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今はもういない魔女 ~月の宮は眠る~  作者: 篠宮 楓


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ヘリオスは唯々、目を見開いたまま固まっていた。

神を祀っているその場所が、明るく光り輝き始めたからだ。



――初代魔女の願いにより、地上を見守る者を繰り返し生み出してきたが……終わりなのかもしれぬな




その光は神々しく、それでいて恐ろしいまでの威圧感。

ヘリオスはネアイラを抱いたまま、呆然と見つめていた。




――この宮は月へと還す。これ以上、地上を昏き地に変えてしまうことは初代魔女も望んではいまい

 初代魔女の契約の証が、その魔女より意識を奪っておるようだ……


浮かび上がる胸元の証。

月の印は、初代魔女の意思。



――人の子よ、この宮より出ていくがよい。その腕の中の魔女を置いて



ヘリオスはいまだ感情の戻らないネアイラを、ぎゅっと抱きしめる。



「嫌だ……! ずっと、ずっと一緒にいると約束したんだ! ずっと一緒に……!!」




――けれど、もう魔女の意識は戻らぬぞ。月に還っても、そなたは一人だ。

 言葉もしゃべらぬ人形をそばに、一人生きては行けまいよ





ヘリオスは腕の中のネアイラを見つめて、そっと額に唇を落とした。





「それでもネアイラのそばが、俺の生きる場所だ……」






神が、笑ったような、気がした。














月の宮は願った。

どうか、二人に幸せを……。



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