2/2
第一部 桃色の缶と、はじまりの恋 第二章 夢の温度
夢は正直だ。本当のことしか見せてくれない。
ある夜、桃花は夢を見た。
そこで桃花は、蓮と穏やかな時間を過ごしていた。
目が覚めた時、もう駄目だと思った。
本気じゃん。
これは願望そのまんまじゃん。
蓮には別の女の子がいて、また別れても次の女の子が現れて、恋人になるのは自分じゃなくて。
それはもちろん勇気を出して告白していない自分のせいでもあるけど。
告白して振られるくらいなら、親友として側にいる方が良いなんて、強がりなんだと気づいてしまった。
こんなに好きだなんて。
最近、あいつの様子が変だ。
声をかけても上の空だし、いつもみたいに笑わない。
元気もなくなってるみたいだ。
病気じゃないのか?
あれやこれやと気になってしまう。
桃花の周りには、彼女を慕う友人たちがいつも取り巻いてて、眩しいくらいだ。
みんな気が付かないのだろうか。
気づいているのはお互いさまで、でも誰も動けない。




