戦いの予感
すべての事後処理終わるのは夜11時。もはやちょっと眠くなってきている。メイサはみんなの後ろでひそかにあくびをした。
事件も終息し、どうやら街の人達は全員無事らしい。サーラが早めに街の人達を避難させていたからだ。迅速な対応に、称賛する街の人達。サーラへの信頼をかいま見る事となった。
すべてが終わった後、サーラは
にこっ
笑ってフィオルの頭をなで、そして、
「明日、また会おう」
走ってってしまった。
フルプレートの鎧重くないのだろうか。実に爽やかに走っていってしまったが……
風のように現れて、風のように去っていった。
そこに残された勇者一行。アイラは戦ってるサーラを見て
「なるほどな。強いな。信じられないくらいに」
やはり、そう思ったらしい。
メイサも
「そうね。今回は遊んでられないわね」
視線がビシバシしごきますって顔だ。
マヤは
「あの人、ほとんど一人で解決しちゃったもんねー」
真をついた。
フィオルは
「うう……」
フィオルがした事は猫だましぐらいだ。しかし、なくてもサーラはやっつけられた気がする。肩を落としたフィオル。
マヤは優しく
「大丈夫。あたしなーんにも役に立ってないよ?ほら、みんなも」
明るく慰めた。みんなもハッとした。結構忘れていたが、みんなあっさりと捕まってた。
フィオルは
「サーラ強くていいな。あたしもこのままじゃダメだ。頑張ろっと」
そしたらアイラが
「だな。あたしもちょっと気合い入れなきゃな」
拳をパーンと合わせて鳴らした。
メイサも
「そうね。私は蘇生の魔法を早く習得するわ」
もうすぐ覚える予定なのだ。
マヤは
「あたしはもっとレベルの高い調合を……」
そしたらメイサが
「なんでよ」
突っ込みが入った。
アイラが
「魔法だろーそこは」
笑っていた。
フィオルも笑った後
「私は剣技を頑張りたい。勇者として剣でサーラと戦いたいの」
まっすぐに言った。フィオルの気合いは充分。どうやら第4の試練に向けて気持ちができてきたらしい。
今回の事件はいい意味でピリッと絞まった。それぞれの胸に、再び闘志を宿し、
フィオルは
「そろそろみんなの気持ち聞かせてもらってもいい?第4の試練を前に、みんなどうしたいか。もう決まったかな?」
聞くと、
メイサは
「そんな話あったわね。進みたいか、辞退したいかって話ね」
そう言った。
アイラは当然と言わんばかりに
「そうそう。みんなどうするー?」
そう言ったアイラの意見はもう先に宣言したり通りなのだろう。
マヤは
「アイラは結局同じ答え?」
言ったら、
アイラは
「まあ、そう言う事」
そうウインクしながら言った。
メイサは
「そうでしょうね。まぁ、私も同じ意見だけど」
変わらないらしい。
マヤも
「あたし死にたくない。けど、死ななきゃいいんだったら平気。ひょひょっ」
またひょひょ笑いが出た。
メイサが
「あら?変な音。どこから聞こえたのかしら?」
杖を振り上げようとする。
マヤは
「冗談ですー。嘘ですー。ひょひょって言ってないですー‼」
フィオルの後ろまで逃げる。
フィオルは微笑んで
「じゃあ、みんなの意見は一つだね。ちゃんと戦って前に進んでいこう」
もはや迷いはない。みんな頷き合う。
メイサが
「じゃあ寝ましょ。眠いわ」
寝る事となった。サクッと宿屋に帰って寝る勇者一行だった。
一方その頃……
「死ぬ……」
ブラッドは魔王城の外の城の外、ギリギリ生きていた。
あっ、スライム。どうしよう。うん。食べよう。
ブラッドは腕を伸ばし、そのプルンとした感触に顔を埋めた。
ジューーーーーー
「水っぽい……生臭い」
なかなかうまいとは言えない。これは本当に死にかけの時にしか口にしないタイプの液体だ。ちょっと回復したので、スライムを手放すと、スライムはプルンプルンしながら逃げていった。
「やれやれ。片手でポイだもんなー魔王様」
ダラダラ歩きながら、歩いていると、荷物をまとめたメイドさん見つけた。ラッキー
「メイドさーん。血ーちょうだいー」
運良く血にありつけた。めちゃくちゃ血がコッテリしていた。肉食系の女の子の味がした。
ブラッドが帰ってくると、
「帰ってきたか」
赤い髪の男はそこにいた。そして、通りかかっただけ。といった風情で歩いていく。ブラッドは早足で隣にならび
「えー?待ってたー?」
これはツンデレってやつだろうか。まさか、ちょっと好かれちゃっただろうか。ブラッドは無邪気に
「血ーちょうだいー」
そしたら男は
「誰かからもらっただろ。傷はもう治ったか。良かったな」
チラリと見ただけだった。
ブラッドは怒る
「血をくれるって話は?」
ほっぺたが膨らむ。
その子供みたいなゆとりなブラッドに、男はひたすらクールに
「もういっぺん魔王様に殺されてみるか?そしたらやる」
涼しい顔で歩いていく。
それに、噛まれたのはお前のせいだ。男は心の中でも責める。
ブラッドは
「うーん。そのうちねー」
やる気はないようだ。その態度をみたら毒気を抜かれてしまうのだった。
ブラッドは
「スライムなんて始めて飲んだ。ドブみたいな味したよ。ママに怒られちゃう」
ママ……のフレーズに引いた。




