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大空で挙げる素敵()な結婚式

「それで、これからどうするんですか? 実際問題、エレオノーラ様はどこかに飛んで行ってしまいましたけど」

「甘いわね、ピョンちゃん。このあたしが、韓流スターの追っかけみたいになっている伯母様に何も対策を打たないとでも思って?」


 あたしは不敵な笑みを浮かべながらピョンちゃんの質問に答える。


 スマホを取り出すと、ドラゴンボールを探すレーダーみたいな光が画面上をピコピコ光っている。


「エレオノーラ様の身に着けたアクセサリーにGPSを付けてあるの。これを見れば高飛びされても行方を終えるわ」

「おお、なんか今日は冴えてますね」

「あたしはいつだって冴えてるわよ。分かったらあの悪党を追い詰めてボコボコにする手立てをしなきゃ。幸いにして、結婚詐欺のメンバーも人質に取っていることだし」


 あたしは乗って来た飛行艇をチラっと見る。


 機内でバトルを繰り広げたミラ・マジビッチはボコボコにした後、傷を治療してこちらに寝返らせた。寝返らせたというか、あたしに逆らったらどんな目に遭うか分からないから怯えて従っているだけな気がしないでもないけど、どっちにしてもこちらを裏切ることはないだろう。


 さて、準部がてらに応援でも呼んでおくか。あたしはスマホでエルウィン騎士団長を呼び出す。


「おう、どうした。エレオノーラ様は奪還出来たか?」

「いいえ、まだあの韓流スターみたいな名前の奴に熱を上げていて……。ちょっと協力してほしいんですけどいいですか?」

「もちろんさ。君のためなら可能な限りの協力はするよ」


 さすがイケメン騎士団長。動揺を走らせてもいけないので、あえてエレオノーラ様が攫われたことについては触れなかった。


「あの、今はサルヴァドール王国に着いているんですけど、ここで結婚式場とか、それに関する施設ってあります?」

「ああ、あるぞ。そこには空中庭園になっている有名な結婚式場があってな。セレブや金持ち練習がこぞってそこで式を挙げている」

「ふ~ん、なんか、いけ好かないですね」

「は?」

「いや、なんでもないですぅ~。それで、その空中の式場の場所ってどのあたりですかね?」

「ああ、それなら座標を送るからそれを見てくれ。一旦切るけど、また何かあれば言ってくれ」


 エルウィン騎士団長は通話を切ると、すぐに空中庭園の結婚式場の座標と一般客向けのサイトのリンクを送ってきた。


 座標の位置は、GPSの光が進んでいく方向と一致していた。どうせそんなことだろうかと思ったよ。


 きっとリュシアンことゲシュタルト・フォン・カインはエレオノーラ様をそのゴージャスな結婚式場へ連れて行き、式を挙げてから籍は入れずに財産だけむしり取るつもりだ。もしかしたらその空中庭園の挙式場もグルかも……。そうなるともう何も信じられなくなるね。


「サイトを見る限りは素敵な結婚式場って感じだけど、この先に起こることを思うと不吉なものにしか見えないから不思議だよね」

「空の上で永遠の愛を刻もう。スカイハイウエディング、ねえ……」


 サイトのキャッチコピーを読んだピョンちゃんがニヤニヤと笑っている。


「これ、うっかり離婚でもしようものなら最凶レベルの黒歴史になりそうですね」

「そうならないように追いかけるんでしょ。とりあえずエルウィン騎士団長には大至急で応援を要請しなくちゃ」


 今度の任務では国家レベルの要人がターゲットにされているのもあり、これ以上リュシアンを逃がすわけにもいかない。ここいらで国際ロマンス詐欺の連中を一網打尽にしてやらなくちゃ。


 でも、そのためには準備が必要だ。拳一本だけで敵を追いかけ回しても、どこまでも逃げられる可能性がある。その前に捕まえてやらないと……。

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