第52話 誘拐
「エルクちゃんが帰ってこない!?」
「そうなの!!お兄ちゃんがコラボして帰った筈なのに家に帰ってこないの」
「油売ってるとか?」
「それは、無いと思う。だって、お兄ちゃんは最近配信後にコメントで『可愛かった〜』とか褒められたニヤニヤするのが日課になってるんだよ!!そんな、お兄ちゃんが配信する時間になっても帰ってこないのはおかしいよ!!」
「じゃ、じゃあ、まさか、エルクちゃんが誘拐!?ど、どうしよう!!」
ゼーフとフォコは、エルクが中々帰ってこないという異常に気付き、ようやく誘拐されたのでは無いか?っと、疑問を抱き急に慌ただしくなった。
ゼーフは、ネットでエルクのことが何かニュースになっているのでは無いか?っと、確認すると『エルクが魔族に誘拐』というタイトルでの記事が出回っている。
「え、どおゆうこと?」
「これは、人間が私達に仕掛けたことなのかもしれないね。ちょっと、魔王さんの所に行って確認を取るは」
フォコは、魔王城にいる魔王様の場所に向かった。
「ど、どうしよう!!エルクちゃんが誘拐されちゃった....」
「まあ、落ち着け。我も状況は知らされているし、対応もしている」
「え?」
「ああ、大丈夫だ。多分だが、第一王子のグレッドの仕業らしいな。勇者と我を戦わせたいらしいな。まあ、事前に手を回しておいたから大丈夫だと思うぞ」
「ほ、本当に?」
「ああ、だがら我も心配だから人間の姿で人間界に行く事にした」
魔王は、自分の姿を人間の姿に近づけた。フォコと一緒に人間界に向かった。
********
「やっぱり、グレッドが仕組んだ事なのね」
勇者は、魔族の仕業では無いことを確認し、エルクを誘拐した実行犯が第一王子であるグレッドと確信した。
勇者は、エルクがどこに居るのかを探る為に『サーチ』探索のスキルを使いエルクを探し出そうとした。
「うん。ここだね。エルクちゃんは、個室で監禁されているだけで、何もされてない。よかった。じゃあ、今からお姉さんが助けに行くからね〜」
といい、エルクが誘拐されているであろう場所に全速力で向かい到着した。人里離れた場所にポツンと立っている家に到着した。エルクちゃんは、その下に監禁されている。
「は〜い。こんばんわ。エルクちゃんを救いにきました」
「お、おま!?」
「まさか、元勇者パーティーの豪剣のダーズが絡んでいるなんてね」
「ああ、だが俺だけじゃねぜ。魔法使いのデーゼが居るのは分からなかっただろ」
『マッドフィールド』
勇者の足元が、泥になり膝まで地面に埋まった。
「全く、元とはいえ勇者パーティーに居たのにここまで落ちこぼれるなんてね。まさか、大犯罪者のデーゼと組んでるなんてね。まあ、私には足止めにもならないけど」
「ああ、知ってるぜ!!俺は、お前に嫉妬してたからな。お前には勝てないと分からされてからは、俺は色々と手に染めた。だが、これが一番手っ取り早い。デーゼに貰ったこの薬がな!!」
ダーズが、黒い何かを飲み込むと急激に魔力が増大し筋力も上がった。
「きたぁあああ!!あ....」
「うん。薬に手を出しても私に勝てないとかザッこ」
そう言って、ダーズを拘束した。
「はあ、全く役に立たないゴリラね....え?」
「バインド」
一瞬の出来事で、デーゼは逃げようと空を飛ぼうとして居たところを拘束魔法で拘束した。勇者は、二人を拘束し家の中に入りエルクの居る地下室で眠らされているエルクを発見した。
「ゆ、勇者様!!」
「ご苦労様です!!」
「この子、何も異常がないか検査してちょうだい。それと、この二人がエルクちゃんを誘拐した犯人だから」
「はっ!!って、この一人は魔法の天才で大犯罪者のデーザじゃないですか!!我々も足取りを追っては居たのですが、全然捕まえる事が出来んかったのですが....流石です。勇者様!!」
と、勇者は警備隊にエルクを誘拐した犯人を連れ込んだ。エルクは、体調が心配なところあるので見てもらう事にした。
「あの、勇者様。これから、どのような事があったなど詳しく聞きたいのですが....」
「ごめん。今から行かなきゃいけないところがあるから」
と言って、警備兵から姿を消した。
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