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11回目の異世界にて。  作者: ユキサキ
8/10

1章~なるほど意味分からん~

今度からは1週間に1回ぐらいのペースで投稿します。

「見えてきたぞ、あれがアルバザード平野だ」


アルバザード平野。

きれいな草原にところどころ花が咲いている、至って普通の草原。

こんなところにグリーンデビルなるものがいるのだろうか。


「じゃあ、アレドは歩いてる俺たちに付いてくるように薬草を集めればいいからな」


「了解」


今のところ、この世界においての戦闘経験やらなんやらはワダツミら先輩ハンターの方が上なので、従う。

トボトボと歩き出す俺ら。

周りを見ると、動物なんかもいることが分かる。


「おっ。これなんか薬草っぽい」


歩いていると、明らかに薬草薬草してる草を発見した。


「おーい。これって薬草?」


「んー?待ってろ、おいラケルー!‘鑑定’頼む!」


ん?鑑定?

呼ばれたラケルという男は俺の側に来て、俺の持っている薬草っぽいものをじっと見つめる。

この見つめる行為が鑑定なのかな。


「・・・うん、これは薬草だね」


「ありがとうございます。それと・・・」


「ん?なんだい?」


「その鑑定っていうのは?」


「あぁ、君はスキルというものを知っているかい?」


「スキル・・・ですか?」


「知らないか・・・。もしかしたらステータスも知らないのかい、というか覚えていないのかい?」


「恥ずかしながら」


「そうかい。まぁ、漂流者で記憶を無くしているんだろ?しょうがないよ。

それじゃあ歩きながら説明していくよ。まず、この世界にはステータスというものが存在している。そのステータスは自分の頭の中で‘ステータス’と唱えると自分の頭の中だけに表示される。その次に‘オープン’と唱えるとステータスが周りの人でも目視できるようになる。まぁ、一種の魔法だね」


ふむ。魔法か。この世界にも魔法が普及しているのだろうか?


「うーん・・・普及というか何というか」



「その魔法のせいで昔この世界では戦争起きて、今でも対立が起きているんだ」


戦争!?


「うん。僕たちがいるこの大陸はラ・ジュールというのは知っているよね?この世界にはもう2つの大陸が存在していることも。王都がそのまま大陸となっているトリグラス。そして、もう1つの大陸は魔法大陸ア・シュガルと言うんだ」


魔法大陸?


「うん。ア・シュガルでは、魔法と共に共存していると言ってもいいほど魔法を酷使している。それと比べ、ここラ・ジュールでは魔法は最低限しか使わない。ア・シュガルが『魔法大陸』とするならばア・ジュールは『武術大陸』という扱いになるのかな?」


なるほど・・・ってまさかそれで!?


「うん。そのまさかだよ。お互いがお互いをバカにした結果、戦争。こういっちゃ何だけど2つの大陸共にバカだよね。その戦争の舞台となったのが、まだ王都が無かった頃のトリグラス。もう100年以上も前のことらしいけど今でもこの話は語り継がれている。戦争が長引いたなか、唯一中立の立場を守ったのが今の王族、トリグラス一族の祖先だ。その人は武術と魔法のそのどちらも素晴らしい物と考え、その両方を使って戦争を止めたらしい。そして、その戦争が終わった後、その跡地に今の王都を築いたってさ」


じゃあ良かったのかな・・・


「いやこれが逆に良くなかったんだよ。もしもどちらかが勝っていれば丸くは収まらないけども収まりはしたんだ。でも第三者から止めれらてしまったせいで、不完全燃焼、収まるはずのことが収まらなくなったんだ」


それは大変だな・・・



「それはもう大変だよ。今でもその対立は続いてて、ワダツミさんなんかはカグラ出身だろ?あそこは魔法を本当に嫌っているからね。あの人からア・シュガルの名前は聞かされてないだろ?そういうことさ」


なるほど・・・歴史は知ることができたかな?


「さて、話を戻すよ。次はステータスか。

ステータスは先ほど言った手順をすれば確認することが出来るよ。それでステータスなんだけど・・・実際に見てもらった方がいいね」


そう言ってラケルさんはステータスを俺に見せてくれる。

意外と早く出るものだな、ステータス。


そこには・・・


==============================

ラケル・ダード ♂ 35 

職業ジョブー盗賊 LV27

HP 700/700

MP 200/200

ATK 150

DFE 120

INT 0

AGI 200

LUC 10


《スキル》

・隠密Lv4

・観察Lv10ー鑑定Lv5

==============================


「これが名前と性別と年齢と職業。その下はHP、MP、攻撃力と守備力、魔法力に俊敏力となっていて、その下は取得しているスキルだね。レベルも分かるよ。スキルを確認したかったらそのスキル名を頭で唱えるといい。職業も一緒だね。次はステータス。ステータスは生まれつきによるものが大きい。攻撃力はスキル無しの攻撃の数値。守備力はそれを受け止める数値。魔法力は攻撃魔法を発動したときの威力の数値で、攻撃力と違って、魔法力はそれを受け止めるものがなく、その数値のまま通る。俊敏力はそのまま素早さだね」


分かりやすいですね


「だろう?スキルにはレベルがあって、使えば使うほど成長していく。レベル10で上位スキルとなる。その上位スキルをレベル10にすると最上位系スキルが出現する。まぁそれはただの言い伝えで僕は見たことがないけどね。それと、決められた上位スキル2つを取得したとのみ混合上位スキルというスキルも現れるらしい。あくまでらしいだけどね」


そろそろ俺のも見て良いですか?


「あぁ、うん。いいよ。気になるだろうしね」


頭の中で‘ステータス’と唱えてみると・・・


==============================

アレド・ソウファール ♂ 20

職業ジョブー受け継ぐ者 Lv1

HP 50000/50000

MP 120000/120000

ATK 150000

DFE 20000

VIT 150000

AGI 50000

LUC 999+α


《スキル》

・農業Lv10

・観察Lv10ー鑑定Lv10ー知識の深淵Lv10

・看護Lv10ー治癒Lv10ー生命いのちの護り手LV10

・生産Lv10ー開発Lv10ー錬金術師アルケミストLv10

・剣士Lv10ー剣豪Lv10ー剣聖Lv10

・虚言Lv10ー隠蔽Lv10ー暗躍者Lv10

・構想Lv10ー妄想Lv10ー幻想Lv10

・拝借Lv10ー奪取Lv10ーあなたの全てを奪う!リメイクユーオールLv10

・魔想Lv10ー魔法Lv10ー大魔導Lv10

・女体Lv10ー女心Lv10ー男の憧れアイドルLv10


《混合スキル》

・剣豪×魔法=魔法剣士Lv1

・隠蔽×奪取=悪Lv1

・治癒×女心=聖女Lv1

・開発×妄想=中二病Lv1

==============================












・・・・・・・・・・。











・・・えーっと。

色々とツッコミたい気持ちを抑えて、1つだけ突っ込もうと思う。

スーッ・・・・・・・・。





何だよ中二病って!?





ふぅ・・・。少しは落ち着いたな。

・・・。

・・・・・。

・・・・・・・ごめんやっぱ落ち着かない。


ステータスがそもそも異常な件について。

これやばくない?

異常だよね?ねぇ?ねぇ!?


ま、まぁ、言い出したらキリがないからな・・・。

まずはこの謎を解くことが出来そうな職業ジョブから見ていくか・・・。

俺は頭の中で‘職業’と唱える。すると・・・


==============================

職業ジョブ 受け継ぐ者 Lv1

・自らが経験した全ての事象を引き継ぐ。

 ※転生を2回以上経験していることが取得条件

==============================


説明圧倒的に足りてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

いやこれ意味分からないだろ!?自分で理解しろってことか!?


ふむふむ。受け継ぐ者か。自らが経験した事象を受け継ぐ?ふむふむ。なるほど。ってことはつまりは自らが経験した全ての事象を引き継ぐってことか。ふむふむ。転生を2回以上経験していることが取得条件な。ふむふむ。俺はたくさん転生しているから、大丈夫か。それで?転生を2回ね。2回。ふむふむ。


なるほど意味分からん。


とりあえず俺はたくさん転生してるから、そのぶん各人生を受け継いでいるってことか。

・・・最後の人生にふさわしいものを用意してくれたみたいだな、天使は。


今はそれくらいの情報で十分だろう。

後々のちのち分かっていくと思うし。


「おい?大丈夫かい?」


「どぅわぁ!」


ラケルさんがいたんだった!


「ステータスは確認できたかい?」


「え、えぇ。まぁ・・・」


「そうかい。じゃあこれで説明はおしまいだね」


「えっと・・・見せなくていいんですか?ステータス」


「あまりステータスは人に見せるものでは無いよ」


「えっ!?じゃあ何であなたは俺に・・・」


「僕は自分以外のことはあまり興味が無いんだ」


「そうですか」


「説明が終わったから僕は前の集団に戻るね。それと・・・」


ラケルさんは言い終わると俺の方に顔だけ向け、全てを見抜くような目で


「・・・隠蔽スキルを使えば自分のステータスぐらいは偽装することが出来るよ」


そう言い残して戻っていった。


俺は背筋が凍えそうになった。

何故俺が隠蔽スキルを持っていることを知っている?

俺は一度もオープンと言わなかったのに。

そしてなによりも。


説明の途中、俺は喋っていたか・・・・・・一度でも声を発したか・・・・・・・・・・


俺は得も言えないような不安感に襲われた。

ーーーラケル・ダード。

俺は彼のことが不安そのもののように感じた。

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