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生徒会な日々シリーズ

不純一途な普通の俺の日々

作者: 双樹沙希
掲載日:2014/12/10

はい、まさかの新作です。

しかも生徒会系。

でも生徒会要素全くない…(泣)


まだ、ね。

転校…それは友達との別れを意味する言葉。

俺には全然縁遠かったこの言葉。何せ俺は転校どころか引っ越しもしたことが無い。

そんな俺が珍しい経験をした…それが「転校」

友達との別れもあった…仲のいい友達との別れはやはりつらい…

「…むふふ」

辛い…が!

「むふふふふ」

今の俺の心は全然悲しくない。

何が楽しくて男子校通いだ!?

女の子いないんだぞ!?

文化祭の時にいろいろ頑張るぐらいしか無かったんだぞ!?

「あぁ…そんな俺に女神がほほ笑んだ」(※外で一人でしゃべってます)

俺はとうとう共学校に通えるようになったのだ!

おっと…まだ気が早いな。

今は登校中だ。特に同じ学校の女子にこんなところを見られてはいけない…

だが俺は重要なことを忘れていた。

自分が中学から4年間男子校通いをした理由を…

そんな俺が校門の前に来た時、一人の女の子が目に入る。

「…!!」

腰まであるストレートロングの黒髪。

端正な顔立ちだが、凛としているその表情。

出てるところは出て、締まっているところは締まっているそのスタイルの良さ。

そして、上品な振る舞いと服装は全然下品に感じない。

俺は。

「惚れた」

今、目の前を通り過ぎようとしているその女の子に俺は一目ぼれした。

すると、何やら衝動が抑えきれなくなってきた。

俺は体がうずうずし始める。

「す、好きだ~~~~~!」

そうして俺はその女の子に背中から抱きついていった。

「キャッ!」

「おお、やっぱり華奢だね! でも胸は出てるじゃないかもみもみ」

俺はその女の子の胸をもみながら冷静に物事を見ていた。

「うん、完璧だよ。やっぱり好きだ!!」

俺は少女の肩や腕など、あちこちを触ってみて評してみる。

「…」

プルプルと少女が震えだす。

「ん? 寒いの? 俺がもっと強く抱いて温めて…」

「…変態!!」

「ボグァ!!」

俺はその女の子の拳を顔面に受け、吹っ飛んでいった。

「い、痛いぜ…」

「あなた。自分が何をしたのか分かってるの!?」

その女の子が尻もちをついた俺を思いっきりにらみつける。

「何かそんな目で見られると余計にゾクゾク…」

「黙って」

「あ、はい」

「…貴方、見ない顔ね。でも学年章は2年だから、もしかして転校生?」

「おお! 俺のことは何でも分かってしまうのか! さすがっ!」

「黙って」

「あ、はい」

「…はぁ。まさか今日来る転校生ってこの子だったの…」

女の子は難しい顔をして考える。

「お嬢さん。そんな悩まないで。僕がその悩みを解決してうぼぁ!!」

さらに一発拳が顔面に飛ぶ。

「だから黙って」

「どうしたこの騒ぎは!?」

そんなとき、もう一人の女子生徒が俺達のところにやって来た。

彼女が来て、辺りはさらに静まり返る。

「あ、渚先輩」

風紀委員の腕章をしている彼女が俺の元に来た。

「転校生が少し問題を」

「何?」

渚先輩と呼ばれる女性が俺のことを睨みつける。

「問題って…その女の子に愛の告白しただけですよ」

「嘘言いなさい! 私の身体に抱きついていろいろ触ってたでしょ!」

ピクリと渚先輩の眉毛が動く。

「まぁ好きな女の子のことは全部知りたいものさ」

俺はフッと笑いながら空を見上げる。

「分かってるの? アナタのやったことはれっきとした「痴漢行為」や「セクハラ」に分類されるものなのよ!!」

「そうなのか!? 俺転校早々逮捕は嫌だ!! どうせ逮捕されるならもっといっぱい触りたい!」

「お前」

「ん?」

そんなとき、目の前まで例の渚先輩がやって来た。

「え? 何がどうかしあぼぅ!!」

本日3回目の拳は鳩尾を直撃した。

「転校早々問題とはなかなか度胸があるじゃないか」

「ゲホッゲホッ!! い、いきなり何しやがる!!」

俺は渚先輩を睨みつける。

「ほう。私とやるのか」

「性行為はご免だが、喧嘩ならやってやるぜ!」

「破廉恥な…! いいだろう。私が成敗してやる。蓮見はすみ、お前はもう教室に行け」

「え、ええ」

あの俺が一目ぼれした女の子、蓮見というらしい。覚えておこう。

彼女は少しこちらを見てから、平然と立ち去っていった。

「さぁ決着の時だぜ、渚先輩!」

「かかってこい」

「言われなくてもかかってやるぜ!!」

俺はパンチを二、三度繰り出す。

なお、俺に格闘経験ありという設定は無い。

「…へなちょこパンチだな」

渚先輩は俺の本気パンチを片手で全て捌いてしまった。

「なんだと…!!」

「ハッキリ言って並以下だな」

「な、何だとう!! 俺だって捌いて見せるぜ! さぁ掛かってごぅぁ!!」

俺の足にローキックが入る。

「ひ、人が喋っているときに卑怯だぞ!!」

「いや、勝負の最中に構えを解くお前が悪い」

「ぐっ…だがな! お前のヘナチョコキックも並以下じゃねーか!!」

嘘です。めっちゃ痛いよあのキック。

俺は精いっぱいの強がりで耐えてみる。

「ほう。気に入ったぞ。弱音を吐かないのか」

「はははどうだ! 降参するなら今のうちだぞ?」

「ならば、一瞬で終わらせよう」

「え?」

俺の意識はそこで途切れた。最後に見えたのは、俺の横顔を捉えた足と、ヒラリと見えたスカートの中身だけだった。

そこで思い出した。何故俺が男子校に通っていたのか、その理由を。

俺は好きな女の子が出来ると、その女の子に抱きついてしまうからだ。






「なるほど」

俺は理解した。ここは保健室のベッドの上だと。

時計の針を見てみるが、まだ朝のHRは始まっていないようだ。

「そして2なるほど」

俺はあの渚先輩に負けた。一瞬で。

「そして決めた」

もう渚先輩にかかわるのは止めようか。

痛いもん。

俺は保健室から教員室まで歩く。

幸いなことに、保健室から教員室はすぐだった。

「失礼します」

「…」

俺の顔を見た途端、教師のほとんどが顔をしかめた。

おおかた、朝のあの騒ぎを聞いて、頭を痛めているのだろう。

だが安心するがいい。俺は問題児とは程遠い。

「君がひいらぎ和人かずと君ね」

「えーと」

俺に話しかけてきたのは、若い女教師だった。

「私は三波ミナミ奈美ナミ。貴方のクラスの担任よ」

「おおなるほど」

「貴方が来て頭痛めてる人が多いかもしれないけれど、私は歓迎するわ」

「おお素晴らしい」

「何となく面白くなりそうじゃない♪」

「おおありがとう」

俺とミナミナ先生(※愛称)は少し会話を交えた後、一緒に教室に向かうことにする。

「まぁクラスのメンバーは賑やかだし、貴方の期待に添えると思うわ」

「それは楽しみだ」

俺とミナミナ先生は一緒に教室に入って来た。

その際、みんな急いで席に着くのだが、それと同時にほとんどの人間が俺を凝視する。

なお、女子はほとんど敵意むき出しであるが。

「はい注目。もう学校の有名人だと思うけど、今日からクラスに新しい仲間が増えましたよ」

「え、えーと…」

ヤバい…こういうの慣れてないんだよな。

普通に自己紹介すればいいのか?

「きょ、今日からこのクラスで世話になる? 柊和人です」

俺の自己紹介に、男子だけ拍手が飛ぶ。女子はほぼ拍手しない。

…おかしいな。俺何かまずいことでも…

そのとき、俺の眼に例の彼女が映った。あの女神様だ。

「あ、あなたはっ!!」

俺は彼女を指差しすぐさま彼女の元へと駆け寄った。

「まさかあなたと同じクラスになれるとぅぼあぁ!!」

俺が抱きつく寸前に、横から別の生徒の蹴りが頬に入った。

「い、いってぇ…」

また意識を失うところだった。俺は蹴った超本人を尻もちをつきながら見上げる。

「えーと…誰?」

「アンタなんかに名乗る名前なんて無いわよ。変態」

「なんだと!!」

俺は立ち上がって彼女を睨む。

「何で俺が変態だって知ってるんだ!?」

「朝といい、今回といい、アンタを形容する言葉なんてこれしか見当たらないわよ」

「ななな、なるほど…」

俺は再び尻もちを着こうとするが、教師に止められる。

「はいはい。騒ぎは止めましょうね。それと、和人君の席は地べたじゃ無くてあっちの席よ」

「ガーン!!」

俺はミナミナ先生が指差したその席を見て絶望した。

「一番遠い!!」

「蓮見さんと佐久間さんの懇願でね、出来るだけ蓮見さんと一番遠い席にしたの」

「だ、誰だその二人は!? しかも一人は好きな人と同じ名前じゃないか!」

俺はミナミナ先生に聞く。

佐久間さくま智美ともみさんがさっき貴方を蹴飛ばした人で、蓮見まやさんが貴方が抱きつこうとした人」

「何!? 蓮見まやさんというお名前なんですね!?」

「ち、近寄らないで!」

「変態!」

俺がまやさんに近づこうとしたら、拳と蹴りが共に顔面にヒットした。

俺今日何回ボコられるのだろう…

「えーと、青島さん」

「は、はい」

「委員長だから、柊君が分からないところがあったら、いろいろ教えてあげてね」

「は、はい…」

地味な委員長、青島あおしま裕子ゆうこは俺を見て不安そうに返事をした。

「ミナミナ先生、裕子にあの変態を近付けるのは危険です!」

蹴り女の佐久間智美がミナミナ先生に意見を言う。

「これも委員長の仕事です」

「しかし!」

「ならあなたが柊君にいろいろ教えてあげてはどう?」

「う…遠慮します」

「よろしい。柊君は早く席について」

「はい」

こうして、長い長い朝が終わっていった。

なお、女の子に殴られるのも悪くないと思いつつある俺でした。







お昼休み。

女子生徒は全然俺に近づいてこなかったが、男子生徒は好奇心から次々と近づいてきた。

「お前やるなぁ。才能あるよ」

「うん?」

最初に俺に話しかけてきたのは、ごく普通の容姿の男子生徒だった。

「あ、俺の名前は工口こうぐち大輔だいすけって言うんだ。お前凄いよな。あの蓮見まやにセクハラするなんてな」

「何かすごいのか?」

「彼女はいいところのお嬢様で、学園のアイドルみたいな感じだ」

「さっすがまやさん。やるなぁ」

「いや、君はまずいことをしてしまったのだよ」

そしてもう一人の男子が話しかけてきた。

「僕の名前は太田オオタ九郎クロウ。君と志を同じくするものだけど、これから君は大変な目に遭うだろうね」

「どういうことだ?」

だが、俺の質問に答えたのは、身長が凄く高いゴリラみたいな男だった。

「俺は魚住ウオズミ剛憲タケノリ。彼女…蓮見かぐやは学園でも人気が高く、親衛隊もいる」

「つまり君は学園の女子だけでなく、男子までも敵に回したってことだよ」

「そ、そうなのか…」

転校早々に俺の学園生活は前途多難になってしまった。

「柊和人!!」

そんなとき、廊下から野太い声が聞こえてきた。

「やばっ! おい、柊和人…めんどくさいから和人って呼ぶぜ。奴らが親衛隊だ。捕まると厄介だ!」

「ど、どうすればいいんだ?」

俺はパニックに陥って慌て始めた。

「とりあえずあそこに行こう!」

「あそこ?」

「いいから着いてこい!」

「うわっ!」

俺は魚住剛憲に抱え上げられ、工口達と廊下へと飛びだした。

「お、お前たちは!」

「へへーん。俺達に近づくとモテなくなるぜ~!」

「に、逃げろ!!」

よく分からないやり取りを工口達と親衛隊がしていたが、理解できなかったので俺は呆気にとられる。

そして親衛隊が逃げているうちに俺は、別の部屋へと連れて行かれた。

「ふう。まぁここまでは追ってこまい」

「あのさ、ここどこだ?」

俺の質問に、3人は待ってましたと言わんばかりに顔を明るくする。

「よくぞ聞いてくれた!」

「我らモテない三傑…エロ!」

「オタ!」

「ゴリ!」

「…え?」

工口がエロといい、太田がオタといい、魚住がゴリと言っていた。

「ここはそんなモテない俺達がモテようと努力する愛好会の会室…」

「そう、僕たちはモテ方愛好会!」

「当然非公式だ」

「は、はぁ…」

俺は困り顔をする。

「君はもうモテないことが決定したね」

「マジで!?」

太田に肩をぽんと叩かれる。

「だからもう俺達の一員だ」

魚住には頭をぽんと叩かれる。

「お、お、お、俺はまだモテる可能性を捨てたくねぇ~~~~~~~!!」


実は出てきてるキャラクター、生徒会な日々にほんの少し登場してる人物だったりします。

読まれた方、気づきました?

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