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あたしは運命の女神サマ

 あたしが運命の女神とやらになってから、どれだけの時間が経ったのだろう?


 タラッサという名前を授かったあたしは、世界と世界をつなぐ狭間で長きに渡って女神と呼ばれるお仕事をしている。それは見た目がかわいくないと絶対に出来ない、誇り高くて崇高なお仕事。そんな地位に就けたあたしは自分の容姿を誇りに思っている。


 ここには時間っていう概念が無くて、そのせいで何千年経っても何万年経ってもあたしはロリ顔キュートな美少女のまま。文字通りに永遠の美少女ってやつ。だからこのピンク色のツインテールも痛々しくならないし、お肌もずっとツヤツヤのまま。神族って素晴らしい。


 そんなあたしは衰えぬ美貌を武器にしつつ、世界を救うお仕事に従事している。


 あたしの仕事は自分の担当する世界、コルヴム・パラディスへと英雄たちを送っていくことだ。


 なんて言うの? いわゆる異世界転生ってやつを仲介するお仕事かな。


 とは言っても、「向こう側」から亡くなってコルヴム・パラディスへとやって来る人はたくさんいるわけで、あたしはそういう人たちを選別して、特殊な力を与えてからコルヴム・パラディスをより良い世界にするために送り出している。


 いわゆる「審査」ってやつなのかな。勇者として不適格と判断された人たち……ようするに否決になった人っていうのはコルヴム・パラディスへは送られずに、元にいた世界へと戻される。あたしはヤバい奴を送り込まないように、色々と目を光らせているってわけ。


 それであたしは自分の職務に従って「自称」勇者たちを送っていくんだけど……最近のあたしにはちょっとした悩みがある。


 というのも、最近になってから選ばれる側の人たちが何かを学習しはじめたっていうか、なんだかあたしの審査をうまいことすり抜けている気がするんだよね。


 あたしも「こいつは絶対にヤバい」と思う人はコルヴム・パラディスへ送らないようにはしているんだけど、ここ最近は「審査落ち」する人がめっきり減ってきたというか……。というか、なんだかうまいことあたしのチェックするポイントをすり抜けられている感じがある。


 一応大丈夫な人だけを選んでいるはずだから、コルヴム・パラディスはより良い世界になっていくはずなんだけど……。


 それなのに、なんだか変な気持ち悪さというか、より良い世界が出来上がっていく感じがしないのもたしかだ。


 何だろう、これって慣れのせいなんだろうか。というか、運命の女神って結構ヒマっていうか、やることもそんなにないんだよね。誰かをテキトーに勇者として選んで、後は「頑張ってね」って送り出すだけだから。


 本音を言えばあたしは運命の女神なんかよりも魔法少女になりたかったし、だからこそピンク色のツインテールにちょっとロリっぽい容姿を選んだっていうのがあるんだけど。


 さて、今日も何人かの「勇者」をコルヴム・パラディスに送ったぞ。正直やっつけ仕事になった気がしなくもないけどさ、それでも「俺は生まれ変わって一生懸命に生きていくんだ」とか「強い勇者に転生したらたくさんの人を救うんだ」って熱意のある顔で言われたら否定出来ないじゃんね?


 そんなことを思っていると、ルナリア姉さんからテレパシーというか、LINEの通知が届く。「なに?」って思っていると、今すぐ来いっていう内容だった。


 う……なんか嫌な予感。


 こういう呼ばれ方をする時って、大体怒られるパターンなんだよね。それで行かないとさらに怒られるし。


 うわあ、嫌だなあ。でも、行くしかないか。


 なんだかすごく嫌な予感がするけど、それはきっと気のせいじゃないんだろうなって思いながら。

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