかつく大きな額に入って飾ってあった。

勇者選定回数、58人

他と比べても多いようだ。他は10人そこそこ。なかなか強くて旅立てなかったのだろうか。


歴代の武道家の手紙とか飾ってある。

これのお陰で、色んな情報がわかるのだ。


武器もそれぞれ違う。ボクサーグローブタイプ籠手までガッチリの手甲タイプみんながみんなデザインが違う。アイラのイメージでメリケンサックになったのだろう。


あとは、これから進むチャートも乗っている。これは、攻略本並だ。だいたいの勇者の魔王城までの攻略ルートが書いてあるではないか。


フィオル

「うふふ。覚えとこう」

すべての攻略ルートを頭に入れた。


アイテムメニュー腐らないか検証したって話は、ドキドキする内容だった。サシミ、何日後まで食べれるか…だ。検証は手紙に記されている。

遠く離れても、街に手紙をくれるなんて…それに、街ぐるみで武道家をとても大切にしている。


フィオルは、一角に作られた。

《応援しよう。アイラちゃん専用ブース》


とやらに差し掛かる。

逆ナンされてぶちきれて暴れるアイラ血まみれの拳をふるっていたら、武道家を継承かわいいのに狂犬。うっかり触る男はボコボコ。

そこに飾られた、特効服を着た黒マスクの女の子の写真…アイラですか?


フィオルは

「と…とんでもない娘さん…預かるのね…」

さらなる覚悟ができた。余談だが、ファンクラブもある。


そうこうしてたら、約束の時間になって、アイラと街入り口で待ち合わせる。アイラは手をふって

「ちゃんと見れたー?」


そう言って笑う。そんなアイラは、さっき見た凶悪なまでの目をしていない。フィオルは

「うん。アイラの写真もあったね」


そしたら、

「ああ。ヤンチャしてた時のだろ?まったく。残しとくなよなー」


少し恥ずかしそうに頭をかいていた。フィオルも苦笑いする。話をかえるように

「なに買ったの?」


アイテム画面を見ると、数ある食材の中に


サシミ:回復30


「サシミ⁉」

フィオルはビクッ

アイラは

「一度試してみたかったんだー」


のんびりと言った。

フィオルは

「冷たいままなのかな…」


アイラはいたずらっぽい顔で

「試してみたらいーじゃん?時間はいっぱいあるんだし」


楽しそうだった。この頼もしいアイラと一緒なら慣れない旅も楽しそう。と思える。フィオルは

「ふふ。アイスクリーム入れてみる?」

他の物とくっついて大変そうだ。


アイラは

「ヤバすぎる‼やろーやろー」

スリルが好きなようだ。


「水とか、容器に入れないで取り込んだらどうなるんだろう?」

フィオルはそう言ったら、


「ヤバい。ヤバすぎるよ。あんた最高だね」

アイラはやる気だ。フィオルは

「人って入るのかな?」


そしたら、アイラは

「…どっちが?」


フィオルはあわてて、

「やらないよ?怖いもん」


そしたら、アイラは

「…フィオル…ちょっとだけ…」

そーっとフィオルに手をワキワキしながら近づけてきた。


「⁉」


フィオルはにげる。


アイラは追う

「なぁ、ちょっとだけじゃーん。移動楽になるかもだし、やろーよ」

目が怖い。なんかはぁはぁしてない?


フィオルは剣を引きずりながら

「ダメダメーっ‼」

フィオルの一生懸命の動きは、アイラにとってゆっくりだ。素早さが違うのだ。


アイラは

「しよしよ。中どうなってるか知りたいじゃーん。ねー?」


フィオルはあまり早くない足で

「わ…私、あまり気にならないから…」


アイラは

「以外と楽しいって。な、ちょっとだけ」


なんで、そんなに中いれたいの⁉フィオルはなんらかの恐怖を感じていると、そこの木陰から、


プヨン…プヨン…

スライムだ。


アイラ

「でやー‼」


プチんっプルーン


弾け飛んだ。


フィオルは

「すすす…素手…」


アイラは、

「メリケンサックつけてたよ?」

ねちゃー

アイラの手から汁が滴る。


「大丈夫。本体消えたら、これも消えるから」

女の子として、そんな問題なのだろうか。スライム汁、やだーって…ならないのかいっ⁉


アイラは拳をシュッシュとさせながら、メリケンサックも乾いた。

「レベル上げ、これしかできなかったからな。勇者待ちで離れられなかったし。だから、スライムはとにかく潰した」


アイラにとってスライム潰しはライフワークだ何事も慣れ…なのか…?


フィオルは

「そっか。アイラすごいね…」


アイラは目をキラッとさせ、

「なあなあ、だから、アイテムメニュー入ろう?」


「いやぁぁぁぁ‼」

さっきまで、さっきスライム潰した手を近づけてくるのだ。フィオルは、なんか貞操の危機を感じてすごく逃げる。そうしたフィオルを追うのが、アイラの新しい快感になったのだった。

振り返ったフィオルに、アイラは強引にメリケンサックを突きつけた。

「…あっ」

ふにゅっ

「きゅ…急に振り返るから‼」

アイラは後に語る。でっかいだけじゃなく、柔らかく、非常に弾力があったと…

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